2025年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:環境局/* --項目挿入-- */?>
2024年08月26日
- 今年の夏もさらに「危険な暑さ」となり、まさに、地球温暖化防止は世界的規模の緊急の課題である。市長は、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを目指すとしており、具体的な取り組みを市民にもわかりやすい形で進める必要がある。
(1)市として「気候非常事態宣言」を発して、地球温暖化防止の取り組みについて、わかりやすく発信すること。
(2)脱炭素社会実現に向けた市民、事業者、行政が参加する「市民会議」として、本市では、「西宮市環境計画推進パートナーシップ会議」、「地球温暖化対策部会」が設置されている。さらに、幅広く市民の関心を高めるために、脱炭素問題の学びから将来ビジョン・計画・政策づくりを共有できるような新たな仕組みづくりを検討すること。
(3)「第二次西宮市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」の中間改定が行われ、2028年度の二酸化炭素排出量を2013年度比で46%以上削減するなど目標達成に向けた指標が示された。2050年までにゼロカーボンを実現するため、各基本施策の取り組みを確実にすすめること。
- 温室効果ガスを減らすために電力における自然再生可能エネルギーの活用は欠かせない。次のことに取り組むこと。
(1)市は太陽光パネルと蓄電池の購入について、神戸市と10市3町が共同購入できる仕組みに参加している。共同購入により、昨年度は市場価格から最大30%以上安くなる有効な施策である。この制度をさらに周知し、自然再生エネルギー活用のさらなる普及を図ること。また、店舗などへの再生可能エネルギーの導入の支援を行うこと。
(2)国は新増設される公共施設は、太陽光発電設備を最大限設置することとしている。市域における公共施設の再生可能エネルギーの導入について、どこまで進んでいるかなど現状を市民にもわかるように広報し、取り組みを強めること。
(3)市内企業が省エネ工事、断熱建築を受注できるように情報提供を広く行うこと。
(4)二酸化炭素削減や災害防止を目的としている森林環境譲与税を活用した、間伐材や木材利用促進などの具体的な取り組みをすすめること。
(5)国は排気ガスを出さないEV車への移行を加速することをすすめている。災害時も想定して、電気自動車の急速充電器の設置とともに、公用車(ゴミ収集車も含む)のEV車への移行を計画的にすすめること。
(6)地球規模でプラスチックゴミが問題となっており、本市では「プラスチックスマートアクションにしのみや」として、プラスチックゴミ削減を呼びかけている。さらにプラスチックゴミ問題への取り組みを進めること。
- 「気候変動適応法」が改正され、熱中症による健康被害の発生を予防するため、クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)が本庁はじめ、公共施設の7か所に指定された。引き続き以下のことに取り組むこと。
(1)暑さ指数(WBGT)35以下での平時からの利用が可能となっているが、クーリングシェルター指定であることが目立たず、わかりづらい。幟やステッカーなどの表示を行うこと。さらに図書館や体育館などの指定を拡大するとともに、民間企業へも涼みどころとしての呼び掛けを行い、市民を暑さから守ること。
(2)給水スポットが公共施設11か所に設置されているが、2011年度より、その数は増えていない。ゼロカーボンの取り組みとしても拡大が急がれる。公民館などにも計画的に増やすこと。また、銀行や店舗など民間企業への参加協力を検討し、すすめること。
- 関西の夏のピーク電力消費は、市民や事業者において節電や省エネが定着したこともあり減少し、兵庫県内では赤穂発電所、高砂火力発電所の建て替え計画が「電力需要の低下」から中止になっている。このように、環境負荷が大きな石炭火力発電所の必要性や事業性は低下しているが、神戸製鋼所は石炭火力発電所、合計4基を稼働し、270万?という国内最大級の石炭火力の集積所となっている。二酸化炭素排出・大気汚染物質の増加など環境への影響が大きく、気候危機を加速させる石炭火力発電所の稼働は、神戸における影響だけでなく、地球温暖化対策へ逆行するものである。市はこうした状況から稼働反対の意見表明を行うこと。
- ゴミ問題について以下のことに取り組むこと。
(1)ゴミ収集の業者委託は、市内7割以上へと拡大してきた。災害時の対応や、民間への適切な指導上の必要があることからも、これ以上の民間委託は行わないこと。
(2)ごみ分別と減量を目的とした指定ゴミ袋制度は一定の効果があがっているが、ゴミ袋のイラストなどのない半透明袋の使用を認めてほしいとの意見がある。引き続き市民への啓発を強化し、より市民が協力しやすい方策を検討すること。
(3)ゴミを荒らすカラス対策については2020年度より折り畳み式ネットボックス等購
入費の一部補助制度が創設されたが、補助率を上げるなど、さらに実効性のある対策を実施すること。
(4)不燃ごみ粗大ごみ等の処理については、破砕選別施設の建て替えが進められており、2026年(R8)から変更される分別区分・収集形態について周知する機会を多数設けること。
- 快適な市民生活を確保するために、以下のことを実施すること。
(1)24時間営業の店舗や深夜営業のカラオケ店、また、焼肉等のにおいの強い飲食店など、騒音、臭気、光などの苦情が多い。「快適な市民生活の確保に関する条例」を実効ある内容に抜本的改正を行い、市民の要望にこたえられるようにすること。
(2)同条例において市内公共の場所における歩きたばこ(自転車運転中の喫煙を含む)を規制しているが、依然として歩きたばこは多い。喫煙マナー向上に向け、さらに啓発を進めること。
(3)県は「客引き行為等の防止に関する条例」を制定し、阪急北口北西地域・甲子園口南側地域が禁止区域とされた。客引き行為はアルバイトでも処罰の対象となることなど啓発を行い、市民や通行人が安心できるように取り組みを強化すること。
- 本市では、供給する水道水について、定期的にPFOS及びPFOAの濃度測定を行ってお り、測定結果については、厚生労働省が設定した暫定的な目標値においては「PFOSとPFOA の合算値で1リットルあたり50ナノグラム(50ng/L)」を下回っている。血中濃度と健康 被害との関係については、コレステロール値の上昇・発がん・免疫系との関連が報告さ れている。引き続き、PFOS及びPFOAの検査を行い、水道水だけでなく、地域の井戸水な どの安全性を確認すること。