2.夙川水難事故と総合治水対策について
およそ3ヶ月前の9月12日、局地的な豪雨により一気に増水した夙川で釣りをしていた市民の方が流されお亡くなりになるという痛ましい事故が起きました。今回の事故の原因は(1)局地的な豪雨が都市部に降ったため。(2)上流地域でも宅地開発が進んでおり、降った雨が下水溝や排水溝に一気に流れ込んだ事。(3)夙川は上流より下流のほうが川幅が狭くなっている事。等々である事は当局の説明や新聞報道からも明らかです。
しかし、このような集中、局地的豪雨により、多大な被害を及ぼし市民の命を奪ったのは今回だけではありません。私たちの記憶にもまだ新しい3年前の6月29日、そして同じ年の9月17日には建物の浸水被害は800戸に及び、御手洗川沿いの道路も壊し、青年の命も奪いました。
この9月17日の集中豪雨による浸水対策についてはその年の12月議会で我が党の田中さち子議員が原因究明と今後の対策、そして被害にあわれた方々の補償について強く求めました。このことを受けて同じような被害が出ないよう当局として対策を考え取り組まれている事は評価するものです。
しかしながら3年もたたすにまた、局地、集中豪雨により市民の尊い命が奪われたわけです。
今回の夙川での水難事故直後は市は想定不可能等々全く責任がないような見解でした。しかし、山の手の方での大型マンションの乱立や宅地開発の進行、また、近年の環境の変化に伴い集中豪雨、局地的豪雨の発生が起こりやすい状況になっていることは十分に想定されます。
特に、夙川のように子どもたちはもちろん、市民に日常的に親しまれている親水公園などは、県としても連携し、具体的な対策が必要です。市内どこで起こるかわからない局地的豪雨を想定し、あらゆる場合を考え、できる限りの対策をとるのが自治体の責任だと思います。
これまでの事故を教訓にすれば、河川や水路を整備していくだけではなく流域内の開発を規制し、開発により失われた流域の保水能力を回復するために雨水をためてゆっくりと流す、流出抑制対策など様々な方法で、総合的な治水対策が必要になっていることは当然です。
- 今回の夙川での事故について、原因については先程私が述べた認識と一致しているか。
違うなら見解を、また、市に責任はないのか。
- 総合治水対策について
武庫川ではダムに頼らない治水対策をこれまで多くの住民さんや団体の方が求めつづけておられます。
そして私たちに本共産党議員団も議会の中でたびたび訴えてきました、たとえダムができても治水対策にはならない武庫川ダムの欠陥を指摘しつつ、まず、早急に治水対策を、と、求めてきました。
そのような中で、今回、西宮市の県に対する予算要望では従来の武庫川ダムではなく「ダム」という言葉も一切消えており「早急な治水対策」を求めています。
このように、ダムに頼らない治水対策という方向性は長野県をはじめ、全国的な流れになっている。
西宮市南部市街地には武庫川以外に夙川を含め6つの河川が流れています。2度と同じあやまちを繰り返さないためにも総合的な治水計画を策定し、具体的に取り組むべきです。いかがですか。
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