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庄本けんじの反対討論
2024年07月04日

第185号 西宮市教育奨学金条例の一部を改正する条例制定の件について


 ただいま上程中の議案、第185号、「西宮市教育奨学金条例の一部を改正する条例制定の件」について、わたくし、庄本けんじから、反対の理由を述べます。
 この議案の問題点は、教育委員会大学貸付奨学金を廃止する、としている点です。当局の説明では、日本学生支援機構等が実施する、大学生向けの奨学金制度が拡充されているから、廃止するとのことです。
 しかし、拡充したとはいえ、その内容は規模があまりにも小さく、対象が限定的です。いまでも、奨学金を借りる学生は、学生の2人に1人、しかもその7割以上は有利子の奨学金を借りている学生です。学生の苦難を抜本的に変えるほどの制度の拡充とは、とても言えません。
 寝る時間も惜しんでアルバイトをし、学費を工面せざるを得ず、勉学どころではない事態に追い込まれているのが現実です。
 こうした状況が、なんら解決されないなかで、世界では、高等教育の無償化へ大きく動き出しているにもかかわらず、日本の学費は、毎年、毎年、引き上げられ、そのうえに、いま、中教審などで、学費の値上げをあけすけに議論されるような政治状況です。学生の苦難は、解決される見通しさえ持ちようがないのです。
 そんなときに、教育委員会大学貸付奨学金を廃止するなどということを、私たちは認めるわけにいきません。
 以上、議案185号への反対討論といたします。