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三好さつきの陳情
2023年12月22日

陳情第7号「安心して尊厳ある介護が受けられることを求める陳情」


 陳情第7号「安心して尊厳ある介護が受けられることを求める陳情」につきまして、日本共産党西宮市会議員団は、採択すべきとして意見を申し上げます。

 陳情は、「介護保険料の値上げに反対」「介護サービスの自己負担を増やさないで」「介護従事者の待遇改善を!」と平和と福祉のまち西宮をつくる会の方たちから提出されました。
 聞き取りの中で寄せられた声を紹介します。
 「介護保険料が上がることや費用負担2割は大変、やっていけなくなる。若い人や子どもが少ないからといって、年寄りからとるのはおかしい」
 ケアマネからは、「本人の望む暮らしでなくなる。タクシー代、病院代、おむつ代、クーラー代、どれをとっても値上がり、使える金額からケアプランを立てないといけない」
 ヘルパー事業所の管理者からは「早朝、夜間、市外への訪問介護は私が行って、なんとかヘルパーさんに続けてもらえるように頑張っているが、倒産の2文字がいつもよぎる」
 小規模事業所管理者からは、「稼働率100%で収支がとんとんといった状態。職員の安定した生活を守りたい。」と。利用者さんは、なんとか、今の介護支援があって望む生活が保障され、介護職員は一人ひとりの利用者さんに寄り添いながら、その人らしく過ごせる日々を支える介護の仕事に誇りを持って働いています。
 介護保険制度は創設から23年が経過し、年金から天引きされる介護保険料は2911円から現在6014円と2倍を超えるに至っています。市の介護保険料も値上がりが検討されているようですが、介護給付費準備基金の残高約21億円を繰り入れて保険料の抑制を行うべきです。基金の残高は取りすぎた65歳以上の保険料です。大阪府では、41市町のうち、16団体が基金残高100%を取り崩して、保険料を抑制しているそうです。市においても、100%に近い額で取り崩し、介護保険料をこれ以上、上がらないようにすることを求めます。
 また、サービス利用料2割負担者の対象者を拡大することも濃厚となってきました。厚労省審議会では、年収190万円以上を2割負担対象として検討する試算がでました。年収190万といっても税金や介護・医療保険料が天引きされればもっと少ない。富裕層でもなんでみない、ぎりぎりのレベルです。厚労省はモデル世帯の収支調査で「余裕がある」かのような説明を繰り返していますが、介護サービスを利用する要支援・要介護の方の生活実態を調べていません。後期高齢者の医療の窓口負担も昨年の10月から2割になり、同じ所得層の介護保険利用料を2割にしたいのが狙いですが、そうなれば医療も介護も抑制がすすみます。これでは、保険料が天引きされていながら必要な時に使えなくなります。政府は「給付と負担のバランス」などと言っていますが、これから、さらに年収の基準を下げていけば、対象拡大から「原則2割負担」が実現し、高齢者の生活は負担増に耐えられなくなり、現役世代の生活も苦しくなるばかりです。国にこれ以上の負担増をやめるように求めます。
 介護職の処遇改善、賃金を全産業平均水準まで引き上げること、事業経営を安定させることが緊急的課題です。報酬加算で利用料や保険料負担に跳ね返らないように、国庫負担を現在の25%から段階的に引き上げること、市においては、保育士確保事業のような支援を行うことにより、介護職員を確保し、誇りを持って働き続けることができるようなしくみが必要です。

 陳情の討論では、「不十分な内容である」「一定は理解できる」「市の財政状況から見て困難では」といった意見や、キャリアアップでの収入増など提案もされましたが、不採択となりました。
 高齢者への社会保障制度が後退すれば、現役世代への経済負担が増えます。そして、子世代も必ず、高齢者になります。高齢者だけの問題ではありません。以上意見とします。