三好さつきの反対討論/* --項目挿入-- */?>
2025年07月07日
鳴尾浜臨海公園南地区再整備事業について同地区の中心施設であったリゾ鳴尾浜が令和2年11月末に営業を終了、その後市当局は、同地区全体の今後のあり方検討を進め、昨年度までにサウンディング型市場調査や現地見学会などを実施、そして再整備に取り組むこととし、この度の補正予算案の提案です。 既存施設である芝生広場や海づり広場、フラワーガーデンのポテンシャルを活かしつつ、新たな賑わいと交流人口が生まれる総合公園を目指し、臨海部の体験レジャー・健康増進の拠点として活用することを公園再整備の目的とし、手法として、民間事業者のアイデア、ノウハウ、資金を活かした効率的かつ一体的な管理運営を実施するため、Park-PFI 制度と指定管理者制度を導入するとしています。 Park-PFI 制度とは、都市公園法に基づく「公募設置管理制度」のことを指します。自治体が公募で選んだ事業者に公園の土地を有償で貸し出して、公園利用者の利便向上を狙いとした飲食店、売店等の収益施設を出店してもらい、これを公募対象公園施設といいますが、公募対象公園施設から得られる収益の一部を活用してその周辺の園路、広場等の特定公園施設の整備にあてる仕組みです。 特定公園施設の整備を一体的に行うことを条件に事業者は、公募対象公園施設(売店など)の設置管理許可を、20年を上限として受けられ、建ぺい率についても公園敷地の2%から12%への優遇、駐輪場や看板を占有物件として設置可能になるなど優遇されます。 鳴尾浜臨海公園南地区においては、事前のサウンディング型市場調査や現地見学会の結果、原則旧リゾ鳴尾浜エリアでPark-PFI 制度を活用することとしています。公募による認定事業者が売店などの公募対象公園施設を同エリアに同事業者の費用によって設置、同エリアにおいての園路広場などは事業者が整備し、その費用の一部を負担、残りは市が買い取る形で負担します。ただし、応募者の提案に応じて、旧リゾ鳴尾浜以外のエリアでの売店など公募対象公園施設設置も可能としています。そして、特定公園施設と合わせて芝生広場やフラワーガーデン、海釣り公園、駐車場などは指定管理者に管理させます。 なかなか理解しがたいPark-PFI 制度ですが、全国的に2024年度末で182か所で活用され、兵庫県では神戸市の東遊園地やスマスイの海浜公園など3か所で導入されているとのこと。 国の主導によって、長年にわたり自治体の財政負担を減らしながら民間活力による公共施設を整備する手法が様々に強力にすすめられていますが、公園についても民活が推進されています。その手法の一つが、Park-PFI 制度です。 都市で生活をする住民にとって心身の健康維持に空地や緑地、公園の存在は不可欠です。都市計画運用指針では、公園、緑地、広場を休息、鑑賞、散歩、運動等のレクレーション及び災害時の避難場所としても使用する公共空地と定義しています。遠州ひろみ元大阪経済大学教授は、つぎのように述べています。「自然資源は有限なので、公園などの空間は地域社会全体として形成・維持し、貧富の別なくすべての人々のアクセスを保証することが不可欠です。言い換えると、いったん形成実現された公園地は、その役割を発揮するために必要不可欠な場合でなければ、その一部であっても特定の個人や法人が占有して人々のアクセスを制限し、自己目的のために使用し収益し処分することがあってはならない。公園がコモン(公共)といわれるゆえんです」 自治体の財政負担が減るなどのメリットとの引き換えに、公共性が低下しかねないPark-PFI 制度導入にはもっと慎重であるべきです。 本補正予算案では、3つの債務負担行為が提案されています。旧リゾ鳴尾浜を2026年度、27年度に解体工事で、限度額8億9675万円の債務負担。売店など事業者が活用する公募対象公園施設を除く特定公園施設を事業者に整備させ、2027年度にそれを市が買い取る特定公園財産購入費として、限度額2億7300万円の債務負担、さらに、これらが完了した暁に2028年度から56年度まで19年間の公園管理の指定管理料、限度額10億3061万7千円です。 当局の所管事務報告によると、今年度の事業者選定支援業務や旧リゾ鳴尾浜解体設計で1.2億円、2026年度は解体工事で7.5億円、27年度、解体工事、特定公園施設建設・譲渡で6.2億円。ここまでで総額14.9億円の全体事業費が見込まれています。 この3年間はまさに財政構造改善基本計画実施の期間です。この期間、投資的事業は厳選して実施するとして、阪神西宮駅北地区公民連携事業など5つを主な事業として同計画に記述していますが、例えば、はり・きゅう・マッサージ施術補助の見直しで、400万円の経費削減の一方で、これら以外にも本事業、14.9億円という多額の投資事業が取り組まれるのです。 とても納得できるものではありません。以上の理由から反対です。 |