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三好さつきの討論
2023年07月05日

意見書案『乳幼児・小児への新型コロナワクチン接種における慎重な対応を求める意見書提出の件』


 意見書案第1号「乳幼児・小児への新型コロナワクチン接種における慎重な対応を求める意見書」に対して、日本共産党市会議員団は見解の相違により賛同しかねます。

 小児が新型コロナウイルス感染症にり患した場合95%以上は軽症です。一方でクループ症候群、肺炎、けいれんなどの中等症や、また、心不全、脳症、心筋炎が報告されています。コロナの小児患者数の急増に伴い、以前は少数であった重症例と死亡例がともに増加しており、基礎疾患のある小児患者においては、重症化するリスクが増えることも報告されています。
 現在、行われているコロナワクチンは、臨床試験で、有効性と安全性に関して厳格な評価が行われたあとに薬事承認されています。小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方として、日本小児科学会・感染症対策委員会では、2022年8月「5歳〜17歳のすべての小児に新型コロナワクチン接種を推奨する」との方針を提示しました。これは、この年代の小児において、新型コロナワクチンに関する有効性と安全性に関する情報が多く蓄積され、コロナワクチンが重症化予防に寄与することが確認されたことをふまえての判断です。同年11月には、生後6か月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種についても、「推奨する」と方針が確認されました。生後6か月以上5歳未満の小児においてのワクチンの有効性として、オミクロン株流行期の発症予防効果は70%台であり、重症化予防効果は発症予防効果を上回ることも期待されています。
 今回の意見書では、「乳幼児・小児への新型コロナワクチン接種について慎重な対応を求める」とされていますが、意見書提出議員の一般質問や、議員所属・参政党の「新型コロナ・ワクチン政策」からは、新型コロナワクチン接種そのものが有害無益との見解が示されています。日本共産党は新型コロナワクチン接種が発症・重症化予防に寄与し、小児においても知見に基づき同様の考えです。
 今回、私が聴き取りしました小児科外来では、保護者からコロナワクチンの接種相談や希望があれば、他の予防接種と同様に慎重に対応しているとのことでした。そして、新型コロナワクチン接種者は少数で、副反応としては、高齢者などと比べると比較的、軽い印象だと話されました。問診票については、これまでの予防接種と同様に副反応等の確認を行っていました。
 市民への周知について、西宮市はHPで、6か月以上5歳未満のワクチン接種について「接種は強制ではない」と赤字で注意喚起がなされています。続いて、「感染症予防の効果と副反応のリスク双方について理解し、保護者の方の意思に基づいて接種をご判断ください」とあります。資料としても「ワクチン予防接種についての説明書」「ワクチンの効果と安全性について」と厚労省の見解に進むことができるようになっています。
 以上から、今回出された意見書の内容については、すでに対処されているものと判断し、改めて、意見書を提出することは、不要と考えます。以上、討論とします。