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三好さつきの一般質問
2023年12月06日

2024年介護保険制度改定について


 こんにちは。ただいまより、日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、三好さつきが一般質問を行います。寒い中、傍聴にお越しのみなさん、ありがとうございます。インターネット中継でご覧のみなさん、どうぞよろしくおねがいします。

 はじめに、2024年介護保険制度改定についてです。
 保険給付の円滑な実施のためとして、3年間を1期とし、介護保険事業計画が見直されます。2024年度から始まる第9期介護保険事業計画が本格化してきました。
 厚労省社会保障審議会介護保険部会で、次期改定に向けて主な論点として、@介護保険料の増額 A利用料2割負担対象者の拡大があげられています。次期計画期間中には、団塊の世代が全員75歳以上となる2025年を迎えることになり、高齢者人口がピークを迎えることになるといわれる2040年を見通すと、85歳以上人口が増え、当然、医療・介護双方のニーズがふえることが予想され、高齢期における生活保障のために介護保険制度を充実させていかなければならないことは明らかです。介護保険が導入されて23年が経過しました。改定されてきた歴史をみると、まさしく、「保険あって介護なし」といえます。今年、9月には、中央社会保障推進協議会など7団体から介護保険制度の改善を求める要望書が厚生労働省(以下、厚労省)に提出され、今議会において、市民からも陳情書が提出されているところです。介護保険制度の目的は「国民の保健医療の向上および福祉の増進を図ること」です。介護を必要とする人が、尊厳ある存在として生きるためにこそ、利用できるものでなければならないはずです。
 次期改定案の介護保険料についてです。65歳以上の第1号被保険者の介護保険料は運営主体である市町村ごとに基準額を決め、所得の段階に応じて基準額が増減する仕組みです。現在、1人あたり全国平均の保険料は、制度発足時の月額2911円から6014円と2倍を超えるに至っています(資料1をご覧ください)。西宮市では、高齢化率が他市より低いこともあり、全国平均額より低く抑えられ、第7期、8期の平均保険料基準額は5,600円となっています。厚労省が示す標準的な保険料段階区分は(資料2)で示すように、所得を9段階とし、最も高い9段階の「所得320万円以上」の方は現在、基準額の1.7倍(月約1万円)払っている計算となります。次期改定案では、厚労省は年間所得410万円以上の約140万人を想定し、所得が最も高い層において、保険料が月最大約5千円増額する案を示しています。「年間所得410万円以上」4段階を新設し計13段階、基準額の1.8倍から2.6倍までの増化を検討しています。その増収分で世帯全員が非課税世帯の低取得者約1300万人の保険料を引き下げる計算です。市民からは、物価が上がり続ける中、年金は全く増えないのに、介護保険料が増えると生活が一層苦しくなる、介護保険料がどうなるのか心配、あげないでほしいと要望する声が多く寄せられています。

 次に介護サービス利用料2割負担対象者拡大について。
 西宮市の第1号被保険者数は今年度9月末現在118,512人、そのうち22,016人18.6%の方が要介護、要支援の認定を受けています。居宅サービス受給者数は、認定者数の増加に伴い増え14,908人の方がなんらかの介護サービスを受けておられます。(資料3をご覧ください)介護サービス利用者負担は原則1割負担ですが、2015年に一定以上の所得の方の負担割合を2割とし、さらに2017年には現役並み所得者の負担割合を3割としました。2〜3割負担者の利用者に占める割合は10%弱と言われています。次期改定案の利用料2割負担対象者の拡大が実施されると、残りの90%のうち、少なくない数の人が自己負担額2割に分類されるようになるとし、この変更の影響は非常に大きいといえます。経済界からは、昨年10月に高齢者の、一定以上所得者の医療窓口負担を2割に引き上げたことと、足並みを揃える形を求める動きがあるようですが、専門家らの慎重意見が多く引き続き議論することとなっています。改定されたら、例えば、要介護5の方が7時間程度の介護サービスを週4回利用していた場合、これまでなら1割負担であれば17,920円のところ、2割負担になれば35,840円になります。1年間にすると、その差額は21万5040円にもなり、負担増により、利用控えを招き、結果として要介護の重度化、疾病の重症化をもたらすことになりかねません。介護事業所からは、サービス利用抑制につながり、かえって自立度が下がり、給付が増えることになると指摘されています。

 質問です。
 まず、介護保険料について、4点お伺いします。
 1点目:介護保険では、原則として保険給付に要する費用の約半分を公費で負担、国が25%、県12.5%、市12.5%を負担することとしています。ただし、国の負担分のうち5%相当分については、調整交付金として交付されることになっています。この調整交付金について説明をおねがいします。
 2点目:第8期西宮市介護保険事業計画では、公費や介護給付費準備基金(以下、基金)の取り崩しによる調整の結果、平均保険料基準額は5600円となっています。この場合の基金取り崩しは何割になるのか。
 3点目:第9期西宮市介護保険事業計画での月額保険料の基準額と保険料段階設定の見通しについて当局の考えを聞かせてください。
 4点目:保険料段階設定において、高所得の方に負担いただくよう多段階の設定が可能と思いますが、9期において多段階設定した場合、低所得の方へどれだけ保険料が軽減されるのか。併せて、できるだけ保険料をあげないように9期についての基金取り崩しについて、どう検討されているか聞かせてください。

 次に、介護サービス2割負担対象者の拡大についてお伺いします。
 2割負担者の対象者拡大の想定される人数と併せて、改定されることになれば、高齢者にどのような影響が予想されるのか当局の考えを聞かせてください。