野口あけみの一般質問/* --項目挿入-- */?>
2025年03月04日
公民館および図書館の指定管理者制度導入についてただいまより日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、野口あけみが一般質問を行います。傍聴にお越しの皆さん、ありがとうございます。また、インターネット中継やさくらFMをご視聴の皆様にも感謝申し上げます。 今議会に、一部公民館、図書館等への指定管理者制度(以下、同制度)を導入する議案が提出されています。 公民館については全市24館のうち、中央公民館、塩瀬公民館、山口公民館の3館に同制度を導入。また、越木岩公民館については、公民館条例から除外し、図書館越木岩分室も含めて(仮称)越木岩センターとして整備、新たな根拠条例を制定し、センターの運営も同制度によるとしています。 現在、中央公民館以外の地区公民館の窓口業務・貸館業務は会計年度任用職員Aの2名配置で行っているとのこと。人手不足と職員の高齢化により管理運営方法の見直しが急務として、安定的な運用を図るため、窓口業務・貸館業務や施設・設備の維持管理に関して、先にあげた3館に同制度を導入しようとするもので、今後も順次導入拡大を検討する、としています。なお、公民館運営協議会や講座を主催するなどの地域学習推進委員会の活動、定期使用グループの活動支援などの根幹の公民館事業はこれまで通り直営を継続します。 一方、図書館については施設・設備の維持管理と、現在市長が行っている入館の制限に関する業務のみならず、図書館資料の収集を除く図書館運営業務をも指定管理者に担わせるとしています。すなわち、改正条例案第4条の@図書館資料(図書館法第3条1号に規定する図書館資料を言う)を収集し(この収集は管理指定業務から除きます)、整理し、および保存して、一般の利用に供すること、A利用者の調査研究及び読書相談に対し、助言、支援並びに情報及び参考資料の紹介及び提供を行うこと、B資料展示会、講演会、鑑賞会等を開催すること、C学校その他の教育機関及び関係行政機関並びに各種団体との連絡および協力を行うこと、以上4点の図書館の根幹運営業務を行わせます。つまり、公民館への同制度導入に関しては、根幹業務は直営を継続するのに対し、図書館への同制度導入は明らかに違う意味合いを持っています。 そこで、私の質問テーマは関連があるため「公民館および図書館の指定管理者制度導入について」としていますが、図書館への同制度導入について質問します。 そもそも図書館は、教育基本法では社会教育施設、社会教育法では社会教育のための機関、図書館法では、「国民の教育と文化の発展に寄与する」ものと規定されています。さらに地方自治法では「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供する施設」としての「公の施設」、地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、学校などと同様の教育機関であるとされています。公立図書館の基本的性格は教育機関です。 ユネスコは公共図書館宣言において次のように述べています。「社会と個人の自由、繁栄および発展は人間にとっての基本的価値である。このことは、十分に情報を得ている市民が、その民主的権利を行使し、社会において積極的な役割を果たす能力によって、初めて達成される。建設的に参加して民主主義を発展させることは、十分な教育が受けられ、知識、思想、文化および情報に自由かつ無制限に接し得ることにかかっている。地域において知識を得る窓口である公共図書館は、個人及び社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提供する」、以上です。 昨今のSNS上のデマ情報や誹謗中傷の横行を見るにつけ、このユネスコの宣言は大事だと思います。民主主義の発展のためには、十分な教育や、知識、思想、文化および情報に自由かつ無制限に接っする機会が不可欠、その地域においての窓口が公共図書館だ。公共図書館の果たす役割は現代のように様々な情報があふれかえる中でますます重要だと考えます。 さて、教育機関としての図書館に必要な要素は、次の3つと言われています。@政治的な価値判断に左右されることがない「政治的中立性」、A教育を担うものとしての「専門性」、B安定的で長期的な運営方針による「安定性・継続性」の確保です。本来的には市長部局から独立した教育委員会が所管することがふさわしいと考えますが、本市では2021年4月に社会教育に関する部門が丸ごと市長部局に移管してしまいました。今回の図書館への同制度導入で、この要素がどうなるか、十分な検討が必要です。 同制度導入の対象は先に述べた公民館と併設する図書館3館で、塩瀬公民館と合わせて、北部図書館、山口公民館と合わせて図書館山口分室、越木岩センターと合わせて図書館越木岩分室です。 日本の図書館を代表する総合的な全国組織として図書館の成長・発展に寄与する活動を展開している、公益法人 日本図書館協会は、昨今、全国の少なくない図書館に指定管理者制度が導入されている事態に際して、「指定管理者制度を検討する視点―より良い図書館経営のために」を公表。導入するかどうかの検討にあたってのチェック項目を多岐にわたってあげておられます。時間の制限もありますので、その視点から課題、問題点として以下5点、質問します。 @議会に対する報告は、昨年、2024年12月12日の「公民館の運用改善の取り組み等について」と題する多岐にわたる所管事務報告のうち、わずか3行の記述で報告がなされています。 指定管理者制度の図書館への導入は、いつから、だれが、どれぐらいの期間をかけて検討したのでしょうか。 A同じ所管事務報告では、公民館への同制度導入の目的は、「公民館の安定的な運用を図るため、必要」と説明され、併設図書館への同制度導入については「スケールメリットを生かすため」と説明しています。 一般的に同制度導入は、経費の削減、運営の効率化が目的とされていますが、図書館法において「公立図書館は、入館料その他図書資料の利用に対するいかなる対価も徴収してはならない」と規定されています。よって、指定管理者は利益を上げようとすれば人件費を抑えざるを得ません。またすでに同制度導入済みの自治体の多くで、コスト削減にはならず、その経費、指定管理料は年々増加しています。この状況も含めて、図書館への同制度導入の目的、趣旨についてあらためてお聞きします。導入した場合、図書館設置の目的を効果的に発揮できるとお考えでしょうか。 B指定期間については、地方自治法で期間を定めて行うものとされており、おおむね3年から5年です。次回も引き続き指定されるとは限りません。安定性や継続性はどうでしょうか。また、指定管理者の雇用する職員の雇用期間も有期雇用が多いことが十分想定され、経費節減も厳しく求められることから、優れた人材の確保や専門性の向上にも疑念を持っています。専門性、安定性、継続性は何によって担保されるのでしょうか。お答えください。 C同制度が導入されれば、市直営図書館と混在することになります。現在、本市では、西宮市立図書館基本的運営方針を2015年4月に策定し、西宮市立図書館事業計画や西宮市子供読書活動推進計画をもって図書館運営にあたっています。今後、この体系は見直されるようにも聞いていますが、いずれにしても、図書館の設置者はあくまでも市です。市の図書館運営方針や計画のもとに、どの図書館でも特色はありつつも、等質のサービスが提供されなければなりません。 同制度が導入された場合、その図書館にこうした方針等の趣旨が十分に伝わるでしょうか。また、長年にわたってこれまで培ってきたノウハウは指定管理者にどう伝えていけるのでしょうか、あるいは伝えるつもりはあるのでしょうか。あわせて、同制度導入図書館との間で、また各地域の学校や市役所各部局などとの連携はとれるのでしょうか。お答えください。 D公民館では順次同制度の導入拡大を検討するとしています。図書館はどういう方針ですか。 |