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予算要望
■2004年予算要望書
・はじめに ・震災対策 ・総合企画局 ・総務局
・財務局 ・消防局 ・水道局 ・健康福祉局
・環境局 ・中央病院 ・市民局 ・教育委員会
・都市局 ・土木局 ・選挙管理委員会 ・議会

■はじめに

自民党・公明党連立の小泉内閣は「構造改革」の名による大企業応援、弱者切捨ての政治を強行しています。医療保険制度では2002年10月からは高齢者の医療費が、また2003年4月からはサラリーマンの自己負担率がそれぞれ改悪されました。年金も0.9%減額支給、完全失業率は恒常的に5%台、給料も23万円減額となっています。企業の倒産も2002年度1万8928件(帝国データバンク発表)で戦後4番目、バブル崩壊後では2番目に高い水準となっています。また、消費税増税については政府税調の中間答申では二ケタ台。財界首脳も16%などの声をあげ、さらに個人消費に攻撃をかける動きを見せています。
このようななか、市民にとって一番身近な存在である西宮市という地方自治体が住民の暮らし、福祉を守る市政を実行することが強く求められています。
ところが西宮市では震災復興による起債の償還と長引く不況による税収不足で「赤字再建団体」に落ち込むとの口実で、市民犠牲の「行財政改善実施計画」を2回にわたって強行しました。さらに2008年度には272億円もの累積赤字が出るとの試算を根拠に、第3次「行財政改善実施計画」も必要として、さらに市民犠牲の「リストラ」を狙っています。
従来より日本共産党西宮市会議員団は、無駄な大型開発よりも福祉暮らし優先の市政をと提案し続けてきました。なかでも震災に際しては、「復興は当然ながらそれを絶好の口実にした大型開発は認めることができない。必要最小限にするなり、復旧を最優先させて開発は住民合意で」と具体的に提案してきました。しかし、西宮市長はじめ当局は国が補助を付けてくれる、この時期を逃してはならじとして強引に進めました。その結果が今日の財政危機の大きな原因となっています。西宮市当局はこのことを真摯に反省し、不要不急の公共事業の削減、見直しなどで、予算を福祉や中小企業対策にあてるなどの真の行政改革が必要です。そのために、今後進めようとしている「リストラ」で財政問題を解決するのではなく、議会、市民、職員がそれぞれ知恵や工夫を出し合ってよりよい市政を築いていくことが必要です。
日本共産党西宮市会議員団では、市内の各種団体や個人の皆さんと懇談を行ない、市政に対するさまざまな意見要求をお聞きし、それらを各局ごとにまとめました。新年度の予算編成にあたってぜひ市民の切実な声をくみ上げ具体的に反映されるよう申し入れます。

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■震災対策
  1. 被災者の個人補償について
    阪神・淡路大震災から8年半が経過した。現在、被災した住宅や店舗に対しては、一円の直接的支援策も講じられていない。住宅や店舗の再建は生活再建の土台であり、それへの支援制度がないことが、被災地復興の遅れの最大原因になっていることは明らかである。
    日本共産党は当初より一貫して「個人補償」を求めてきたが、この度、内閣府が8月末に住宅再建支援制度の創設を決め、最高200万円ではあるが、来年度予算の概算要求に盛り込んだ。被災者と日本共産党の長年のたたかいが、「私有財産に補償はできない。住宅や生活の再建は自助努力で」と頑として拒んできた政府をついに動かしたものといえる。この際、住宅再建支援についての国の責任を明確にするとともに、一日も早く住宅・店舗再建支援制度の確立を求めるものである。
    以下、市として国に対し強く要望すること。
    1. 「被災者生活再建法」の見直しは、限度額を100万円から生活再建の支援金については500万円、住宅(店舗・事務所)支援500万円、あわせて1000万円に引き上げ、使途制限を撤廃し、国の責任ですべての被災者の生活再建、住宅、店舗の再建を支援する制度を確立すること。阪神・淡路大震災被災者にも、相当の措置を行なうこと。
    2. 「被災者自立支援金」については、所得制限等まだまだ条件が厳しい。大幅に支給対象を拡げること。
  2. 災害援護資金貸付金については、数千円の小額償還も可能となったが、一定の所得以下の世帯を対象とする貸付金という性格から、回収不能などの事態が増加している。いっそうの柔軟な対応を行なうこと。
    1. 借受け本人が死亡や破産の場合は、保証人の返済措置を免除とするなど「特例措置」を行なうこと。
    2. 償還金の支払猶予の対象について、休職中や一時的収入ダウンなどを含め、実質的に「著しい生活困窮」者に適用されるように、兵庫県に要請すること。
    3. 国への貸付金の償還については、小額償還及び支払猶予の場合、それに対応して国への償還猶予を行なうこと。
  3. 中小企業向け震災特別融資の措置が再々延長されている。この不況のもと返済困難は明らかであり、据置期間、融資期間を更に延長し利率も引き下げるよう国、県に要望すること。
  4. 震災家賃減免について
    1. 災害復興住宅への家賃減免について、10年で打ち切ることなく生活再建ができるまで継続すること。
    2. 民間賃貸住宅家賃の負担軽減をはかる為、補助額をもとの2万円に戻すよう県へ要求すること。
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■総合企画局
  1. 西宮市では震災復興を口実にして無駄な大型開発に多額の予算を投入し財政危機を招いた。しかしこのことに対する真摯な反省もなく、さらに多額の税金を投入して自然環境をも破壊する阪急甲陽線の地下化など強行しようとしている。その一方では、福祉や教育施策を切り捨て、公共料金値上げ、民営化、民間委託導入などの「第2次行財政改善計画」を強引に実施してきた。その上、2004年度から単年度収支が赤字になり、2008年度には「272億円の累積赤字」となるとして、さらなる「リストラ」の「第3次行財政改善計画」を策定しようとしている。しかしこの赤字額の算定方法は歳入歳出を一定の仮定に基づく積み上げ方式をとっているが、2002年度決算概要でも明らかなように地方交付税だけをみても28億円もの違いが生じてきているようにまったく根拠がない。赤字宣伝を先行させて、市民の福祉や予算を切ろうという魂胆が明らかである。このような「リストラ」計画は直ちに中止し、市のこれまでの予算執行を謙虚に反省し行政姿勢を、市民参加と合意を大切にした、くらし、福祉優先の政治に転換すること。
  2. 人口予測の大幅な狂い、財政難などの理由により第3次西宮市総合計画を見直し、3年ごとの実施計画を6年に延長している。このことは第3次西宮市総合計画が事実上破綻をしているといっても過言ではない。これらの原因のひとつにマンションなどの住宅開発があげられるが、現在計画があがっている甲子園競輪場跡地には戸数614戸のマンション、戸建住宅244戸(当初)の開発、さらに今後阪急西宮スタジアム等跡地、JR社宅跡地等の巨大開発が予想される。西宮市として人口さえ増えればよいという単純な方針ではなく、上下水道、学校、公園、保育所、老人ホーム等の供給可能なインフラのあり方を明確にし、それに見合う人口規模を明らかにすること。
  3. 西宮・甲子園競輪事業を実施してきた兵庫県市町競輪事務組合も残務処理を終えて2003年3月で解散し競輪事業のすべてが終了したが、事務組合に対して甲子園土地企業約61億円、近畿競輪競技会約18億円の損害賠償請求訴訟が提起され、競輪選手会からは45億円の催告書、阪急電鉄から約28億円の損害賠償請求書が提出されている。いずれの訴訟、請求に対して今後とも毅然とした対応を行なうこと。また、司法の結論が出れば双方がこれに従うことは当然であるが、万が一事務組合が責任を負うようなことになった場合でも事務組合構成19市1町が、収益金配分率にもとづいて共同責任をもつことがこれまでにも文書確認されている。このことが確実に実行されるよう、責任をもって事務処理にあたること。
  4. 無料の市民生活相談は開催回数が増やされたが、今日の情勢を反映して利用する市民が年々増加しているので、さらに弁護士の増員や回数の増加を行なうこと。
  5. 県が建設する芸術文化センターは2005年度竣工予定となっている。市民の芸術文化の拠点にふさわしい内容となるよう利用方法など文化関係者や市民の意見をとりいれた運営となるよう、また、西宮市として底地の固定資産税を減免するなどの協力をしているので市民の利用料等低廉なものにするよう県と協議すること。
  6. 男女共同参画センター(ウェーブ)が、市内の様々な女性団体等の活動拠点となり、男女共同参画社会の実現に向けての学習や交流の場となるよう次のことを実施すること。
    1. 現在、夜間・休日には外部委託の管理会社職員が対応しているために利用申し込みもできず登録グループ等の活動に制約が起こっている。夜間・休日にも利用申し込みができるようにすること。
    2. 講座や講演会など市民参画で企画、運営しているが、予算があまりにも少なく、専門職員(情報アドバイザー)の身分も嘱託で不安定である。十分な活動が出来るよう資料の充実、専門職員の正規化など特に予算を増額すること。
    3. DVや児童虐待、職場での差別、セクシャルハラスメントなど女性の悩みは多種多様である。だからこそ気軽に相談できる体制づくりは、ウェーブの重要な役割である。面接相談だけでなく電話での相談も行なわれているが、土曜日も含めてすべて昼間となっているので、夜間の相談も設定すること。また、月1回の弁護士相談の回数も増やし、利用しやすい相談体制をつくること。
    4. いきいきフェスタ、ネットワーク委員会等の会館使用料は免除されているが、日常的に登録グループ、団体が設置目的に沿って使用する場合減免があるとはいえ有料となっているので、使用料は原則無料とすること。
    5. 男女共同参画推進懇話会は公開で年4回開催されることになっているが、開催日時が不定期のため傍聴に行きにくい。開催日程をできるだけ早く、市政ニュース、ホームページ等で広く知らせること。
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