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庄本けんじの反対討論
2023年12月22日

育成センターの指定管理者指定の件にかかわる議案第63号、64号、65号、66号、67号、68号について


 日本共産党西宮市会議員団は、育成センターの指定管理者指定の件にかかわる議案第63号、64号、65号、66号、67号、68号に反対いたします。以下、理由を述べます。
 いくつかの問題があります。第一に、指導員の配置が基準を満たしていないという問題。第二に、行政の指導監督が行き届いていないという問題。第三に、指定管理者選定委員会が、問題を抱えている営利企業を候補者に選定しているという問題です。これらの問題を解決しないまま、育成センターの運営に指定管理者制度を活用することは許されません。
 私たちは、かねてから学童保育の事業に指定管理者制度を導入する場合、営利企業の参加を可能とすることには問題があり、また、運営する事業者の継続性ということも重視し、公募によらず非公募であるべきだと主張してきました。しかし、当局は、指定管理者制度を導入した当初は非公募だったものを公募に変え、営利企業の参入に道を開き、現在に至っています。
 私たちが懸念していた重大事態が、営利企業の運営に生じています。
 指導員の配置が、国の基準や西宮市の要綱どおりに配置されていないという問題です。
 これは、あるトラブルがきっかけとなって、明らかになったことですが、そのトラブルというのは、児童のいたずらを注意した指導員と、別の指導員との間で、児童への対応の仕方をめぐって口論となり、それがエスカレートし、一人の指導員が物を床に投げつける、その状況を見ていた児童たちが恐ろしさを感じ、なかには泣いてしまった児童もいた、というトラブルでした。
 保護者は、さっそく集まり、対応について話し合うと、いろんな問題が浮かんできたようです。児童の水分補給に気配りが足りない、育成センターからのお便りが出ない、指導員との遊びが少なすぎる、連絡帳に重要事項を書いても対応がない、運営委員会に出てきてくれない、そうした日ごろの全体像が見えてくるなかで、指導員の配置状況にも問題がある、ということが浮かび上がってきた、ということです。
 話し合いを重ねながら、保護者会の役員が、自分たちで、国の基準や西宮市の要綱を調べ、指定管理者との交渉などを重ね、かなりの努力をして、勤務の実態を調べてゆくと、勤務実態が明らかになり、基準を満たしていない、ということが判明したのです。
 どんな状態か。常勤者がまったく足りていない、ということです。週に二日か三日の勤務がほとんどで、細切れの勤務になっている。複数の育成センターを同じ指導員が行ったり来たりしている。学校の夏休みなどには、指導員の配置ができず、学校の給食調理に派遣している職員を育成センターに振り向ける、そんな状態だった、ということでした。
 なぜそのようなことになるのか。それは、短期雇用の契約で指導員を組織していたからです。三か月の短期雇用や、長くても、一年契約の勤務になっている、とのことです。
 このような状態ですから、当然、保護者たちは、市の担当者にも実態を知らせ、改善を求めます。ところが、市のチェック機能が働かない。たとえば、改善を求めて、市のほうでも、育成センターの勤務状態を毎月チェックして、指導してほしいと要望しても、当時の市の担当者は「予定の通り実施されているものだと思っているので、毎月チェックしていない」と答える、そんなやり取りで終わってしまう、とのことでした。
 指導員の配置問題は、いまも改善されないままのようです。これは、行政の指導監督が、いまでも、行き届いていないことのあらわれです。また、問題を抱えた営利企業が指定管理者の候補者として選定される、というということも、あわせて問題にせざるを得ません。
 現状のような育成センターの運営にかかわる指定管理者制度は、行政や指定候補者選定委員会のチェック機能が十分に働かない仕組みと体制になっているのです。したがって、このような指定管理者制度の活用は、認めるわけにはいきません。
 以上が反対の理由です。

 次に、以上指摘したことを踏まえ、改善の提案をいたします。
 一つは、西宮市の要綱、すなわち、「西宮市留守家庭児童育成センターの設置運営に関する事務取扱要綱」の見直しです。要綱には、いくつかの不備が見受けられます。たとえば、要綱に「常勤指導員」という用語があります。市の要綱では、指導員を「常勤指導員」と「非常勤指導員」とに区分をけし、それぞれに資格要件を規定し、資格の違いで「常勤」と「非常勤」との区別をしています。しかし、「常勤」と「非常勤」という用語は、資格要件の違いを表現するものではありません。育成センターの現場では、実際、「常勤指導員」の資格を持つ人であっても、毎日勤務する状態、つまり「常勤」でなければ、「非常勤指導員」という位置づけとなります。国の基準では資格を持つ職員を「放課後児童支援員」といい、資格のない職員を「補助員」と称しています。西宮市の要綱は、明瞭さに欠けます。要綱を見直し、明確な規定を与えるべきです。
 二つ目は、指定候補者選定委員会のチェック機能を抜本的に高めることです。たとえば、指導員の配置基準を守ることは、育成センターの健全な運営を保障する前提条件であり、絶対的条件でなければならない要件です。配置基準を満たすことができないような重大な問題を抱える指定管理者には、そもそもその応募の資格がない、とすべきです。ところが、選定委員会がつくった評価項目と評価基準では、組織体制の評価配点の比重がきわめて低く、指導員配置の要件が重視されない状態で、全体の評価が決められています。指導員の配置や雇用形態に関しては、応募する際の前提条件にするなど、評価基準の抜本的見直しを求めます。
 第三に、行政のチェック機能を抜本的に強化することです。
 以上、三つの改善点を提案し、反対討論といたします。