2025年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:市民局/* --項目挿入-- */?>
2024年08月26日
- マイナンバー制度について政府は、マイナポイント付与という「アメ」を配る一方、健康保険証廃止という「ムチ」をふるい、一気に取得率を引き上げたが、誤登録や個人情報の漏洩などの重大問題は解決していない。
とりわけ2024年12月2日以降、従来の紙の健康保険証が発行されなくなり、マイナンバーカード未取得者やマイナカードと保険証の紐づけをしていない人には、保険者から資格確認証が当面申請することなく発行されることになっている。
そもそもマイナカード取得は任意であり、国民皆保険制度の趣旨からいっても保険証の廃止は間違っている。多くの国民、医療機関が反対の声を上げている「健康保険証の廃止」の中止を市としても国に求めること。また、資格確認証は発行されるという情報を正しく市民に知らせること。
- 市民と直接接する市民課窓口業務が、全国で民間委託されている。弁護士等から、?個人情報漏洩の可能性、?偽装請負の危険性、?住民サービス低下、?委託料増加の可能性などが指摘されており、問題が多い。市民課窓口の民間委託は行わないこと。
- 国民健康保険制度について
国保料が高すぎる要因は、国民健康保険会計に対する国庫負担が1984年以降減らされていることにある。加えて国は、保険料抑制のためやむなく自治体が行ってきた一般会計からの繰り入れを禁止した。順次繰り入れを減らしてきた市は、それに少しでも代わりうる保険料抑制策として、これまで実施していた減免制度に加えて特別減免や、2021年度からは減免新制度として所得割減免を実施している。それでも国保料は高い。よって以下のことに取り組むこと。
(1)減免制度については以下のように拡充すること。
?所得激減減免の対象を前年所得金額の5割以下から3割以下とすること。
?低所得者の保険料について、基準総所得金額の世帯合計の20%を超過する保険料が賦課される世帯にその超過分の4分の1を減免する特別減免制度が創設されて久しく、2023年度は17%を超えた分としているが、超えた分については全額減免とすること。
?国は2022年度から未就学児の均等割保険料を半額にしている。加西市では0歳〜18歳まで全額免除している。残りの半分を市が負担し、全額免除にすること。
(2)現在の保険料賦課計算では、滞納見込み分をあらかじめ納付見込み分に上乗せするため、保険料が割高になるしくみとなっている。このやり方を改めること。
(3)保険料滞納者や分納誓約者に対しては、減免制度の案内などていねいな説明と相談を行うこと。
(4)保険料滞納者は人間ドックの受診費用に対する助成対象から排除されているが、分納誓約履行者については助成対象とすること。
(5)人間ドッグの受診機関を増やす努力は行われているがまだ足りないため、希望通り予約が取れないことが多い。特定健診についても特に北部では少ない。受診機関を増やすこと。
(6)窓口一部負担金の減免制度は事前の市の承認や、3か月以内の治癒が見込める診療に限定されるなど、基準が厳しすぎるため、利用人数が少ない現状である。利用しやすいよう条件を緩和するとともに、医療機関を含めてそのような制度があることの周知をさらに強化すること。
- 福祉医療費助成制度については、所得制限が「世帯合算」となり制度から外された市民が多数にのぼる。所得制限そのものをなくすよう県に強く求めること。
- 県が老人医療費助成制度を廃止し、高齢期移行医療費助成制度を創設して久しい。その対象者は65歳以上70歳未満の低所得者で、さらに要介護2以上の認定を受けている者としているため、多くの人が対象外である。県に対して制度を再構築するよう強く求めること。
- こども(乳幼児等)医療費助成制度は、2023年1月からこれまで所得基準額以上で該当しなかった小学4年生から中学3年生までのこどもと、さらに高校卒業までを制度の対象とした。この制度については、市長の公約通り、一部負担金もなくして完全無料化を早期に実現すること。あわせて同様の制度創設、拡充を、国と県に対して求めること。
- 18歳未満への医療費助成を独自に行う自治体に対し、国保の国庫負担を減額する調整措置(いわゆるペナルティ)が、2024年度から廃止された。ところが、厚労省は、「窓口負担が必要な制度」や「窓口負担を復活させた」自治体に新たに補助金をプラスに評価する通知を発出した。これは、ペナルティ廃止の政府方針から逆行するものである。また、母子医療など福祉医療に関してのペナルティは依然存在するとも聞く。自治体独自の軽減制度に関して一切の制裁措置を行わないよう引き続き国に求めること。
- 後期高齢者医療制度については、単身世帯200万円以上、夫婦世帯320万円以上の収入がある世帯を対象として2022年10月から医療費窓口負担が2倍に2割負担となり、悲鳴が上がっている。本市においてはこれまで通り1割負担を継続できるよう県に助成制度の創設を求め、市としても何らかの措置を講ずること。
- 平和の施策について
ロシアによるウクライナ侵略の長期化やイスラエル・パレスチナ情勢の悪化により罪もない多くの人々の命や日常生活が奪われている。また、核戦争が起こされるのではないかとの恐怖も広がっている。一方でこれら世界の人々の願いに反する行為に抗する世論と運動も一層広がりつつある。日本においても戦争を二度と繰り返さないために、戦争の悲惨さを知ってもらう活動や、新たな戦争につながる動きを常に警戒し、警鐘をならしていくことが重要である。
そうしたなかで、県下に先駆けて平和非核都市宣言をした西宮市が、核兵器廃絶に向けて全国や世界に向けて発信していく意義は大きい。平和行政として次のことにとりくむこと。
(1)核兵器禁止条約が発効されたが、政府はこの条約への署名・批准を拒否し続けている。唯一の戦争被爆国としてあるまじき姿である。平和非核都市宣言を行っている西宮市として、国に対して署名・批准を求めること。
(2)市長を会長とする原水爆禁止西宮市協議会が行っている署名活動をさらに積極的に広めること。
(3)2024年度から、終戦記念日前の駅前街頭啓発活動の変更や親子広島バスツアーの廃止など、市の平和への取り組みが縮小傾向にある。新たな取り組みを検討し市としての平和活動を発展させること。
(4)平和資料館については、さらに充実させること。
- 市内では外国人居住者が増えているが、生活していく上での様々な相談を受けられる窓口を設置すること。
- ジェンダー平等は世界で大きな流れになっているが、日本では十分理解がすすんでいるとは言い難い。性的マイノリティの人たちを含めた差別解消や支援の推進等、一人ひとりの人権と個性が尊重される西宮市をつくるため、引き続き尽力すること。
- ジェンダー平等の取り組みの拠点となる西宮市男女共同参画センターについて
(1)だれでも利用しやすい「みんなのトイレ」を設置し、女子トイレには生理用品を配備すること。
(2)また、そもそも「男女共同参画」という言い方自体がそぐわない。名称の見直しを検討すること。
- 地域の集会施設について
住民自治の拠点ともなる地区市民館・共同利用施設、公民館などはそれぞれの設立趣旨や歴史的経過もちがうことから、安易な統合や廃止は行ってはならない。地域の集会施設について以下のことに取り組み市民サービスを向上させること。
(1)受益者負担という考えを導入し、多くの地区市民館で使用料が引き上げられた。こうした施設は市民のコミュニケーションをはかる、あるいは文化の向上にも寄与していることから今後は安易な料金の引き上げは行わないこと。また、共同利用施設は有料化しないこと。
(2)国道171号線以北の広田地域については市民集会施設の空白地であることを市は課題として認識している。早急に地域の希望を聞いて解決すること。
(3)地区市民館・共同利用施設の視聴覚設備についてはWi-Fi環境の整備を行うとともに、最新のマルチメディアに対応できる機器を配備すること。
(4)地区市民館や共同利用施設は、使いやすい施設にするため次のことに取り組むこと。
?身体障がい者トイレの設置や男女共用トイレの分別とともに、洋式化(温水洗浄便座を含む)等、使いやすい施設に改善を進めること。
?老朽化による大規模改修や建て替えも含め、全施設の改善計画を策定しているが早期にすすめること。
?瓦林公園センターなど老朽化した空調設備については改善すること。