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三好さつきの反対討論
2024年09月17日

議案205号 令和6年度西宮市一般会計補正予算(第5号)、議案206号 令和6年度西宮市介護保険特別会計補正予算(第2号)について


 議案第205号 令和6年度西宮市一般会計補正予算(第5号)のうち、歳出では、こども支援局家庭児童相談システム改修委託料、歳入ではデジタル基盤改革支援補助金、議案第206号西宮市介護保険特別会計補正予算(第2号)介護保険事務処理システム改修委託料について、日本共産党西宮市会議員団は反対いたします。以下、理由を述べます。

 2021年5月、デジタル改革関連法のひとつとして、「地方公共団体情報システム標準化法」が成立。これは、これまで自治体が、独自のシステムとサーバーで自主・自立的に管理していた20の行政事務を、国の定めるシステムへ2025年までに移行することが義務付けされたものです。
 本市では、すでに、20の業務において市の現行システムとの差異を探る作業を終え、随時システム改修がすすめられています。今回の介護保険を含む10の業務が目標時期には標準システムへ移行するとのこと。しかし、莫大な量の作業を伴うこと等から、残りの10業務については、完了時期は未定のようです。
 今回のこども支援局の家庭児童相談システム改修については、20の業務には含まれないとのことですが、住民基本台帳の基本システムの変更によりその対応が必要とのことでした。

 そもそも、日本共産党市会議員団は「地方公共団体情報システム標準化法」に反対しています。
 国へのシステム移行によって、待ち時間が短縮するなど住民の利便性が向上したり、行政運営の効率化がはかられるとしていますが、自治体独自のサービスが抑制、後退させられることになりかねません。情報システムの共同化、集約の推進によって、自治体は国がつくる鋳型に収まる範囲の施策しか行えないことになり、地方自治を侵害しかねません。このことは、地方自治の多様性をなくし、自治体の自立性を失わせる恐れがあり、「住民の福祉の増進を図ることを基本」とした住民自治・団体自治を侵害するものです。また、個人情報保護、情報漏洩のリスクも考慮すると、課題は山積しています。
 よって、反対です。

 あわせて、問題を指摘しておきます。
 介護保険事務処理システム改修委託料9238万円ですが、国からの補助金は6583万円で残りの2654万円は一般財源からの拠出となっています。なぜ、全額ではないのか、確認したところ、2654万円はソフトウエアにかかる費用であり、国が示す「デジタル基盤改革支援基金」の補助対象経費から外れるとのことでした。付随する業務であるにも関わらず、補助対象から外すことには納得がいきません。国はシステム移行にかかる費用として、補助額を10分の10と定めています。今後も今回の介護保険システム改修のように請求内容によって補助対象経費から外れることのないように国に求めるべきです。
 また、自治体の規模に応じて補助額の上限が設定され、本市の上限額は当初4億2680万円と設定されていました。その後、上限の変更があり、約38億円と示されたとのことです。今回の国へのシステム移行は現行の自治体システムを投げ捨て、国指定のシステムに移行しなければならないこと自体、自治体に相当の負担が生じています。補助金の上限を設けず、必要な経費は国が負担することが必要です。

 以上、反対討論とします。