上田さち子の予算反対討論(2)/* --項目挿入-- */?>
2010年03月24日
次に、反対箇所及び問題点、要望等について述べたいと思います。 第1は、財政問題についてです。 代表質問でも述べた通り、西宮市は市税収入が30億円の減となっているものの、地方交付税や臨時財政対策債で昨年に比し22億円増の補填があり、一般財源が1078億円と安定した予算構造となっています。さらに、次年度の市税収入減に備えるとして基金を30億円も残す余裕を持つ予算を組みました。また「西宮市の財政を考える(6-2)」の財政収支試算表では、平成25年・2013年度末には98億8400万円の財源不足になるとしています。日本共産党議員団は毎年の決算剰余金、20億円から30億円をまったく考慮しない財政計画であり正確ではないと指摘し続けてきました。毎年必ず出る決算剰余金を算入すると、平成21年度から25年度までの5回の決算で、少なくとも100億円以上の剰余金が見込まれ、優に財源不足は解消されます。いたずらに「財政が厳しい」と現場を萎縮させ、例えば子どもたちの教育にかかわる「学校配分予算」は、児童・生徒が大幅に増えているにもかかわらず、昨年と同額しか予算化されておらず、実質教育現場の貧困を招くものとなっていることは問題です。 財源確保という点から、未利用地、低利用地等について「包括外部監査の報告」がありました。庁内に早急にプロジェクトチームを作り、行政財産や普通財産の活用をすることを求めておきたいと思います。また、今回盤滝トンネル事業に関する兵庫県道路公社への12億1500万円の貸付問題を取り上げました。四半世紀前の貸付ですが、当時の関係書類もそろっておらず、その後の経過についての記録も不十分ということが審議を通じて明らかになりました。市民の大切な税金をほったらかしにしてはなりません。いま12億1500万円の財源があれば、市民福祉の向上にどれほど役立つでしょうか。例えば1000万円の予算があれば「住宅リフォーム助成制度」を創設し、仕事が激減している市内業者を使って住宅リフォームを行う市民に費用の1割・10万円を限度に助成すれば、100件以上の仕事起こしになり、経済波及効果は10倍以上の1億数千万円円に。一石2丁にも3丁にもなります。一刻も早く必要な資料を県道路公社に請求し、「貸した金は返済してもらい、市民のために使う」あたり前の事務の執行を求めます。 第2に、国言いなりの行政と構造改革路線についてです。 新年度も、国基準の平均で90%の保育料にするとして、今年も保育所保育料が月額・平均504円(1.75%)引き上げられます。引き上げによる増収は約3000万円で、基金のほんの一部を取崩せば値上げせずに済む額です。また、第8階層の方については3歳未満児の最高額は9800円も引き上げられます。ここには、不況の中で懸命に働く若い世帯を応援しようという姿勢はまったくなく、反対です。 また、行政経営改革という名で推し進める弱肉強食の「構造改革路線」は、西宮市では多くのワーキングプアを生み出しており、抜本的に見直すべきです。市の関係で働く人の3分の1が嘱託やアルバイト、パートなど非正規労働者、あるいは業務委託や指定管理で、働いても働いても年収が200万円にも満たない実態が広がっています。市は最低賃金さえクリアしておればそれで良しという考えですが、そのことがいまきびしく問われています。とりわけ指定管理や委託等で働く労働者が、いったい時給がいくら支払われているのか、年休は法律通りかなど闇の中です。例えば駐輪場で働く方々は、指定管理者が変わるたびに、時給が下がり、年休の繰越が帳消しになってしまうなどの実態を行政は把握しているのか等気になることが山積です。今議会一般質問でわが党の佐藤みち子議員の質問に、「公契約条例」に向けて庁内で今月末にはプロジェクトチームを立ち上げると、やっと重い腰を上げ、非正規労働者の実態把握などへの対応に乗り出すことになりましたが、しっかりと取り組み、「公契約条例」の制定と労働環境改善に取り組んでいただきたいと思います。 第3に、開発問題と市民生活についてです。 先にも申し上げました通り、2009年度に都市計画決定まで行い事業を進めるとしていた「阪神西宮駅北側駅前広場整備事業」が新年度は予算化が見送られました。今回予算化しなかったのは、景気低迷による阪神電鉄側の事情だと市は説明した通り、市民の安全確保といいながら、実は阪神電鉄の言うままに事業を推進することになっていたことが明らかです。誰が見ても阪神のために分散した土地を整形してやる「駅前広場整備」であり、この際、計画そのものを撤回すべきです。 また、県事業ではありますが、武庫川ダム計画はダムによらない「総合治水対策」へと大きく舵が切られ、阪急甲陽線地下化計画も事実上の中止となりました。これらは、長年にわたり市民運動が取り組まれ、私たち日本共産党市議団も県会議員団と連携しながら計画の撤回を求めてきただけに、市民の声が実ったものと思っています。今後は武庫川の総合治水対策を計画通り推進すること、阪急甲陽線と建石線の交差部での安全対策は県と協議し、踏み切り信号機設置などで、早急に対策をとられるよう求めておきたいと思います。 また、人口増がさまざまな形で市民生活に支障をきたすマンション開発についてですが、この4月に「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」の見直しが行われます。プレハブ教室さえ設置できればOKとする考え方で、必要な運動場の広さも基準以下となっているにもかかわらず、なお適切な規制強化をしないために、西宮の子どもたちはどれほど劣悪な教育環境の下に置かれているのかなど、今一度厳しくチェックしていただきたいと思います。同時に、教育委員会サイドだけの要綱とせず、4月になっても保育所に入れない子供が310人も出てしまう、超深刻な西宮の子育て事情も十分調査した上で、関係部局の意見も聞き、規制強化に向けた見直しをされるよう重ねて求めておきたいと思います。 ◎上田さち子の予算反対討論(1) ◎上田さち子の予算反対討論(2) ◎上田さち子の予算反対討論(3) |