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庄本けんじの反対討論
2026年03月18日

2026年度予算にたいする反対討論


 日本共産党の庄本けんじです。日本共産党西宮市会議員団は、議案第493号「令和8年度西宮市一般会計予算」、議案第494号「令和8年度西宮市国民健康保険特別会計予算」、議案第498号「令和8年度西宮市後期高齢者医療事業特別会計予算」の三つの議案に反対します。以下、その理由を述べます。

 まず、本議会開催中の2月28日、アメリカとイスラエルがイランにたいして大規模な軍事攻撃を開始しました。戦争は今も続き、ホルムズ海峡は事実上の封鎖となり、世界と日本の経済や暮らしにも多大な影響を及ぼしはじめています。日本共産党は、アメリカとイスラエルによって開始された戦争にたいして、満身の力を込めて抗議するとともに、戦争継続を断念し、即刻中止することを強く求めるものです。
 この戦争は、核開発問題をめぐる交渉が続けられていたそのさなかに、突然、先制攻撃をこない、「斬首作戦」と称して主権国家の最高指導者を殺害し、体制転覆を公然とよびかけるなど、いくつもの国際法を無視した乱暴極まりない暴挙です。
 トランプ大統領は、「国際秩序を守れ」との批判にたいして、「私には国際法を必要としない」などと言い募り、戦争を継続、拡大し、多くの子どもと何の罪もない民間人の尊い命を奪い、危険にさらし続けています。さらに、14日、Xへの投稿で、日本を含むいくつかの国を名指しして、それらの国にたいして、ホルムズ海峡に軍艦を派遣することを望むと表明しました。
 重大な状況を迎えています。いま、必要なことは、この戦争をはじめたアメリカとイスラエルにイラン攻撃を即刻中止させることです。それができるのは、国際世論と外交の力です。いまこそ、世論の力を大きく広げるときです。日本政府が率先して声を上げるべきです。あわせて、西宮市も、平和非核都市宣言を掲げたそのときの初心と原点に立って、対イラン戦争中止の声をあげるよう、強く要請するものです。

 次に、来年度の一般会計予算について、いくつか、問題点を指摘いたします。
 まず、市政のあり方にかかわる問題です。西宮市は、来年度予算においても、「財政構造改善」の取り組みを、市政の最優先課題と位置づけ、推進するとしています。この取り組みの特徴は、数々の市民サービスを削減しながら、一方で、不要不急の開発事業には多額の費用をつぎ込む、というものです。
 たとえば、市民の負担増と市民サービスの切り捨てでは、歳入増の取り組みとして「施設使用料等受益者負担の適正化」によって市民の負担を総額3億2900万円増額するとしています。また、施設の再編による経費の削減では、公立の幼稚園と保育園を統合再編することによって3億3400万円の経費削減を見込み、事務事業の見直しでは、スポーツ奨励事業の見直し、米寿のお祝い事業の廃止、高齢者交通安全杖支給事業の廃止、青葉園・いずみ園に通所する障がい者の一泊旅行代相当額を削減する、などなど、56項目にも及ぶ事務事業の見直しをおこない総額2億4800万円もの市民サービスの削減を見込んでいます。
 一方で、阪神西宮駅北地区公民連携事業の区画整理事業では、来年度の予算だけでも1億5254万円つぎ込み、本庁舎周辺ウォーカブル推進事業では3400万円、阪急武庫川新駅設置事業には約2億円、鳴尾浜臨海公園南地区再整備事業に約7億4400万円などの予算が組まれています。
 「財政構造改善」の取り組みだと大宣伝をしながら、多くの市民サービスを削ってまで、いま手を付けなければならない事業なのか、と疑問を挟まざるを得ない投資事業に多額の税金をつぎ込む。このような西宮市政こそ、根本から改めなければなりません。
 「財政構造改善」の取り組みは、市民のための真の財政構造改善とは言えません。「財政構造改善実施計画」の抜本的な見直しを強く求めるものです。

 なかでも、とくに、開発事業で指摘したいことは、阪神西宮駅北地区公民連携事業において、高さ40階にも及ぶタワーマンションを建設しようとしている問題です。
 タワーマンション型の開発は、すでに破綻し始めているといわれています。タワーマンションには、「高層ゆえの災害リスク、巨額の修繕費用、コミュニティの脆弱性、投機マネーによる歪み」など、解決不能な問題を抱えており、すでに社会問題化している開発手法です。不動産業界や大手ゼネコン業界のあいだでは、「タワマン神話」の崩壊が始まった、との指摘が広がり、現に、あちこちの開発が一時中断、完成時期が白紙になるなど、おいこまれた状況にあります。
 このようなタワーマンションの建設に西宮市が関与し、促進するようなことは許されるものではありません。撤回を強く求めます。

 次に、名神湾岸連絡線の事業について、党議員団の見解を述べておきます。この事業は、国と県が進めている事業です。事業総額1050億円、工期8年とされています。西宮市は、この事業について「遅れることなく整備されるよう取り組んでまいります」と表明し、後押しをしています。
 周辺住民は、湾岸連絡線が建設されない現状でも、国道43号線、阪神高速、名神インターの大気汚染や騒音、振動に悩まされており、健康被害もでています。周辺住民にとっては、全く不要で迷惑な道路です。しかも、全国的には、今後、自動車の保有台数が減少する傾向にあり、事業の必要性が失われています。
 日本共産党は、住民が強く反対し、不要な道路建設をすすめることに反対です。西宮市は、住民の声を正面から受け止めて、この事業に反対すべきです。

 次に、今後の西宮市政に関して、意見、要望を申し上げます。
 まず、保育所の待機児童問題です。
 西宮市の保育所待機児童数は、2023年4月56人、2024年4月121人、昨年の2025年4月は76人でした。市の責任が問われ続けています。なのに、一向に解決できないでいます。保育所の待機児童問題は、家計に直結する重大問題です。また、仮に仕事を休むことができて、職場復帰が可能だったとしても、キャリアに影響する、人生にとっても重い問題です。即刻、解決することを強く求めます。

 次に、学校給食の無償化についてです。
 代表質問でも申し上げましたように、学校給食費の無償化を求める国民の声は、政治を大きく動かしました。無償化には至らなかったものの、4月から小学校の給食費の保護者負担が大幅に軽減されることになりました。しかし、中学校の給食は、従来通りの負担です。ただ、来年度においては、国の物価高騰対策の交付金を西宮市が活用することにより、保護者負担は半分となります。
 何度も強調しますが、学校給食は、無償であるべきです。学習指導要領でも、学校給食は教育の一環であると位置づけ、文科省が発行する「食に関する指導の手引き」でも「給食は生きた教材」としています。なによりも、憲法26条において、「義務教育は、これを無償とする」と明記していることに鑑みれば、やはり、学校給食は、小学校も中学校も無償にすべきです。

 次に、高齢者補聴器購入への助成制度の創設についてです。
 難聴を放置すると認知症リスクが最大約5倍に上昇するとの指摘があります。聴力の低下は、コミュニケーションの低下などにより、脳への刺激が減るためです。適切な補聴器の使用は、認知症発症リスクの軽減に有効であるとのエビデンスもあります。
 西宮市は、来年度から「認知症無償診断」を実施することとしています。それは、2024年1月に施行された認知症基本法をふまえた新たな施策であり、認知症の早期発見・早期対応を推進し、必要に応じて医療・介護などの支援に繋ぐ体制を構築するものとされています。大変重要な観点です。
 認知症対策としても、高齢者の補聴器購入への助成制度の創設は、たいへん大きな意義を持つと考えます。
 高齢者補聴器購入への助成制度は、全国の自治体で、また、兵庫県下の自治体でも広がりはじめています。西宮でも実施しようとすれば、対象者は約600人、一人当たりの助成を2万円と設定した場合、その費用は、およそ1200万円です。認知症発症リスクの軽減に有効とされている補聴器購入への助成制度を、ぜひとも西宮でも実現されるよう要望します。

 最後に、議案第494号「令和8年度西宮市国民健康保険特別会計予算」、ならびに、議案第498号「令和8年度西宮市後期高齢者医療事業特別会計予算」についてです。
 国民健康保険特別会計予算案については、わが党議員団の三好さつき議員が、さきほど、議案第514号「西宮市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定の件」にたいして反対討論をおこなっており、同じ理由により反対するものです。
 後期高齢者医療制度は、診療報酬と保険料率が二年ごとに見直されることになっています。今回の改定によって、2026年、2027年度は、平均保険料額が現行の9万5873円から9万9609円に引き上げられます。負担が3736円増えることになります。また、賦課限度額が5万円引き上げられ、85万円になります。
 くわえて、次年度からは、子ども・子育て支援金が、被用者保険や国民健康保険などの公的医療保険と同様に、後期高齢者医療保険にも上乗せされ、徴収されることになります。その額は、平均2278円の上乗せです。子ども・子育て支援金は、二年ごとではなく、毎年見直されることになっています。そのたびに負担が増える可能性があります。
 このたびの後期高齢者医療の改定によるものだけでも、負担が増えます。くわえて、子ども・子育て支援金が上乗せされることによる負担増が新たに加わります。これまでの医療保険の部分の繰り返しの負担増にくわえ、新制度による負担増を後期高齢者にも押し付ける、このようなことやり方を是とするわけにはいきません。この議案にも反対します。

 以上で日本共産党西宮市会議員団の反対討論といたします。