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定例議会
2002年3月定例議会 みゆき顕子議員の一般質問
1.牛肉偽装問題と保健所の検査体制について
2.学校給食検討委員会の提言について
3.学童保育について
4.男女共同参画センター「ウエーブ」について

1.牛肉偽装問題と保健所の検査体制について

 去る、1月23日西宮冷蔵会社社長が保管している牛肉の実態を告発したことから発覚した雪印食品の牛肉偽装事件は、狂牛病(BSE)対策の買い取り制度を悪用した補助金搾取と、その上、国産牛肉から豚肉まで産地を偽装していたことも判明しました。  
 今回の補助金搾取事件と牛肉偽装事件はとどまることなく不正行為を働いていた事業者等が次々明らかになっており、国民の信用を一気に喪失してしまうという大事件となっています。利益を得るためには犯罪行為にも走るという、一部悪質な企業の体質が事実をもって明らかになりました。    
 大企業のこのような背信行為は絶対に許されません。
国民の厳しい批判の前に雪印食品は、去る2月22日経営再建を断念し、この4月末を目途に会社を解散することを決めました。経団連会長の今井氏は記者会見で「普通の企業では考えられない詐欺行為で税金をかすめとろうとした。お客の信頼を欠いた企業が成り立たなくなるのは当然だ。」と痛烈に批判し、企業解散は当然との態度をしめしています。しかしながら牛肉偽装事件とは何ら関係のない何の罪もない、会社のために家族のためにと必死で働いてきた、約2000人の労働者が解雇され職を失うことになるのです。雪印食品はまさに二重三重の過ちを犯したといわざるをえません。
 今回の質問はこの雪印の企業としての道義的崩壊、いわゆるモラルハザードの問題と同時に、西宮保健所が1月23日、この問題発覚後行政としてどのような対応をしてきたのかということをただしていきたいと思います。
 市当局は1月24日以降、正副議長と各会派幹事長等にこの問題の報告をしています。その報告内容は1月23日県保健所が発表した紙一枚だけで「県保健所の依頼に基づいて立ち入り調査を行った」とし「この問題の管轄は県保健所で、市保健所は県に協力、お手伝いをしている。」という態度をとっていました。しかし、実際には食品衛生法の規定にもとづくと、所在する保健所管内の企業に対する立ち入り調査はその保健所以外はできないことになっています。つまり西宮冷蔵は西宮保健所管内にあり、立ち入り調査は西宮保健所しかできない、ということになります。また、保健所の任務の1つには「中味と表示に間違いはないのか」を特定することにあり、今回の事件でいえば西宮冷蔵に保管している雪印の牛肉の中味と包装ラベルの確認、特定をすることが必要で、西宮保健所は自主的に責任をもってこの任務にあたる、というのが筋であります。その後我が党議員団の指摘を受けて当局は若干態度を改善したものの、この基本的な姿勢が不十分だったため、あとあといくつかの問題が生じているのです。

質問します。

  1. まず市長におたずねします。今回のような企業の不正、モラル低下についてどのような見解をおもちですか。
  2. 今回の西宮冷蔵の立ち入り調査と発表の経緯について、保健所としてこれをどのように受け止め、何が教訓だと思うのか。
  3. 兵庫県は1月23日、西宮保健所の調査に基づき、西宮冷蔵に保管している雪印食品の牛肉在庫のうち、708ケース、13.8トンに虚偽の表示があったと発表しました。ところが、西宮保健所は議会の報告の中で「1月23日の立ち入り調査は雪印の全体の在庫数だけの確認で、708ケース、13.8トンの虚偽表示の確認はできていない」としています。県の発表と食い違いがあるのはなぜですか。
  4. 西宮冷蔵の雪印食品の在庫総数は、1万2909ケース、153.2トンとしています。虚偽表示の708ケース、13.8トン以外の製品について保健所はその点検をしているのか、ケースの中味は輸入肉か国産肉か、表示ラベルはどんなものだったのか、など確認はしているのか、お答えください。
  5. 保健所は去る2月15日より、市内の食肉処理業、食肉卸売販売業、店頭売り食肉販売業等147施設を対象に「食肉の表示に関わる緊急監視をしています。これまでの実施状況、とくに違反等の指導、処分があればそれらも含めて明らかにしてください。
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2.学校給食検討委員会の提言について

 第二次行財政改善実施計画に基づき西宮市学校給食検討委員会が設置、教育委員会の諮問の後、昨年7月26日から計7回約20時間にわたる議論・調査をおえこの度、検討委員会の提言が発表されました。
 今回、教育委員会が検討委員会に諮問した検討事項の最大の目的は「学校給食の効率的な運営」でした。この「効率的な運営」にたいし、検討委員会が提言した内容は「これまで安全でおいしい給食を安定して供給してきた直営方式の中で人件費を削減する方向を検討されたい」というもので、つまり学校給食は“現行方式を継続すべき”と提言では指摘をしているのです。さらに提言では「経費的な面からの試算によれば、調理業務の民間委託が最も効果的と考えられる。しかしながら、給食実施方法の変化に対する保護者の不安、短期的な試算では民間委託の効果が少ないと言う意見や、一部自治体では民間委託が必ずしも低コストに結びつかず、経費が逓減しないことを考慮すると、現在の直営事項方式が望ましい」と結論づけているのです。
 これだけでも既に明らかなように第二次行財政改善実施計画では「学校給食の調理業務の民間委託」を打ち出し、教育委員会はその方向で検討委員会に諮問しながら7回にわたる検討委員会の論議のなかで各委員から安易な「民間委託」に対する批判が相次ぎ検討委員会として提言で「民間委託」という結論にまとめることを断念せざるを得なかった、というのが今回の提言の最大の特徴ではないでしょうか。
 ところが、問題なのは「直営・自校方式」を基本にしながらも「よりよい学校給食を推進するためには人件費の削減が必須条件」とし、人件費削減の基準を「民間に近い経費」で実施するよう求め、具体的には正規調理員が退職すれば嘱託調理員で補充するよう提言、2003年度からこの新体制に移行できないときは「学校給食調理業務の民間委託」をせよ、と求めていることです。これは学校給食の人件費を「民間なみの経費」にするか、「それができなければ民間委託に移行」という二者択一を教育委員会に突きつけるという不当な提言内容ともなっているのです。
 さて、つぎに検討委員会自体の問題です。検討委員会に提出した教育委員会の資料は、「人件費がいかに直営のほうが高いか」「いかに民間の方が安上がりで効率的か」を強調するものばかりで、まるで意図的に作ったのではないかとさえ思ってしまうような資料です。例えば、民間業者の経費の試算について4社からとった試算表を提出していますがA社の経費を100とすればB社は64、C社は71、D社は76と4社の経費に大きな開きがあります。しかしなぜこのような大きな開きがあるのかについては一切説明はありません。また、人件費の比較を出していますが、現行制度で市の調理員の人件費の年間増額率を2.78%アップと見込んでいますが、民間業者の労働者の増額率についてはふれられておらず、わからない、としています。このように民間業者に委託すればなぜ効率的かというバックデーターが何一つ示されていないため、検討委員会で真剣な論議ができなっかったというのが実態です。このような民間委託有利な資料に対し、一部の委員から具体的な指摘と反論がなされていますが、それに対し教育委員会も民間委託肯定の委員も全く説明ができない状況が議事録で明らかになっています。その上、教育委員会が提出した資料について、ある委員から「数字が間違っている。」との指摘までうけ委員会はその誤りを認め、数回に渡って訂正を繰り返す、という常識では考えられない失態までしているのです。このように検討委員会に提出した教育委員会の資料は「人件費がいかに直営の方が高いか」「いかに民間委託の方が安上がりで効率的か」を意図的に強調するものばかりで、委員長はじめごく一部の委員は「民間委託は時代の流れ」とばかりの論議を繰り返していたことが大きな特徴点だと思います。
 そしてもう一つ私が問題だと思ったのは、検討委員会ではいろんな委員から共通してだされている問題のひとつに「アレルギー除去食」があります。深刻な現状が出されたりもしています。しかし今回の提言では「可能な範囲での除去食・代替え食の個別対応を検討されたい」と言う趣旨でわずか10行で一般的な文章でまとめられているだけなのです。これだけみても何のために検討委員会を作ったのか、教育委員会のねらいは明らかです。西宮市の学校給食を民間委託する、この方向を検討委員会の名で明らかにしてもらう。大変無責任でありいい加減なやりかただと指摘せざるをえません。
以上の点をふまえて質問です。

  1. 先般、我が党議員団の2002年度予算要求に対する回答説明会の中で、教育委員会は「この提言を尊重し関係団体とも協議したい」と言われました、改めて提言に対する教育委員会の見解を伺いたい。
  2. 先ほど指摘をしたように、民間4業者の経費の試算表に大きな開きがあります、その理由は何故ですか。またこの4業者の経費の積算根拠が全く示されていません。平均何歳の労働者か、勤続年数、男女の数、給与の年間増額率等明らかに。
  3. 提言は「民間委託に近い経費で運営するよう」求めているが、「民間委託に近い経費」とは具体的にどのようなものか。
  4. 検討委員会の中である委員が資料の誤りを指摘し、それに対し教育委員会は数回の訂正をしています。訂正をした資料はどのようなものか、その誤った資料は検討委員会の論議に影響はなかったのか。
  5. 提言の中では「民間委託が最も効果的」とか「新体制に移行できなければ民間委託の導入を検討すべき」ということをことさら強調しています。議事録を読む限りこれは全体の意見ではなく、委員長とごく一部の委員の意見にすぎません。ある委員は「民間委託という文言は削除してほしい、民間委託が本当にいいかどうかの話はここではしていない」と委員長に指摘すると、委員長は「民間委託が必ずしも悪いものだという意見も言われていないのですね。」となかば開き直ったような弁解をしています。このように民間委託の主張は委員長とごく一部の委員のみがしていたにすぎません。むしろ民間委託に批判の意見の方が多く出ていたと言うのが議事録を読んでの事実です。それを全体の意見かのように提言に強引に盛り込むことは民主主義からいっても問題だと思いますが、見解を。
  6. 検討委員会のなかでも大きく議論になり多くの委員が実施すべきといわれているアレルギー除去食こそ早急に取り組むべきと思います、いかがですか。
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