1.牛肉偽装問題と保健所の検査体制について
去る、1月23日西宮冷蔵会社社長が保管している牛肉の実態を告発したことから発覚した雪印食品の牛肉偽装事件は、狂牛病(BSE)対策の買い取り制度を悪用した補助金搾取と、その上、国産牛肉から豚肉まで産地を偽装していたことも判明しました。
今回の補助金搾取事件と牛肉偽装事件はとどまることなく不正行為を働いていた事業者等が次々明らかになっており、国民の信用を一気に喪失してしまうという大事件となっています。利益を得るためには犯罪行為にも走るという、一部悪質な企業の体質が事実をもって明らかになりました。
大企業のこのような背信行為は絶対に許されません。
国民の厳しい批判の前に雪印食品は、去る2月22日経営再建を断念し、この4月末を目途に会社を解散することを決めました。経団連会長の今井氏は記者会見で「普通の企業では考えられない詐欺行為で税金をかすめとろうとした。お客の信頼を欠いた企業が成り立たなくなるのは当然だ。」と痛烈に批判し、企業解散は当然との態度をしめしています。しかしながら牛肉偽装事件とは何ら関係のない何の罪もない、会社のために家族のためにと必死で働いてきた、約2000人の労働者が解雇され職を失うことになるのです。雪印食品はまさに二重三重の過ちを犯したといわざるをえません。
今回の質問はこの雪印の企業としての道義的崩壊、いわゆるモラルハザードの問題と同時に、西宮保健所が1月23日、この問題発覚後行政としてどのような対応をしてきたのかということをただしていきたいと思います。
市当局は1月24日以降、正副議長と各会派幹事長等にこの問題の報告をしています。その報告内容は1月23日県保健所が発表した紙一枚だけで「県保健所の依頼に基づいて立ち入り調査を行った」とし「この問題の管轄は県保健所で、市保健所は県に協力、お手伝いをしている。」という態度をとっていました。しかし、実際には食品衛生法の規定にもとづくと、所在する保健所管内の企業に対する立ち入り調査はその保健所以外はできないことになっています。つまり西宮冷蔵は西宮保健所管内にあり、立ち入り調査は西宮保健所しかできない、ということになります。また、保健所の任務の1つには「中味と表示に間違いはないのか」を特定することにあり、今回の事件でいえば西宮冷蔵に保管している雪印の牛肉の中味と包装ラベルの確認、特定をすることが必要で、西宮保健所は自主的に責任をもってこの任務にあたる、というのが筋であります。その後我が党議員団の指摘を受けて当局は若干態度を改善したものの、この基本的な姿勢が不十分だったため、あとあといくつかの問題が生じているのです。
質問します。
- まず市長におたずねします。今回のような企業の不正、モラル低下についてどのような見解をおもちですか。
- 今回の西宮冷蔵の立ち入り調査と発表の経緯について、保健所としてこれをどのように受け止め、何が教訓だと思うのか。
- 兵庫県は1月23日、西宮保健所の調査に基づき、西宮冷蔵に保管している雪印食品の牛肉在庫のうち、708ケース、13.8トンに虚偽の表示があったと発表しました。ところが、西宮保健所は議会の報告の中で「1月23日の立ち入り調査は雪印の全体の在庫数だけの確認で、708ケース、13.8トンの虚偽表示の確認はできていない」としています。県の発表と食い違いがあるのはなぜですか。
- 西宮冷蔵の雪印食品の在庫総数は、1万2909ケース、153.2トンとしています。虚偽表示の708ケース、13.8トン以外の製品について保健所はその点検をしているのか、ケースの中味は輸入肉か国産肉か、表示ラベルはどんなものだったのか、など確認はしているのか、お答えください。
- 保健所は去る2月15日より、市内の食肉処理業、食肉卸売販売業、店頭売り食肉販売業等147施設を対象に「食肉の表示に関わる緊急監視をしています。これまでの実施状況、とくに違反等の指導、処分があればそれらも含めて明らかにしてください。
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