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定例議会

2002年6月定例議会

あわかく孝治議員の一般質問

1.平和資料館と平和非核都市宣言の普及
2.新入職員の宣誓書について
3.人口増の評価と開発抑制について


1.平和資料館と平和非核都市宣言の普及

 2002年ワールドカップもいよいよ明日、3位決定戦、30日の決勝戦を残すだけとなりました。約一ヶ月間、いきづまる熱戦を日本、韓国の共催国をはじめ世界のいたるところで大変多くの人々が熱心なまなざしを注いできました。こういうスポーツの世界は平和であればこそやれるのであって、そのためにも平和な世界実現のために努力しなければならないと改めて決意をしています。
 しかし、残念ながら現在いくつかの地域で戦争がおこなわれており、またその危険をはらんだ地域があります。国際テロへの対抗を口実にアメリカはアフガンへ報復戦争をしかけました。何の罪もない多数の一般住民が犠牲になりました。報復戦争が世界の平和秩序に深刻な脅威をもたらしています。国際テロは、報復戦争ではなくすることができません。国連中心の制裁と裁きの道へのきりかえが必要です。
 問題は、テロ対抗支援の口実で自衛隊の艦船がインド洋に派遣されていますが、その派遣期日が5月19日から11月19日まで6ヶ月間延期されたことです。アメリカはイラクなどの特定の国を悪の枢軸国と決めつけ先制攻撃も辞さないという戦略を明らかにしており、アフガンの次はイラクを攻撃するとの談話などが公然と伝えられています。もしこれが現実となったとき、アメリカ海軍を支援中の自衛隊がアメリカ軍の作戦に巻き込まれたとき、まさにそのときわが国が攻撃を受ける恐れがあるとき、攻撃を受けると予測されるとき、を勝手に決めつけてわが国が攻撃をしかける。その準備のため有事三法案をしゃにむに強行しようとする重大な問題点を指摘しないわけにはまいりません。
 イスラエルはアメリカ、ブッシュ政権の「テロ対抗なら何をしても許される」という論理を利用してパレスチナ自治政府が治める領土への侵攻、住民や難民キャンプの制圧、住宅、病院、学校などへの破壊活動をおこない、住民の無差別虐殺の重大な疑惑も問題とされています。
 またインドとパキスタンの両国によるカシミール地域の帰属をめぐって、深刻な事態となっています。両国による砲撃戦が拡大し、双方の兵士、民間人に多数の死傷者が出るなど、全面戦争への発展が強く危惧されています。両国とも核兵器保有国であり、万が一にも今後の成り行きのなかで、核保有国同士の核戦争という最悪の事態が起こったら、数百万人から1千数百万人の死者が出るともいわれており、さらにその被害は地球上のより広大な地域を覆うことになります。そうした恐るべき事態は、回避しなければなりません。また戦争による紛争解決ではなく平和的解決が求められます。
 日本共産党の不破哲三議長と志位和夫委員長は6月7日連名でインド、パキスタン両国首脳に対し書簡を送り(1)武装テロ勢力の越境侵入を含め、あらゆる戦闘行為をただちに中止すること。(2)そのうえで、事態の平和的打開のために、両国間の対話を再開すること。(3)双方が国際社会にたいして、どのような理由であれ正当化されない核兵器の使用は行わない旨声明することを強く要請したことを紹介しておきます。
 このような情勢であればこそいっそう侵略戦争の反省の上にたって再び戦争は絶対にしない平和を守ろうと決意した証としての日本国憲法第9条の立場を擁護し、唯一の被爆国民として核兵器の廃絶のための努力が求められているのであります。
 こういう時期にこともあろに福田康夫官房長官は非核三原則の見直しを言及しました。非核三原則はいうまでもなく「核兵器を作らず、持たず、持ちこませず」というもので、再び日本を核戦争の惨禍にまき込ませまいという、国民の非核の願いを体言したもので、1967年12月自民党の佐藤栄作内閣がはじめて口にし1971年に国会で決議され、その後も、歴代政府も国是として認めてきたものであります。これを見なおそうといったものですから、当然国内外から猛烈な批判の声が上がりました。
 なぜこんな発言が飛び出してくるのでしょうか。それはアメリカが核戦略を変更したからです。
 アメリカは核の非保有国に対してまでも核兵器を使用すると言い出しています。そのアメリカに追随する姿勢がこの発言をよんだものといえます。
 有事法案や非核三原則問題を国民として、また市民の一人としてお互いに声をあげなければなりません。

 西宮市も住民の福祉を実現することを任務とする自治体として、1983年に発した平和非核都市宣言の精神をよりいっそう市民全体の確信に広める行政が求められています。
 日本共産党市議団は1993年12月議会から8回にわたって一般質問で平和資料館の設置を提案してきました。市民の多くのみなさんからも要望が出されておりました。
 その結果、市当局は第三次総合計画において第1章第4節の平和施策の推進の項を設け、平和資料館を整備すると確定しました。さらに本年2002年3月には西宮市平和資料館基本構想を発表し川添町の西宮文化センター1階に設置することも明記されました。12月10日の平和非核宣言都市祈念日を念頭においた開館期日を検討していると聞いています。
 平和資料館は戦争の被害の悲惨な実態や加害の問題も後世に伝え、そこに至るおろかな政策の誤りを反省する視点での展示や、市民のみなさん、とりわけ若い世代と青少年に平和を守ることの重要性を認識していただくことになる平和の発信基地、平和の学習基地としなければなりません。
 戦前、戦中の戦争関連施設といえば、全国的にも注目されている、甲陽園の地下壕があります。また、今の高須団地には川西航空機など軍需産業があり、その関連で上田東町の旧三軒屋では民家が強制立ち退き命令で撤去されました。国鉄西宮貨物ヤードから阪神武庫川線に通じる軍事線路も布設されましたし、小曾根線は不時着用滑走路として開設されたものです。このように市民生活に多大な影響を与えた軍事関連施設の調査もし、記録に留めていかねばならないと思います。
 これまで平和資料館開設にむけて努力されてきた市当局、関係職員の努力に敬意を表するものです。
 この平和資料館が市民の期待に応えるものになるよう一層の努力をしていただく期待を込めて質問します。

  1. 開設予定の平和資料館の概要について説明をしてください。
  2. 展示物の説明にあたり、その時代背景、戦争に突入した経過について、新聞記事などを引用して見学者に理解され易い工夫が必要ではないか。
  3. 戦前、戦中の市内の軍事関連施設の実体や市民生活への影響などについて、掘起こしを行い、その資料も展示するべきではないか。
  4. 平和問題に関する講演会、映画会、セミナーなども実施すべきではないか。
  5. 原水爆禁止運動や原爆被害の実態についての展示もすべきではないか。
  6. 見学者に説明をする学芸員など、担当者を配置すべきと思うがどうか。

 次に平和非核都市宣言の普及についてであります。
 当局も原爆展でのアピールや他国の核実験に対する抗議行動など、核兵器をなくし平和を希求する活動に取り組んでこられました。
 わが党が提言していた「平和非核都市宣言標柱、モニュメント」の建設についても阪神甲子園、JR名塩、阪急夙川の各駅前に宣言柱が、JR西宮駅前にモニュメントが実現しています。
 とくに来年度は非核平和都市宣言20周年にあたります。これを記念した施策をぜひ取り組まれますよう強く要請いたします。
 なお、1993年12月の本議会での私の質問に対して、当時の馬場市長は平和非核都市シンボルマークについて「昭和59年に制定して以来、市の発行する刊行物などで紹介するとともに、昭和60年に市政60周年記念事業の一環として全戸配布をしました。以来8年が経過し、新しい市民の方も多くなっておりますので、市政70周年並びに終戦50周年を迎える平成7年度には、再度全戸配布をしたいと考えている」と答弁されましたが、いまだに不履行となっています。改めてこれの実施を求め、以下質問します。

  1. 平和非核都市宣言を発して以降、各国の核実験に対し市長として、あるいは市原水協会長として抗議文を送付したのは何回か。また一番多かったのはどの国に対してか。
  2. 来年2003年度は平和非核宣言20周年の年であります。昨年12月に杉山議員が提案したように市役所前の六湛寺公園を20周年祈念平和公園として整備すべきと思いますがどうか。
  3. 平和非核宣言都市シンボルマークワッペンの全戸配布はいつ実施するのか。
  4. 若い世代に平和非核都市宣言の理念を継承していくために、学生、青年から手紙やメールで平和への思いの声を集約してはどうか。そのためにも、一日も早く平和行政に関するホームページを開設していただきたい。その目途をあきらかにしてください。
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