3.道路行政について
1)車優先から人優先へ
11月26日付神戸しんぶんによれば25日、神戸で兵庫県警が「生活道路」をテーマに交通安全について考えるシンポジウムを開催しています。その基調講演では大阪市立大学大学院の日野泰雄教授が、住宅地につながる道路にゲートを設けたり、生活道路の速度制限をしているヨーロッパの取り組みを紹介しながら「車の流入制限、速度抑制は世界共通の流れ、利便性だけでなく長い目で交通安全や環境を考えていく必要がある」と指摘したとのことです。
一足飛びにヨーロッパ並に転換できないとは思います。しかし高齢化社会にむかうなかで安全を考える点からも、自動車公害をなくすこと,地球温暖化防止など環境の観点からも、またむだを省くと言う点でも、道路行政をこれまでの車優先から人間優先に変えていくことは今後の日本の大きな課題ではないでしょうか。
具体的には全国平均55%という進捗率のなか、西宮では72%と、大幅に上回っている市内の都市計画道路の整備や、住民が大反対している甲陽線地下化事業などのあらたな道路建設より、騒音や振動など沿道の生活環境への影響を緩和するための生活道路の舗装改良や、歩道の新設、段差の解消――いわゆる維持管理に重点をおくと言うことではないでしょうか。
さらにこの道路補修や段差解消などは、不況であえぐ市内中小業者の仕事づくりにもつながります。昨年度事務報告書によると、道路修繕工事は39件、1件平均500万円程、舗装補修工事で18件、平均1400万、請け負ったのはいずれも市内の業者、AからFまであるランクのうちのD、E、F――規模の小さい業者が8割をしめています。幹線道路建設や鉄道地下化ではこうはいきません。市外の大手ゼネコンが一手に引き受けることとなるでしょう。わが党が提言している大型公共事業より生活密着型公共事業のほうが地元経済の振興にも役立つ、切り替えよと言うのは道路事業でも同じことがいえます。
では市の道路維持管理の現状はどうでしょうか。「○○町の道が陥没している、側溝がいたんでいる」さまざまな市民からの要望、苦情にはとりあえず道路補修課の職員がかけつけ、処理をしておられます。2001年度で1700件あまり。しかし予算では2000年を100として2001年95.9、2002年93.1と年々減っています。事実私も住民からの通報をつたえ何度も対処していただきましたが、市民のかたにしばらく辛抱いただくという例も少なからずありました。
また歩道の段差解消の方は必要カ所6433ヶ所のうち改良済みが3453ヶ所。整備率53.7%です。交差点など車道から歩道につながる部分に段差があれば車椅子やバギーはもちろん、お年寄り、障害者なども安心して歩けません。
歩道がなく、路側帯も大変狭い、歩いていても自転車に乗っていても自動車でも、ひやひやするような道路は残念ながら市内いたるところにあります。こんな道こそ、道路を新しくつくるぐらいの意気込みと熱意で改善、改修してもらいたいというのが多くの市民のおもいでしょう。
- 具体的な質問をします。段差解消について未改良の2980カ所は早急に整備すべきだと思うが、具体的計画はどうなっていますか。
2)甲子園口5丁目から天道町にいたるJR地下道の改善
この問題はわが党西村議員が2度にわたって本会議質問しております。問題の地下道は高校生の自転車通学路にもあたり、利用もまた事故も多い道です。しかし瓦第298号線と言う道路認定されたれっきとした公道でありながら、道路技術基準を大きく外れた「違法、欠陥道路」であることが今年6月議会の質問で新たに明らかになりました。斜路つき階段の勾配基準は、斜路は12%、斜路つき階段は25%を超えてはならないのにたいし、この地下道は南側が斜路、階段とも35%、北側が40%と大きく超えています。また地下道の出入り口は歩道等のある安全な場所に設けなければならないこととなっていますが、この地下道の南北いずれの出入り口も直接車道につながっています。西村議員は、このような違法、欠陥道路を物理的にやむをえなかったとして建設した市の責任、1970年の建設以来30数年間放置してきた責任を厳しく問いました。
当局はこの道路が「違法、欠陥道路」であることを認め、改修の具体策にも言及しています。「幅員3メートルで、勾配は車椅子の自力歩行が可能な8%のスロープ化を基本とした市の計画案をJR西日本に提示し、施行上の問題点の整理、事業費など精力的に協議を行っている。財政が厳しい状況ではあるが関係部局と協議調整の上、できるだけ早期に事業着手できるよう検討したい」このような答弁でした。
- その後JRとの協議も順調に進んでいると聞いていますが、私の質問であきらかにしなければならないことは、いつとりかかるのか、この1点だけです。今まさに新年度予算編成の時期です。必要な調査などは2003年度中に行う、事業着手は2003年度と考えていいでしょうか。お答えください。
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