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2025年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:土木局
2024年08月26日


  1. 県はいま、「武庫川水系河川整備計画」および「武庫川流域総合治水対策推進計画」ならびに「阪神西部(武庫川流域圏)地域総合治水推進計画」の三つの計画にもとづいて、総合的な治水対策をすすめている。そこでも指摘されているように、武庫川の想定氾濫区域内の人口や資産は、全国の国管理河川の上位クラスと肩を並べるほどに大きい。
    近年、豪雨災害が頻発するなかで、武庫川流域においてもその危険度が高まっている。西宮市としても、さらなる治水安全度の向上のため、国や県にたいし、河川整備事業の早期完了を要望するとともに、高まる危険に応じた対策を積極的に要望すること。
    (1)兵庫県は、「次期河川整備計画の策定において」「全ての治水対策を排除せず検討」するとして、武庫川ダム建設について排除していない。市は、熟慮を欠いた安易な必要論に流されることなく、きっぱりと反対すること。
    (2)武庫川水系河川整備計画に定められた河道整備等の事業を滞らせることなく早期に実施すること。
    (3)2023年5月8日、伊丹市荒牧地区で発生した天神川氾濫は、河川工事が原因で発災し、周辺地域住民に被害をもたらした。教訓をくみ取り、武庫川の河川工事でも万全を期すよう県に要求すること。

  2. 交通事故から市民の命を守るため、特に高齢者や障がい者、車いす、ベビーカーなど市民が安心して通行できるよう、歩道の新設や拡幅、歩道と車道の段差解消、傾斜の改良など、市内全域で改善をすすめること。特に以下の箇所については急ぎ改善すること。
    (1)国道43号線の夙川ランプ下の西側は、狭いトンネルを車両と人と自転車が交錯し、大変危険である。必要な安全対策を国とともに進めること。
    (2)樋之池町の市道1027線、通称ザビエル道路、今津西線の一部区間など、歩道や歩行帯が狭い道路では、車いすによる通行やベビーカーを押しての通行が大変危険で、困難である。バリアフリーと交通安全の観点から、無電柱化を検討するなど、抜本対策を施すこと。

  3. 国道43号線の歩道橋へのエレベーター設置要望については、西宮市による要望箇所が4か所選定され、国との協議が開始されたが、進展が見られない。地域住民が長期にわたって要望してきたことであり、再度、国への働きかけを行い、早期実現にむけて尽力すること。

  4. 自転車の運転や駐輪、歩行のマナー向上のため、以下のことに取り組むこと。
    (1)自転車の無謀な運転が多々見受けられる。自転車を運転する基本ルールである「自転車安全利用5則」を徹底し、自転車の安全マナーの向上に努めること。
    (2)自転車を運転しながら、歩きながらの、いわゆる「ながらスマホ」は、周囲への注意力が失われ、大変危険である。事故発生の要因となり、道路交通法にも違反する。「ながらスマホ」を根絶するための啓発を強化すること。
    (3)2024年4月から、放置自転車対策の見直しにより駐輪マナー指導員を減らし、その影響を1年間調査するとのことだ。駐輪マナー指導については、これからも強める必要があると思われる。効果のあるマナー指導を行うこと。
    (4)阪神西宮駅周辺など、駐輪する場所が足りない。状況を改善すること。

  5. 交差点などの安全対策について、信号機の設置や危険個所の交通規制を検討するなど、万全を期すこと。
    (1)今津西線の神戸女学院大学西門前三叉路交差点付近は、急坂で、自転車どうしの交通事故が起きやすい。事故が起こらないよう自転車の安全通行を促す対策を講ずること。
    (2)県道今津東線と市道西第329号線の交差点では重大事故が発生している。人命優先の立場から信号機を設置するなど、安全対策を急ぎ講じること。
    (3)JR甲子園口駅北側から県道西宮豊中線交差点までの道路は歩行者、車等交通量が多く危険である。安全確保のなんらかの対策を講じること。この道路の通行量を減らすために山手幹線と市道瓦76号線の交差点に信号機を設置することが有効と考えられる。近隣信号との距離が近いとの理由で設置の要求が退けられているが、市内には、距離の近い信号機設置が多数みられる。善処すること。
    (4)夙川オアシスロードと酒蔵通りの交差点は、夙川をはさんで東側には信号機が設置されているが、2019年4月には交差点北西側に香櫨園市民センターが新設されたことにより、以来、歩行者、自転車の通行量が増え、危険度を増している。川の西側にも信号機を設置すること。
    (5)国道2号線からJRまでの津門川左岸線は、全体が危険であるが、特にJRの高架下が危険である。至急、安全対策をとること。

  6. 視覚障がい者等の安全通行のために次のことに取り組むこと。
    (1)点字ブロック、誘導用線ブロック、エスコートゾーンなどの増設、また、視覚障がい者の歩行の妨げになるマナー上の障がい物撤去など、当事者の要望や指摘に適応した対策をしっかりとること。
    (2)視力障がい者の人からの音響式信号設置の要望については、山手幹線の神明西交差点(広川内科クリニック前)には設置された。しかし、西福河原線交差点にはまだ設置されていない。早く設置するよう、引き続き要望すること。また、すでにある音響式信号についても、音源の位置を低くするなど、近隣住宅への配慮をするよう県に求めること。
    (3)警察庁は、横断歩道の白線の間隔を、現在の2倍の90センチまで広げることを可能にする方針を決めたが、実施するにあたっては、視覚障がい者や視力の弱い人や地元住民の意見を聞くとしている。市としても、警視庁が示した方針を念頭に置き、当事者の意見が反映されるよう対応すること。

  7. 道路の横断歩道や区画線、進行方向別通行区分、道路標示など、白線表示が摩耗して見えなくなる状態があちこちに見受けられる。通報があれば、速やかに対応することを強く求めるとともに、県警の「情報提供メールBOX」、また、市のLINEアプリへの情報提供についての周知徹底を図ること。

  8. 深い側溝や水路などに転落防止柵の設置を行うことと併せ、既に設置されている柵については塗装のはがれなどの点検を行い、鉄部が傷む前に補修すること。また、水路や側溝の蓋掛けについても、積極的に対応すること。また市は、河川や水路の清掃業務について回数を減じるなど見直すとしているが、この方針は撤回すること。

  9. 街路樹の根が張り、アスファルトや土を持ち上げ、民家に被害を与えるなど事故が増えている。早急に調査、対策をとること。また、街路樹や雑草の繁茂は、車道の見通しを悪くし、信号を覆い隠すなど、事故の危険度を高める。早急に対処すること。

  10. アサヒビール跡地周辺での歩行者・自転車のJR横断道路整備については、名神高速道路沿い西側付近での横断が適当とのことで、概算事業費約40億円の大まかな内容も示されている。課題は多いが、アサヒビール跡地には民間老人施設や県市統合病院も建設されることから、早急に事業化すること。

  11. 阪急甲陽線の西宮六甲線踏切(県道大沢西宮線)と水道路踏切(満池谷墓園前)の安全対策については、具体化を急ぎ、早期に実施すること。

  12. 県道大沢西宮線、特に阪急甲陽線から銀水橋間の安全対策を早急に行うよう、引き 続き県に強く要望すること。

  13. 2021年8月より、御前浜橋(はね橋)の開閉回数が土日祝の各4回から実質1回となった。しかし、各日午前10時の開閉については、メンテナンスのためとはいえ、尼崎のはね橋が月1回の開閉実施としていることと比べて、あまりにも開閉回数が過剰であり、合理性に欠く。尼崎と同様に月1回程度とすること。

  14. 緑の確保、環境保全、市民の憩いの場、また緊急避難所として公園は重要な役割を果たしているが、市の公園施策は十分とは言えない。以下取り組むこと。
    (1)公園の少ないJR以北での公園整備をすすめること。市は、「西宮市みどりの基本計画」に生産緑地の活用を検討することを盛り込んだとするが、実績が見られない。公園を増やす計画を策定し、積極的に取り組むこと。
    (2)公園の清掃について市民参加をすすめることは当然であるが、各所で手入れが行き届いてない公園がある。必要な予算を確保し、剪定作業や排水口の清掃の回数を増やすなど、市の責任で公園の管理を改善すること。
    (3)公園のトイレについては、公園利用者だけでなく「公衆トイレ」としての役割をもっている。洋式化や身障者用トイレの整備などが進められているが、トイレが未整備の公園については早期に整備すること。また、清掃回数を増やすなど「きれいなトイレ」をめざすこと。なお市は今後、公園トイレの縮減を方針としているが、この方針は撤回すること。
    (4)公園の遊具については、障がいのある子も、ない子も一緒になって遊ぶことができる遊具の設置を積極的にすすめること。また、障がいの有無や国籍などに関わらず、あらゆる子どもが一緒に遊ぶことができ、集えるユニバーサルデザインの視点で整備した、いわゆる「インクルーシブ公園」を積極的に整備すること。
    (5)老朽化した遊具、健康器具については撤去するだけでなく更新すること。