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三好さつきの賛成討論
2023年09月19日

健康保険証の存続を求める意見書」提出を求める請願


 私からは、請願第3号「健康保険証の存続を求める意見書」提出を求める請願について賛成討論を述べさせていただきます。

 マイナンバーカードの取得は本来、個人の自由です。2013年のマイナンバー法成立後も政府は一貫して、強制ではないと説明してきました。しかし、国民の多くが必要性を感じず、また個人情報漏洩などの不安からカードの取得は広がりませんでした。
 私たち、日本共産党はマイナンバー法が成立した当初から、国民に社会保障の給付削減と負担増を押し付けようとするもの、大量の個人情報をビジネスに利用しようとするもの「財界のもうけ最優先」として、反対してきました。
 しかし、安倍政権がカードの保険証利用を決定、菅政権は22年度末までにほぼ全国民がカード取得と目標設定、そして岸田政権が24年秋の保険証廃止を決定しました。
 この来年の秋の健康保険証廃止については、「共同通信」が行った世論調査で約77%の方が廃止の撤回、延期を求めています。
 マイナ保険証をめぐるトラブルは後をたちません。厚生労働省調査では、約77万人がマイナンバーと紐づけされず、保険証として使えない。全国保険医団体連合会調べでは、693医療機関で窓口負担が間違っているといったことが報告されています。
 政府はマイナ保険証なら医療・投薬情報が共有できて便利だとうたっていますが、医療情報が反映されるには、受診から2か月はかかります。いわゆるレセプト情報の審査が通ってからです。それも、もし、倒れて、救急搬送された時に、マイナ保険証を携帯していなければ2か月経過していても医療情報をしることができません。投薬情報については、患者さんは受診時にお薬手帳を持参されているので、リアルタイムでどんな薬が処方されているかがわかり、はるかに有効です。
 マイナンバーカードは5年ごとに更新が必要ですが、ご存じない方が多くいらっしゃいます。現在しっかりされている方も、5年後、果たしてご自身が設定された暗証番号を覚えているのかが疑問です。そして、更新を忘れてしまったら、保険料を払っていても「無保険」扱いとされ保険医療が受けられなくなってしまいます。日本が60年培ってきた国民皆保険制度は、住んでいるところや、収入に差があっても等しく医療が受けられるようにするものです。それをマイナ保険証が崩壊させるなどあってはなりません。
 政府は、マイナ保険証を持たない人に「資格確認証」を発行するとしています。本来、保険証は、自治体や保険組合が責任をもって、加入者である国民に届けるしくみです。しかし、この資格確認証の有効期間は5年とし、申請については、当分の間だけなしとするものです。マイナ保険証を持たない人に発行するため、自治体や保険組合に新たな負担や手間がかかってしまいます。また、マイナ保険証を持たない人をどう特定するかが大変です。マイナ保険証を持っていてもトラブルに遭って使わない人もいます。ますます、混乱してしまうことが目に見えています。
 医療機関では、マイナ保険証を扱うにあたり、経済的にも労力的にも負担することになりました。私が所属していた病院では、医療機関の窓口に設置されたマイナ保険証を読み取るカードリーダー、それをつなぐ指定された業者のPC、今ある電子カルテと保険者とつなぐシステムに期間限定で補助があり、242万円のところ、122万円で済んだそうですが、システム使用料とサポート代は年間66,000円続くそうです。この先、故障したり、新たな購入時は補助を見込めません。システムの扱いにも研修がいります。
 窓口では、カードリーダーでうまく読み取れない、読み取れても、次々聞いてくる同意を求める作業に患者さんが追い付かないといった対応に追われています。今はまだ、マイナ保険証使用の方が少ないのでなんとか対応できているそうですが、多くの方が使用するとなると、窓口はパンクしていまいます。また、マイナ保険証だけでは受付業務は終わりません。自治体の情報には対応していないため、障害や子ども医療費の負担割合などの提示が必要です。

 これらの問題は今ある健康保険証を残せばすむことです。
 市民の方が安心して医療を受けることができる、命と健康を守るためにも、今ある健康保険証を廃止して、マイナ保険証のみとする政策には問題があります。

 以上により、「健康保険証の存続を求める意見書」提出を求める請願について、日本共産党西宮市会議員団は賛成とします。