野口あけみの一般質問/* --項目挿入-- */?>
2024年09月06日
「無縁遺骨」は人ごとではない ー 終活支援事業の実施をこの大項目については昨日山口議員から同趣旨で質問がありました。具体的質問の2項目目は重複しますが、重ねてお聞きしたいと思います。 私事ですが、昨年12月、暮れも押し迫ったある日、夜10時半過ぎに私宛に東京都のある区の警察署から電話がかかってきました。なかなか本題を切り出さず、気味の悪い電話だなと不審に思いかけたころ、「実はあなたのいとこのAさんが区内のアパートで孤独死しました。アパートの保証人があなたなので連絡しました。死亡日時の特定や死亡原因はこれからですが、ご遺骨を引き取ってもらえますか」ということでした。いとこは59歳、男性です。Aの母親が私の叔母にあたりますが、両親は早くに亡くなり、兄弟もおらず、私とももう20数年来音信不通でしたが、虫の知らせとでもいうのでしょうか、昨年のお正月に初めて年賀状をもらい、記載のあった携帯電話に連絡をし、話をしたところだったのです。 遺族(相続人)の範囲は配偶者、こども、親、兄弟の3親等となっており、いとこである私は遺族には当たらず、遺体の引き取りや葬祭の義務はないようです。ただ、死亡届を出せるのは、親族、同居人、居住不動産の家主などとなっており、私が死亡届出人となりました。いとこは体調を崩して生活保護を利用していたため、火葬や住居の処分などは区役所が行ってくれました。その年の初めに何十年かぶりに声を聞いた縁もあり、遺骨は引き取ることとし、ゆうパックで届けられた遺骨をしばらく自宅で保管、今年4月に開設された市の合葬式墓地に応募当選して、この5月、無事納めることができました。 孤独死をしたご遺骨は、私のように引き取り手がある場合もあるでしょうが、引き取り手のない「無縁遺骨」は2021年10月時点で少なくとも6万柱が全国の市区町村で管理・保管されているということでした。 さて本題です。核家族化と高齢化の進行で、自宅での孤独死ならずとも、病院や施設で死亡し、死亡時に引き取り手がない死亡人=ご遺体や無縁遺骨が今後増え続けることは間違いないと思われます。それらの現状については総務省がようやく、「遺留金等に関する実態調査」を1741市区町村、47都道府県を対象に実施し、2023年3月末、結果が発表されています。 報告書によると、死亡時に引き取り手がなかった死者の数は、2018年4月から21年10月までの3年半の間で、約10万5千人にも上っています。引き取り手がないというと、身元不明者を想像しますが、実は10万5千人のうちの10万3千人、98%は身元が分かっていながら引き取り手がなかった人なのです。 死者の尊厳を保つために市区町村が生活保護法や墓地埋葬法を適用し、火葬代などの葬祭費を立て替えてご遺体をだびに付し、ご遺骨にし、本人の遺留金を充てたり、相続人を探して支払いを求めたりしています。市区町村は、ご遺族探しや連絡、火葬の手配などなどの多くの事務を担っています。 そして、ご遺骨についても行政は遺族や親族を探し、引き取りを依頼することになりますが、現状、無縁遺骨=引き取り手のなかった遺骨の保管場所は、市区町村営の墓地、納骨堂、斎場や執務室内のキャビネットや倉庫、仏教寺院などの宗教施設に保管を依頼、遺品整理業者の倉庫や老人ホームの無縁墓などの事例がみられるとのことです。 法令上、引き取り手のない遺骨の保管に関する規定はなく、行政は、「親族への遺骨引き取りの意思確認の統一基準が決まっていないため、判断に困る」「無縁遺骨はどの程度の期間保管しておくべきか」など、暗中模索で対応しています。なかには保管から一定期間が経過したり、保管場所が満杯になった場合、骨壺から遺骨を取り出して、海洋散骨するという市区町村もあったようです。 そうした中で身寄りのない人が生前に死後のことを託せる終活支援事業が、全国の自治体で多様に先進的に行われています。 山口議員から昨日、横須賀市や、高砂市、千葉市などの紹介がありました。また、2013年12月議会では宮本議員が、おひとりさま支援条例を制定して終活支援を行っている神奈川県大和市の例を紹介、それぞれ本市での終活支援の実施を要望されておられます。 市民が緊急連絡先、かかりつけ医師、遺言書の保管場所やお墓の所在地など、終活関連情報を無料で登録することができ、万が一本人が倒れたり、亡くなったりした場合に警察、病院、消防、福祉事務所など関係機関や、本人が指定した人に登録情報を開示する制度は、終活登録制度と呼ばれています。 各地に広がり、東京都大田区、豊島区、練馬区などでも実施または検討中です。社会福祉協議会もこのような終活支援サービスを展開しているとのことです。 これらの事業は、おひとり暮らしで、万が一の時の葬儀や納骨などをご心配なされている方の大きな手助け、大きな安心になるでしょう。同時に、これらの事業が展開されることになれば、行政にとっても先ほど申しあげた引き取り手のないご遺体やご遺骨をめぐる一連の、骨の折れる業務が少しでも減ることになります。これは、職員にとっては、大切ではあるけれど日の当たらない裏方の仕事から、相談者、市民から大いに感謝される仕事となります。 質問
以上、壇上からの質問とし、ご答弁を受けたのち対面式質問席にて、再質問・意見要望を申し上げます。ご清聴ありがとうございました。 |