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野口あけみの討論
2023年12月22日

議案第43号 西宮市営住宅条例の一部を改正する条例制定の件について


 議案第43号 西宮市営住宅条例の一部を改正する条例制定の件について、日本共産党西宮市会議員団は賛成ではありますが、意見を申し述べます。

 本条例は国の通知を受け、市営住宅の入居要件について、現行では親族との同居を条件とし、単身入居は高齢者や障害者手帳所持者等に限定している規定を、部屋面積が一定以下である等の公募条件を満たす一部の住宅について、高齢者等でなくとも単身で住居できるよう入居資格を改正するものです。
 市は、かねてより国の通知や包括外部監査の指摘を受ける中で、普通市営住宅入居の継承基準の厳格化を図りたい旨、議会に報告しており、この6月議会、建設常任委員会の所管事務報告で2024年度1年間を周知期間としたうえで2025年度から実施するとしています。
 具体的には、市営住宅入居継承対象者を、現行の「名義人の配偶者または3親等以内の親族」から、「名義人の配偶者または3親等以内の親族のうち高齢者、障害者、生活保護受給者、難病患者、DV被害者で、特に居住の安定を図る必要があるもの」へと厳格化します。
 その際に、承継できない者への対応策として、現行高齢者と障害者に限定されている単身者の応募要件を緩和し、応募資格の範囲を広げることにしたのが本条例案です。現時点の調査によれば、市営住宅居住者の2割ないし3割が名義継承できないとのことでした。
 本条例案が対応策の一つとなることは理解でき賛成するものですが、住宅確保に困難を抱える世帯に十分いきわたるだけの公営住宅がなく、公営住宅に入居できなかった場合は、家賃の高い民間住宅に住まざるを得ない状況にこそ、そもそも問題があります。この際、民間住宅への家賃補助制度をつくるなど、今回の名義継承厳格化で生まれかねない住宅確保困難者も含めた、住宅確保困難者対策の充実を求めるものです。