■都市局 |
- 競輪事業の廃止や阪神パーク、南部地域の工場等撤退が相次いでいる。これらの跡地利用として、マンションや商業施設など大型開発が進められているが、これらは西宮市としてのまちづくりと大きな関連性がある。市として適正な人口規模、文教住宅都市としてふさわしい環境保全の立場を明らかにして、次のことに取り組むこと。
- 競輪事業廃止に伴う甲子園競輪場跡地開発問題については、小学校の区域が変更され、地域のコミュニティが保てなくなるなど、この開発による矛盾が起こっている。学校など社会資本が不十分な地域での大規模開発を是正し、低層の周辺環境にあったまちづくりとなるよう指導を強めること。
- 阪急西宮北口スタジアム跡地については、阪急・兵庫県・西宮市の三者で協議することとなっているが、実態は住宅と商業施設の整備などと、土地所有者である阪急の思い通りに進められている。西宮市の中心地のまちづくりとして、市として市民や議会の声をもとに主体性をもったかかわりを行ない、情報を広く公開すること。また、利用計画が決まるまでの間、スポーツができる広場として、阪急の協力も得て市民に開放すること。
- 南部地域では、酒造会社などを中心に工場の撤退跡地に数100戸規模のマンション開発が続いている。上記の開発とともに、これ以上の人口増につながる開発が市民の良好な生活環境を脅かすことになり、一定の規制が必要な時期にきている。市独自で容積率の開発規制を行なうこと。
- 松山町のJR官舎跡地の土地利用については、周辺の良好な住環境を守るために、市として用地買収も行い、福祉関連施設など地域住民の声も聞きながら、まちづくりを指導すること。
- 震災復興土地区画整理事業(北口北東地区)について。
- 区画整理事業や再開発事業の集中する地域として、幹線道路も多数建設されている。地域住民から要望の強い、現時点の環境影響調査と将来予測調査(面的な調査)を実施し、公表すること。また、必要な対策を講じること。
- 仮換地指定が92%になってきたが、なお、不服審査請求は50世帯にのぼっている。市有地の有効活用など、該当権利者の理解と納得を得て早期解決をはかる事。
- 清算事務にあたっては、90u以下の宅地についてはノー清算とすること。また、清算点数(個数)を権利者に公開すること。
- 西宮北口駅南土地区画整理事業は、すでにプレラビル、駅前広場などが供用開始されて
いるが、マイカルの倒産等経済状況等の変化もあって、当初予定の「まちづくり」となっていない。これはむやみな大企業優先の大規模開発の失敗である。西宮市の拠点となる地区でのまちづくりに、市として責任をもってあたること。
- 球場前線北街区の土地利用については、南東地区の土地利用とも関連する。市民の声を集約し、芸文センターのある西宮の拠点地域にふさわしいまちづくりを、市が責任をもって進めること。
- 阪急西宮北口駅から、芸文センターやプレラホールに空中回廊を計画しているが、ムダな開発の典型である。通行者がほとんどないJR西宮南再開発事業で整備したフレンテの西館と東館をつなぐデッキの教訓を生かし、計画を中止すること。
- JR西宮駅南再開発ビル(フレンテ)の管理会社・西宮都市管理会社に対し市は2000年度から貸付を行なっているが、これ以上の市の持ち出しは絶対行なわないこと。また、管理会社の経営については当の企業が責任を持つのが当然であり、支援が必要であれば出資企業にも応分の負担を求めること。
- 西宮浜では若い世代の入居者も多く既存の幼稚園、保育所はすでに満員、買い物施設など公共公益施設や商業施設が不足している。また、高齢者も多いまちとしてその実態に見合った施設を民間任せでなくまちづくりとして市が主体性を持って充実させること。
- 住都公団(当時)が西宮名塩ニュータウン開発にともない設置した、斜行エレベーターを市に約2億円出して引継ぎさせようとしている。今後の維持管理経費等負担がかさむことは目に見えており、あくまでもまちづくりを進めた公団の管理責任を明確にし、引継ぎについては承諾しないこと。
- 緑地の保全や、災害時の避難場所等の役割を果たす生産緑地地区拡大の方針は大切な観点である。都市部での生産緑地保全を営農家だけにまかせるのではなく、市としても都市政策の立場から、必要な手だてをとること。
- 交通バリアフリー法に沿った駅改善については、阪急、阪神の高架駅でエレベーター、エスカレーターが未設置駅(阪急・阪神国道駅、阪神・甲子園駅、武庫川駅)に早急に設置するよう引き続き電鉄会社に強く要求すること。またJR甲子園口駅にエレベーター、エスカレーターを、西宮名塩駅にエスカレーターを設置するよう強力にJRに申し入れること。
- バス運行について以下のことを関係会社に働きかけること。
- 武庫川堤防を通るJR甲子園口駅行き阪急バス路線の増便、および利用の広報を行なうこと。
- 阪急西宮北口駅―中央病院―樋ノ口町―JR甲子園口駅のバス路線が運行されるようになったが、さらに増便すること。
- 市民要望の強い南部地域から白水峡へのバス路線は、臨時運行されるようになった。さらに、定時運行を行なうこと。
- 地域巡回(コミュニティ)バスが全国的にも、阪神地域でも実施運行が広がっている。交通不便地域だけでなく、市内の公共施設や病院などを巡回し、市民生活をバックアップする移動手段としてのニーズにこたえ、西宮浜や北部地域をはじめ、市内5ループを目標に運行すること。
- JR夙川駅新設により交通量の増大や騒音が懸念され、駐車・駐輪問題など周辺住民の不安の声が解消されていない。また、タクシーや乗用車の待合スペース等駅前広場の確保もなく事業が進められている。地域住民の意見をよく聞きJRにも応分の負担を求めて周辺環境対策を講じること。
- 武庫川団地を含む高須町の駐車場不足問題は深刻である。広大な未利用地の活用などして解決をはかること。そのために、公団に強力に要請すること。
- 住宅市街地総合整備事業の適用を受けて浜甲子園団地の建替え事業が行なわれている。居住者の意見を尊重して進め、まちづくりの観点からも次のことを公団に申し入れること。
- 戻り希望者も高齢者が多いが、安心して住みつづけられるよう家賃等最大限の配慮を引き続き行なうこと。
- 建替えが高層住宅のため、余剰の土地が発生し、民間による開発の対象となっている。あくまでも、西宮市全体のまちづくりの観点で市が指導を行なうこと。
- 市営住宅について
- 空家住宅応募者が長引く不況ともあいまって増大している。新しい用地を買収して、市営住宅の増設をはかることや、武庫川団地(公団の賃貸住宅)など、空家が多く発生している住宅を市営住宅として借り上げるなど市民の要望にこたえること。また、長田町で確保している用地での建設を早期に具体化すること。
- 木造住宅等跡地は用途廃止しているが、高齢者向き住宅などとしての建て替え、有効活用を図ること。
- 空き家募集を随時行ない、住宅困窮者の要望に応えること。その際以前行なっていた「落選回数の多い者の優先」を復活させること。また、特定目的(障害者、老人、母子家庭等)の募集戸数を増やすこと。
- ふすまや畳等の改修は、住宅によって改修期間の相違がある。早急に同一基準にすること。
- 高齢者や障害者に使いやすい住宅となるよう、エレベーターがない住宅に早急に設置すること。特に津門大塚町1号棟住宅は廊下型でもあるので優先的に設置すること。また、階段型住宅にも比較的安く設置できるエレベーターも開発されているので設置すること。
- 災害公営住宅などで、設置した駐車場が余っている。近隣地域からの利用要請など調査し、有効活用をはかること。
- 不正入居者、住宅明渡し義務者に該当する高額所得者については、市が主体性を持って期限を切って明け渡しを迫るなど断固とした態度で対処すること。公務員で該当する者については早期に退去させること。万一、市職員で該当者がいる場合は公表すること。
- 市営住宅、店舗、駐車場の使用料滞納が非常に多い。悪質滞納者については厳正に対応し、訴訟等も臨機応変に活用すること。その際、所得状況などから生活保護等、他の制度につなげる努力を健康福祉局と連携して行なうこと。
- 特定優良賃貸住宅(西宮タイアップ住宅)について以下のことを実施すること。
- 補助額を増額して家賃を引き下げ、家賃アップ率についても年2%以下に抑えるなど、入居者の負担を軽減すること。また制度の改善を国に申し入れること。
- 入居率が低下し、常時空室を抱える住宅もある。有効活用策のため市営住宅として借り上げること。
- 個人住宅あっせん融資については、新築2,000万円、改築800万円に引き上げること。また、利率を2%以下にし、既融資の利率についても低金利を考慮して、引き下げるよう金融機関との調整を行なうこと。
- 比較的所得の低い新婚世帯など若年層を対象にした、民間賃貸住宅家賃補助制度を創設し、住宅政策の面から少子化対策を行なうこと。
- 開発指導について
- 「開発事業等におけるまちづくりに関する条例」(以下開発条例という)にもとづき、地域住民の立場で市はこの趣旨を事業主に周知徹底すること。特に、マンション開発についての請願や陳情が議会で採択されても、その後の行政指導が弱いために事業者の姿勢が改まらない事例がある。請願等の採択を開発条例第19条の実施を事業主にせまる議会の意思表明と受け止め、行政指導を徹底すること。
- 開発条例では「開発区域に接する道路は6m(中心点より3m後退)に拡幅すること」と規定しているが、開発地に接続する道路で開発区域外の道路についてはまったく規制がなく、4m以上の道路であれば開発を認めている。これはまちづくりという観点からも矛盾している。その結果、工事用車両はもとより、消防車両(はしご車等)の通行も制限され、近隣住民に多大な被害がおよんでくる。地域外の道路についても最低6mを確保するよう行政指導を強めるとともに、それができない場合は開発を認めないこと。
- 過剰なマンション建設を規制し、良好な住環境を保全するためにも開発条例、同施行規則で次の諸点を改正すること。
- 10戸以上のマンションを建設する場合には、その敷地は1戸あたり50u以上要すること。
- 建築基準法で容積率の対象外となっているマンションの居住室以外の廊下・階段室・駐車場などについても学校・事務所と同等の容積率内に収めるよう規定すること。
- 一定規模以上の開発については、公園、教育施設などの公共施設整備のための土地
や協力金の提供を求めること
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