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2025年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:総務局
2024年08月26日


  1. マイナンバーカード制度で政府は、携帯電話の契約や銀行口座開設などで法律に基づく本人確認をする際、マイナンバーカードに搭載されたICチップ情報の読み取りを原則義務化しようとしている。開始時期は未定とのことだが、「カード取得の強制」だと強引なやり方に批判が噴出している。カード取得は任意であるにもかかわらず、持っていないがゆえに不便さが増すようでは、法の趣旨からも逸脱している。市としても反対の意思を示すこと。

  2. 国が進める自治体DX推進計画でのシステム標準化においては、これまで自治体の努力で積み上げられてきた独自施策は後退させず継続させること。

  3. 市は、2023年度に「定員管理計画」を策定した。市業務が多様化、複雑化し、また行政需要が増大する中、内部事務改革と合わせて、正規職員の定数を抑え、会計年度任用職員の増員で対応するとしている。すべての職員が人間らしく働けるよう、同一労働同一賃金、超過勤務の削減、育休取得などワークライフバランスへの配慮などに取り組むこと。

  4. 職員人事について
    (1)女性の管理職登用率は20%と目標値を定めているもののなかなか伸びていない。とりわけ、現在市の意思決定に関わる局長職に女性が圧倒的に少ないことは重大である。現場の声をよく聞き、女性の管理職登用率向上の努力をいっそう強めること。
    (2)障害のある人の雇用についても引き続き積極的に取り組むこと。
    (3)健康を害して長期休業に入る職員が一定数ある。特に精神疾患による長期休職も増えていることから、メンタルヘルス増進への支援をすすめること。また、休職者の復帰支援も十分に行うこと。
    (4)育児休業を取得しやすい職場環境が求められる。代替正規職員を配置するなど、安心して育児休業のとれる職場環境を確立すること。そのために必要な条例を整備すること。

  5. 市の業務に関するすべての職場でセクハラ、マタハラなどあらゆるパワーハラスメントが起きないよう、研修を強め、相談窓口への勇気ある訴えには真摯に対応すること。また、カスタマーハラスメントへの対応についても研究し、適切に対応すること。

  6. 兵庫県知事のパワハラなどを告発した県幹部職員が公益通報扱いされず、不当な取り扱いを受けた事例が発生し、今後解明が待たれる。市の内部公益通報制度については改めて県の事例からも教訓を引き出し、実効性のある制度とするよう今後も検討すること。

  7. 地球温暖化の影響と思われる線状降水帯の発生での洪水災害や土砂崩れ等が、全国各地で毎年のように起きている。ソフト、ハードの両面について随時、災害対応を検証し、市民の命を守るための取り組みを強化すること。

  8. 避難所について
    (1)鳴尾御影線以南の津波避難ビルは、津波発生時のみならず洪水時の避難所としても活用することになっているが、市民には十分知られていない。周知徹底すること。同時に同線以北でも3階以上のビルと協定を結び、洪水時の避難所とするよう検討すること。
    (2)甲陽園地域をはじめ、現在の避難所の配置や箇所数が適切か検討し、大学や商業施設などの民間の協力も求め、増やす方向で取り組むこと。
    (3)避難所の環境改善は大きな課題の一つである。小中学校の体育館へのエアコン整備で一定の前進が見込めるが、避難所の質の向上のための国際基準である「スフィア基準」には程遠い水準にある。寒暖対策やプライバシーの確保など、不断に改善を進めること。
    (4)避難所運営マニュアルを早期に作成し、地域住民とも共有して緊急時に対応できるよう訓練なども実施すること。

  9. 被災者生活再建支援法では、住宅本体の建築費や補修費などの支給額は最大でも300万円であり、再建には程遠い。少なくとも500万円以上への引き上げとともに、半壊や一部損壊の住宅、中小企業の店舗や工場等の事業所なども対象とすることを国に求めること。