野口あけみの一般質問/* --項目挿入-- */?>
2022年12月08日
次期「介護保険制度」改定について2024年度から始まる第9期介護保険事業計画策定に向けて、厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会介護保険部会に同省から7つの論点が示されました。厚労省は年末までに部会の議論を取りまとめ、来年2023年の通常国会での法改正を狙っています。 厚労省が示した7つの論点は次の通りです。 1,介護保険サービスの利用料2〜3割負担の対象拡大もしくは原則2割負担 2,要介護1,2の保険給付を、自治体ごとの総合事業に移行 3,ケアプランの有料化、 4,老健施設などの相部屋(多床室)の部屋代の有料化 5,保険料の納付年齢(現在40歳以上)の引き下げと利用年齢(65歳以上)の引き上げ 6,補足給付の資産要件に不動産を追加 7,「高所得者」の保険料引き上げ 以上ですが、これ以外にも福祉用具の一部をレンタルから買い取りに変更する、施設に介護ロボットを導入して職員配置を減らすなども検討されています。 これまでも介護保険制度は改定のたびに負担が増えて給付は減らされてきました。「保険あって介護なし」とか、制度創設に関わった厚労省官僚は「介護保険制度は国家的詐欺」とまで酷評しました。そして、この度の改定も「史上最悪」と評価されるような大改悪です。 全国老人福祉施設協議会など介護業界8団体は、連名で10月21日、厚労省に「過去の積み上げを破壊し、先人たちの努力を踏みにじる改革」だと改悪反対の要望書を提出しました。また、利用者団体の「認知症の人と家族の会」は、11月5日、「介護保険制度の根幹を揺るがす改定」と断固反対の声明を発表し、十数万の署名を提出しています。そのほかにも樋口恵子さんや上野千鶴子さんらが結成した「史上最悪の介護保険改定を許さない‼」会や、医療団体などなど、これまでの改定以上の反対運動が沸き起こっています。 そうした世論の高まりで、ケアプランの有料化と要介護1,2の総合事業への移行は今回改定では見送り、あるいは年内のとりまとめは延期などと報道されているところですが、繰り返し取りざたされている改定プランでもあり、黙っているわけにはいきません。 そこで、時間の制限もありますので、7つの論点のうち3つについて、それぞれお聞きしたいと思います。 まず、ア、利用料の原則2割化についてです。 今年3月末現在、西宮市の65歳以上高齢者は約11万8000人、その19.3%にあたる約2万2700人が要介護又は要支援の認定を受け、このうちの15033人が何らかの在宅サービスを受けておられます。 なお、施設サービス利用は約2800人、認定は受けても介護サービスを利用しない方は約6000人となっています。 在宅サービスの利用状況について、配布配信している資料をご覧ください。 介護サービス利用の際には要介護度ごとに1か月あたりの利用限度額が決められています。また、利用料は費用の原則1割負担ですが、所得に応じて費用の2割、3割を負担している高齢者もあります。なお、表にある事業対象者とは要介護認定を受けずに基本チェックリストによる判定のみで総合事業を利用している方のことです。 この資料からわかることがいくつかあります。 1点目は、要介護度が上がるにつれ、利用率(利用限度額に対する利用額)は上がるが、どの介護度の方も利用限度額までは利用していないということです。要支援1,2の方で50%程度まで、要介護1,2で50%から60%、要介護3以上になると70%から80%の利用です。利用限度額が余裕をもって決められているのか、というとそうではありません。国県市の財政負担や介護保険料にも影響するので相応な額で決められています。また、事業者の方にお聞きすると、ちゃんと対応しようとすれば足りないぐらいだ、とのことでした。 2点目は、利用料のうちの個人負担が1割、2割、3割と上がるごとに、サービス利用率は微妙に下がりますが、それでも要介護度ごとにほぼ同じぐらいのサービスを利用しておられる、ということです。必要最低限のサービスは何とか受けているが、十分かというとそうではない。これまでも言われてきましたが、「懐具合によって、受けるサービスを決めている」というのが、実際のところではないでしょうか。 質問です。現在1割負担の方を原則2割に、あるいは2割、3割負担の対象を増やすという改定が仮に実施されれば、さらにサービス利用が控えられることになると思いますが、当局はこのことについてどうお考えでしょうか。 イ、次に総合事業についてです。 本市における要支援、1,2の方に対する総合事業は、通所型サービス(デイサービス)については、総合事業開始前と同等のサービス提供となっています。一方、訪問型サービス(ホームヘルプサービス)は、2種類のサービス提供となっています。どちらも保険給付のサービスより介護報酬が低く設定されており、予防専門型訪問サービスという国家資格のホームヘルパーによるサービスと、家事援助限定型訪問サービスです。こちらは3日間の研修を修了した「介護予防・生活支援員」によるサービスとなり、介護報酬も予防専門型よりさらに低く、その8割程度です。 ただ、家事援助限定型訪問サービスでは、研修は受けるものの「介護予防・生活支援員」として従事する人は少なく、ヘルパー資格を持った人が事業所より派遣され、事業所には、安価な報酬しか入らず、経営を圧迫していると聞きます。 本市での要支援1,2の方の訪問サービスの実態はどうでしょうか。 ウ、ケアプランについてです。介護保険サービスを利用する入り口でまず必要なことは、要介護認定と、ケアプランの作成です。このケアプラン作成は現在、全額公費負担、本人負担はなしです。ケアプランは一回作ったら終わりではなく、一定期間ごとに効果を評価し、必要があればケアプランを見直すこととなっています。このケアプラン作成について詳細をお聞きしたいと思います。 また、仮に有料化されればどのような影響が考えられるでしょうか。 壇上からの質問は以上です。ご答弁によりまして、対面式質問席にて再質問意見要望をさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 |