クリックで日本共産党西宮市会議員団ホームページへジャンプします
 
定例議会

2002年9月定例議会

たてがき初男議員の一般質問

1.住民基本台帳ネットワークシステムについて
2.医療制度改悪に対する市民と市への負担増について
3.個人住宅補修に地域経済活性化のためにも補助制度を
4.武庫川河川敷について


1.住民基本台帳ネットワークシステムについて

 住民基本台帳ネットワークシステム、略して住基ネットが8月5日から稼動して1ヶ月余りが経ちました。日本共産党西宮市会議員団ではこれに先立ち8月2日、住民の合意がなく、プライバシー保護の点でも問題があり住基ネットについては実施の延期、凍結も含めて検討するよう当局に申し入れてきました。
 住基ネットは姓名、住所、生年月日、性別の4情報をすべての市民、1人ごとに11桁のコード番号をつけ一括コンピュター処理するもので、全国の市町村が参加することになっています。管理は国の外郭団体「地方自治情報センター」が一元管理します。この元になった住民基本台帳法の「改正」は第145国会で自民・自由・公明与党3党が日本共産党、民主党、社民党などの反対を押し切って強行成立させたものです。わが党は個人情報保護法がないもとでの強行は許されないし、個人情報の漏えいと不当使用の危険性がさけられず、個人に番号をつけることへの国民合意が得られていないこと、システム利用のための自治体の過度の財政負担、地方分権に反し一括管理による中央集権等々との理由で反対してきました。また、国会審議のなかでプライバシー権を保障するため「民間部門をも網羅する、包括的な個人情報保護法の制定が本法案施行の前提である」ことが明らかになりました。公明党も「個人情報保護法が成立するまでは住基ネットは運用しないこと」を条件に住基法「改正」に賛成と転換しました。しかし個人情報保護法が成立しないままに実施され、この推進役を果たしたのが公明党です。
日本共産党は住基ネットが稼動された現在では今からでも中止すべきであると表明しています。
 さて、実際に稼動してこれらの問題がますます、明らかになってきました。
 9月12日付け「しんぶん赤旗」にこんな記事が出ています。中野区 住基ネット接続切断 全国初「区民情報を保護」の見出しで、東京都中野区は11日、先月稼働した国の住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)は、区民の個人情報が侵害される恐れがあるとして、同ネットとの接続を切断しました。住基ネット稼働以来、自治体が接続を切断するのは、全国初。
 同区の田中大輔区長は同日、記者会見。住基ネットの安全確保について総務大臣に照会したが、今月10日に届いた回答は、情報提供先の国の機関に対して自治体が安全性を確保する手段がないなど、あいまいな部分があり、住基ネットの情報を利用した事務が始まる12日を前に、切断を決断するに至ったとして、「区民の情報を保護する責任がある区長として、やむをえない措置」とのべました。以下略。
 また、事前に参加しないことや接続を延期することを表明した自治体も東京杉並区、国分寺市、福島県矢祭町、三重県二見町、小俣町。また横浜市のように個人の選択制をとったところもありました。
 西宮市では住民票コードの通知を急遽普通郵便から配達記録郵便に切り替え3774万円も市長の専決処分を行っています。西宮市では7月25日市政ニュースで市民に知らせてから9月12日までの間、市民課の調べでは電話での問い合わせの内、「西宮市は住基ネットに参加するのか、なぜ不参加としないのか」が16件、「自分の情報は接続しないでほしい」が76件、「情報が漏れる不安ある」が24件、「番号の変更をしたい」228件、「受け取りを拒否する」18件その他、反対意見、情報が漏れた場合誰が責任をとるのか、プライバシーの侵害・透けて見える等が377件となっています。また住民票コード通知票を受け取り拒否、返還が371件となっています。その通知の中で多人数世帯に番号をダブって通知する等、まったく初歩的なミスまで犯しています。このようなミスや受け取り拒否は西宮市だけではなく、まるで毎日のごとく全国のものが新聞に載っています。
 なんと言っても、住基ネットの一番の問題点は個人情報が保護され、不正に使用されないという補償がまったくないという点です。コンピュター通信にはセキュリティーが深刻な問題になっていることは、コンピューターウイルス問題で私達も直面しているところです。商工会議所が出している「石垣」という雑誌には「企業の情報セキュリティーは経営トップの仕事の1つ」とし、ウィルス被害の問題を特集し続いて専門家より「コンピュータウイルスの実態と対策について」解説しています。また、昨年猛威を振るったニムダについての神戸新聞や、朝日新聞などの特集もあります。住民基本台帳ネットワークシステム推進協議会のパンフレットでは万全の対策をこうじるとしています。しかし、セキュリティー問題の専門家でもある「インフォシークジャパン」会長の伊藤穣一氏は小学館の雑誌サピオ5月22日号で「情報というのはつくると非常に危ないのです。(中略)……いまは、ネットワーク上に情報がばらまかれていて、ネットで誰かが一度掲示板に書いてしまったらバックアップをとられて、もう消すことは絶対にできない」と語っています。
 以上のような点からシステム上の個人情報の保護が万全といえないし、先の国会でも政府のよこしまな思惑を先行させ、個人情報保護法が成立していません。このような欠陥のある住基法改定であっても西宮市の個人情報保護法上接続は問題ないと当局は強弁しています。この点で東京都杉並区では「杉並区住民基本台帳に係る個人情報の保護に関する条例」を制定しています。その趣旨とし「住民基本台帳事務は、自治事務であり、住民票に記載されたデータ―の権利利益の保護を図るべき責任は区にある」としています。また、狛江市では「『基本的人権の侵害の恐れがある』とき、情報提供の一時停止等必要な措置を、条例を根拠として講じられるよう、個人情報保護条例改正案の議会上程を準備しています」。そこで質問。

  1. 実施前に4自治体が不参加を表明していること、現に中野区では切断。多数のコード番号通知受け取り拒否。プライバシー漏洩の危険性とその対策がとられていないことなどまだまだたくさんの問題があるが、市として、国に中止を申し入れるべきではないか。
  2. 西宮市としても、市民のプライバシー保護という点からも杉並区や狛江市などで取り組んでいる住基ネットによる個人情報の不正使用や、漏洩等に対して、接続が中断できるよう条例を制定するべきではないか。
  3. 西宮市では受け取り拒否が371世帯、電話での意見質問等が「番号の変更をしたい」を含めると723件にもなるが、これらは明らかに、プライバシー保護の問題や、個人に対して勝手に11桁の番号をつけること等への拒否で、住民合意が得られているとは考えられないが、市長はどのように受け止めているか。
トップへもどる
次のページへ->
 

[an error occurred while processing this directive]