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定例議会

2002年9月定例議会

田中さち子議員の一般質問

1.障害者福祉における「支援費制度」について
2.介護保険の拡充、改善について
3.市民ニーズの高い室内温水プールの整備について


 日本共産党を代表いたしまして、一般質問を行ないます。
 傍聴席のみなさん、ごくろうさまです。
 国の財政の眼目は、国民の暮らしを安定させることです。その根本を完全にひっくり返し、国民の暮らしを空前の規模で「痛み」を集中しようとしているのが、2003年度の国の予算案です。出そろった概算要求によると、政策的経費に当たる一般歳出は、約48兆円で政府はさらに圧縮するとしています。
歳出抑制の標的は言うまでもなく社会保障です。今年から来年にかけて政府は、医療、介護、雇用、年金という社会保障の4つの分野全てで、国民への負担増、給付カットを計画しており、総額3兆2400億円にのぼります。厳しい不況のもとで、多くの国民が余裕をなくし、苦しい生活を強いられ、おぼれまいと必死になっている時に、命とくらしを支えるべき社会保障を容赦なく切り捨てる暴挙を、絶対許すことはできません。
 このように国民に空前の負担を強いる一方で、大企業には新たに大規模な「バラマキ」を始めようとしているのが小泉改革の中味です。
 これまで小泉首相は「痛みは等しく分かち合うのだから」とのべて、国民にガマンを強要してきました。その建前すらかなぐり捨て庶民増税を財源にして、2兆円もの大企業向け減税を実施するとしています。まさに本末転倒と言わなくてはなりません。
 このような小泉政治に対比して、先頃、知事選挙が行われた長野県政に注目したいと思います。
 日本共産党を除く政党、会派の理不尽な田中知事不信任決議の中で行われた長野県知事選挙は、県民の圧倒的な支持で田中知事が再選を果たしました。 そのインタビューの中で、田中知事は「これからも県民との対話を重視し、無駄なダム建設より地域密着型の公共事業を進め、福祉、教育に税金をふり向けて生きたい」と明快に答えていました。
 この言葉は、長野県民はもとより、多くの国民にとっても本来の政治、行政のあり方を感じさせるものではなかったでしょうか。
 私は、山田市長に対し、憲法を尊重し地方自治の本旨をまっとうし、「住民こそ主人公」の当たり前の行政姿勢を貫かれることを、切に願うものです。
 その観点を踏まえて具体的な質問に入りたいと思います。

1.障害者福祉における「支援費制度」について

 まず1つ目は障害者福祉における「支援費制度」について質問します。
 国連では、1975年に「障害者はその人間としての尊厳が尊重される生まれながらの権利を有する。障害者はその障害の原因、特質及び程度にかかわらず、同年齢の市民と同等の基本的権利を有する」と障害者の権利を宣言しています。この宣言を具体化するために、1981年を、「障害者の社会への参加と平等の実現」をテーマに国際障害者年としました。
 わが国においても、1993年に「障害者対策に関する長期計画」を策定し、続いて「障害者プラン、ノーマライゼーション7ヶ年戦略がつくられました。
 本市においても、1994年に「西宮あんしんプラン21」を策定し障害者施策をすすめています。
 そのような中、来年4月から、現在の障害者福祉制度が大きく変わろうとしています。今は障害者が施設やホームヘルプなどの福祉サービスを利用する場合、措置制度によって国と自治体がサービスの提供に直接的な責任を負っています。しかし、来年度からは介護保険と同じように障害者本人が利用したいサービスを決め、自らサービス事業者を選んで「契約」する支援費制度が発足します。
 支援費制度は障害者の「契約」に基くサービス費用のうち、本人負担(利用料)を除いた費用を、国、自治体が「支援費」として助成するというものです。
 支援費制度の対象となる福祉サービスは、身体障害者、知的障害者の各種の施設利用と在宅サービス、障害児の在宅サービスであり全国でおよそ360万人がその対象になるといわれています。西宮市の対象者はおよそ1800人と説明を受けています。
 日本共産党は支援費制度を導入する法案に反対しました。その理由は、行政責任を現行より大幅に後退させるため、次のような問題が出てくるからです。
 第一に、福祉サービスの確保は原則として障害者個人の責任とされ、国と自治体は「支援費」の助成など、あくまで第三者的なものとなること。第二に、在宅、施設とともにサービスが圧倒的に不足しており、「自由に選択できる」という政府のうたい文句どころか、新制度の発足の前提条件すら欠く現状にあること。第三に、障害者、家族の負担が増大する心配があること等々です。 
 利用料は障害者の皆さんの運動によって、これまで通り、負担能力に応じて支払う仕組みが維持されましたが、支援費の水準が低くおさえられれば、結局は利用者の負担増にならざるを得ない危険があります。
 このような問題を抱えたまま、今年10月からは「支援費制度」に基づいて、市町村でいっせいにサービス申請受付が開始されます。
 ところが、サービスごとの「支援費」はいくらになるのか、障害者が支払う利用料はどうなるかといった、制度の根幹となる国基準はやっと、昨日の12日に厚生労働者が「支援費」の基準額案を発表したところです。
 以上のような問題が解決されないまま、実施されることに、障害者、家族の皆さんの不安は大変に大きなものとなっています。又、本市においても、担当部局の職員の皆さんが、手探りの中、10月申請受付に向けその準備をすすめておられます。
 問題ある障害者支援費制度ですが、制度が変わっても実施主体は市であり、全ての障害者にもれなく必要なサービス提供が行えるよう、公的責任を果たすことがきわめて重要になっています。
 これらを前提に以下の質問をしたいと思います。

  1. 支援費制度に移行してサービス水準を現行より低下させてはなりません。施設、在宅サービスともにこれまでの施策水準と自己負担額で引き続きサービスが受けられるよう、市として措置をとるべきですがどうでしょうか。
  2. 最初から家族介護を前提とするのではなく、障害者が地域で自立した生活を送ることができるよう、必要で十分なサービス量を認定するべきですがいかがでしょうか。
     又、支給決定の公正を期すために、専門的知識を持つ人たちによる集団的な審査体制を確立し、家族や施設職員の声も審査に生かすべきですが、どうでしょうが。
  3. 市として積極的な情報提供、相談窓口の体制を充実させ、ケアマネージャーを配置して、障害者本人にとって、どのようなサービスが必要なのかというケアプランの作成など、体制を確立すべきと思いますがどうでしょうか。
  4. 自分で契約が困難な障害者への支援策が必要です。「成年後見制度」や「福祉サービス利用援助事業」を障害者が気軽に利用できるよう、市として、利用者負担の大幅な軽減、免除を行うことが必要だと思いますがいかがでしょうか。
  5. 現在、西宮市が設置主体となっている施設は、名神あけぼの園、いずみ園、武庫川すずかけ作業所、芦原デイサービスセンターがあります。これらの施設については、市自らが指定事業者となるなど、公的責任においてサービス提供を行うべきだと思いますがいかがでしょうか
  6. 2001年から2005年までの5年間の「西宮市障害福祉推進計画(第二次あんしんプラン)」が策定されています。支援費制度の導入によって、障害者のニーズに合わせた計画の見直しが必要だと思いますがいかがでしょうか。又、支援費制度導入に向け、サービス供給体制は万全かお答えください
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