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2025年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:財務局
2024年08月26日


  1. 単年度実質収支の赤字をもって、「財政が厳しい」と財政構造改善の必要性が言われているが、市財政全般を見た場合、市税収入の安定性、市債や公債費の低減、各種基金の一定の積み上げなど、必ずしも「危機」とは言えない。現に、まちづくりへの投資に資する施策・事業は厳選して実施すると言明し、優先している。
    政策局でも述べたが、「財政がきびしい」とことさら強調することは、市民のくらしの願いを抑え込むことになる。厳に戒めること。

  2. 物価高騰が長期にわたって続き、市民の生活が脅かされ続けている。党議員団は消費税減税など国による抜本対策を求めるものだが、市においても引き続き国の交付金措置を求め、市民全体に効果が行き渡る適切な物価高騰対策を行うこと。

  3. 物価高騰やコロナの余波などを要因として過大な借入金を抱えるなどし、税の支払いが困難になっている事業者が多い。減免や納付期間の延長、支払い猶予など、丁寧に事情を聞き、納税者の立場に立った柔軟な対応を行うこと。

  4. 固定資産税の支払いが困難な市民が増えている。自己使用の住宅について、他自治体では就学援助金を扶助とみなし固定資産税を減免している事例がある。他自治体の状況を研究し、市でも減免制度を創設すること。

  5. 庁舎管理について
    (1)保育所の入所申し込みや議会傍聴など、子連れの来庁者のための「託児施設」を庁舎内に設置すること。
    (2)本庁舎ではクーリングシェアやマイボトル運動に取り組んでいるが、市民にはほとんどアピールできていない。のぼりやステッカーなど目に見えるように周知すること。
    (3)集会施設については、モニターやプロジェクターをはじめとした機器の整備、特にWi-Fiのサービスなど、最新のマルチメディアに対応した施設整備をすすめること。
    (4)公的施設のバリアフリー化を進めること。
    (5)市施設のトイレの洋式化は、この間、本庁舎や学校等で一定の前進が見られるが、引き続き施設ごとに目標をさだめ、計画的に取り組むこと。また、市施設はLGBT・性的マイノリティの方など多様な市民が利用可能ないわゆる「みんなのトイレ」を設置すること。

  6. 一定金額以下の市の修繕工事等を、競争入札参加資格のない市内業者に直接発注する「小規模修繕契約希望者登録制度」は一定の件数、金額を確保してきたが、中小零細業者の育成をはかるうえでその役割はますます重要である。発注金額を消費税増税や労務単価の引き上げ、物価高騰を考慮して、現在の50万円未満から70万円に引き上げる予定と聞いている。さらに引き上げを検討し、発注工事件数も増やすこと。

  7. 公共工事や業務委託、指定管理者による施設の維持・管理などの契約において、公的責任を果たす観点から以下のことに取り組むこと。
    (1)契約内容が厳格に実施されているか、チェックを強化すること。
    (2)公共工事では、当初契約価格等の大幅な変更が多々見受けられる。これらを常態化させないようその方策を検討すること。
    (3)従事労働者の適正賃金など処遇の改善は、貧困と格差を是正するうえで社会全体の課題である。これに対応するため、公契約条例の制定が進められており、全国で76自治体が制定し、兵庫県では三木市、加西市、加東市(以上は賃金条項あり)、尼崎市、丹波篠山市(賃金条項なし)が続いて制定している。西宮市でも公契約条例の制定に踏み出すこと。