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野口あけみの一般質問
2024年09月06日

公益通報制度について


 ただいまから、日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、野口あけみが一般質問を行います。傍聴にお越しの皆さん、インターネット中継をご覧の皆さん、お疲れ様です。ありがとうございます。

 現在、兵庫県政は斎藤元彦知事などをめぐる数々の疑惑で大混乱、大停滞しています。連日のように新聞テレビ等で報道されていますので経過などについては皆さんよくご存じかと思いますが、事の発端は今年3月12日、元西播磨県民局長が知事によるパワハラ、視察先からの贈答品受け取り、プロ野球阪神・オリックス優勝パレードをめぐる経費処理の不正など7項目にわたる疑惑を、一部県議や報道機関に匿名で告発したことです。
 現在、県議会が100条委員会を設置し調査中ですが、8月30日には知事本人が証人尋問を受けました。そこでもパワハラなどの実態が次々と明らかになってきているところですが、この疑惑をめぐっての県当局の一連の対応が「公益通報制度」の否定ではないかという点も、いまや重大な解明すべき問題となっています。昨日と本日の100条委員会のテーマの一つが、公益通報者保護であり、今日の午後3時からは知事が2回目の証言に立ちます。
 公益通報者保護法は報道機関も通報先とし、通報者の不利益な取り扱いや通報者探しを禁じ、保護を義務づけています。しかし、知事は3月20日に文書を知り、翌日には人事当局に告発者の特定を指示、25日には片山副知事が元局長を事情聴取し作成者だと特定。27日、知事は元局長の同月末定年退職を保留にし総務局付けに異動させ、会見で「嘘八百」と罵倒しました。元局長はその後、4月4日に県の公益通報担当部署に同じ内容を通報していますが、県当局は、内部での調査をすすめ5月7日に停職3か月の懲戒処分を行ったのです。
 処分を受けた元局長は、予定されていた100条委員会での証言を前に、遺族に「一死をもって抗議する」とのメッセージを残し、7月7日、自死しています。
 知事は県の対応、元県民局長の処分について繰り返し、「適切だった」と言明していますが、告発された張本人が、犯人探しをし、調査し、処分する、これらは明らかに公益通報者保護法に違反しているではありませんか。昨日の100条委員会では同制度に詳しい奥山俊宏上智大学教授が「違法」とはっきり指摘しました。多くの識者も同様の意見を表明しています。
 こうした事態を受けて、改めて本市の公益通報制度はちゃんと機能しているのだろうか、と問題意識を持たれた方も多いと思います。私もその一人です。思い起こし改めて議事録を読み直したところ、2021年(R3年)3月議会でたかのしん議員が隙のない大変素晴らしい一般質問をされ、現在その提案の多くが実を結んでいることがわかりました。提案実現についてはまだ議会全体への報告はなされていないとのことでしたので、たかの議員にもお断りをして、本日、私の方から質問させていただくこととしました。

 具体的な質問です。
  1. 県知事の疑惑にかかる県当局の一連の対応について、「公益通報制度」との関係でどこに問題があったと考えるか。教訓は何か。これは、もちろん一義的には県や県議会が検証すべき事案だとは考えますが、同じ制度を運用する市としても、考えなければならないことだと思います。これについては市長にお聞きします。端的にお答えください。
  2. 2021年、たかの議員はそのころ市政の大問題となっていた市職員の不祥事の頻発という事態の中、内部公益通報制度発足の2006年から2018年までの13年間、実績が全くなし、0件、2019年からも1件と、実績がないのは、制度が十分に機能していないのではないか、との問題意識から質問されています。
    他自治体の先進事例も引いて、内部公益通報の調査委員会は、市内部の者を構成員から外し、弁護士等の第三者のみにすべきではないかなど、同制度について5点をただしています。当時の答弁はおおむね今後検討していくというものでした。検討の結果、市は現在どのように改善し、同制度を運用しているか、ご答弁をお願いします。
  3. 県の事態も受けて、市が同制度において課題と考えていることはあるか。