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予算要望
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■健康福祉局
  1. 介護保険について
    政府は介護保険導入の目的を「家族介護から社会が支える制度へ」「在宅で安心できる介護へ」「サービスが選択できる制度へ」等と大宣伝したが、「在宅で安心できる介護」の水準には程遠く、依然として家族介護に大きく支えられているのが現実である。また特に特養ホームの待機者が1000人にものぼるなど基盤整備の遅れも深刻な事態である。
    5年目を迎え、まだ問題の山積する介護保険について以下要望する。
    1. 保険料、利用料の免除・軽減制度を国の制度として創設するよう求めること。
      また、介護給付費への国庫負担を4分の1から2分の1に引き上げるよう求めること。
    2. わが党議員団の追求もあり、2003年からの第2期介護保険料は据え置きとなった。
      基金の取りくずしをその財源としたものであるが、2003年5月現在、基金残高はなお9億1300万円ある。保険料をさらに引き下げること。
    3. 保険料の市独自減免を住民税非課税の高齢者(第3段階)まで拡大すること。
    4. 64歳以下の2号被保険者の低所得者についても保険料減免制度をつくるよう関係機関に働きかけること。
    5. 利用料は介護サービス費用の一割負担が原則となっており、必要性より支払える範囲内でのサービスしか利用できない現実がある。国の特別対策(保険実施前のホームヘルプサービス利用者に6%)や、市の独自減免、法人による減免などがあるが、不十分である。
      保険料第2段階までの高齢者に、すべてのサービスについて利用料減免制度をつくること。
    6. 介護サービス事業者が増加するにつれ、不満や苦情なども多くなっている。市では
      立ち入り調査や指導等をおこなっているが、いっそう適切なサービス提供への指導・監督に努めること。
    7. 特別養護老人ホームの待機者は1000人近くにのぼっている。当面、建設計画を前倒し
      して、計画の早期達成をめざすこと。また整備法人に対する市の建設補助を打ち切ったが、土地の無償提供も含め復活させること。
    8. ショートステイの緊急用ベッドを確保すること。
  2. 市立軽費老人ホーム「雅楽荘」をすべて個室とし、あわせて改修すること。
  3. 敬老祝い金は、もとどおり70歳以上1万円に戻すこと。
  4. 緊急通報救助機器については、希望者全員に貸与すること。
  5. 高齢者に対する外出支援策の一つである交通助成制度は、2002年度5000円の現金支給が、私鉄プリペイドカード購入時に半額を補助(限度額5000円)するものに変更され、高齢者に不評だった。2003年度からタクシー乗車にも範囲が拡大されたが、もとの現金支給に戻すこと。
  6. 福祉タクシー制度はわが党の要求もあり対象枠が広がったが、ひきつづき障害者や高齢者の外出支援策として、助成額の増額や行き先の拡大など、制度の改善をはかること。
  7. 障害者福祉支援費制度が2003年4月よりスタートした。市はほぼ円滑に制度移行ができたと評価しているが、障害者やその家族にとっては将来への不安感が強い。障害が多様化し、また人数も確実に増えているなか、以下の項目にとりくむこと。
    1. 行政の責任で計画的にサービス基盤整備に取り組むこと。特に、地域で自立した生活を送るための生活の場・活動の場(生活ホーム、通所施設)、ショートステイを増やすこと。
    2. 障害者への情報提供、相談体制などにとりくみ、サービスの充実をはかること。また政府は障害者施策を介護保険と統合して障害者からも保険料を徴収するなどを検討しているが、これ以上自己負担を増やさないよう、関係機関に求めること。
  8. 長引く不況の中で、生活保護の役割はますます重要となっている。ところが政府は2003年度に、一般家庭の生活費の7割にも満たない生活保護世帯の保護費を0.9%引き下げた。さらに政府は「老齢加算」「母子加算」の廃止など2005年から保護費減額を画策しているが、そうした計画に反対し、保護基準の引き上げを国に求めるとともに、以下の項目にとりくむこと。
    1. 生活保護法では生活に困っている人は誰でも生活保護を申請でき、条件にあっていれば、平等に受けることができることを明記している。この規定や憲法25条の具体化として、適正な事務をおこなうこと。
    2. ホームレスに対する保護適用ではNPO法人に依拠するところが大きいが、市として緊急保護センターなどを設置するなど積極的にとりくむこと。
    3. 2003年7月31日から実施要領が改正され、安定した居住のない人が「住宅の確保」のために敷金などが必要なとき、一定の条件を満たせば敷金などが支給できることとなった。「生活保護で敷金などを支給する以外に住宅の確保の方法がない」などが条件であり、この要領を柔軟に活用して住宅確保も含めた保護をおこなうこと。
    4. 面接相談員を増員し、相談者の立場にたった親身な相談をおこなうこと。
  9. 援護資金の貸付も増加の一途である。貸付限度額の増額とともに、保証人、民生委員の証明は求めないこと。
    また、県社協の生活福祉資金の貸し付けについて、条件緩和と手続きの簡素化を求めること。
  10. 母子生活支援施設は1971年建設以来32年が経過、老朽化し居住性も悪い。建てかえること。
  11. DVによる被害者を緊急に救済する、いわゆるシェルターを市内に設置すること。
  12. 名塩・生瀬地域に公的総合病院の建設を具体化すること。
  13. 保健所について
    1. 北部地域に保健所を設置し、ひきつづき保健福祉センターの増設を進めること。
    2. BSE汚染牛の新たな発覚や、市内ホテルでの相次ぐ食中毒発生など、食の安全に関しての保健所の役割はいっそう重要である。市民の信頼を得られる迅速な対応、情報公開に努めること。
    3. 原因不明の疾病であるSARSに市民の不安がある。情報公開、啓発を強めること。
  14. 幼児、児童虐待の防止、早期発見に関係機関での情報交換や、市民への啓発などに取り組んでいるが、さらに連携しとりくみを強めること。また被虐待児の緊急保護センターを市内に設置すること。
  15. 少子化対策は国の将来にとっても重要な課題である。次世代育成基本法では2003年度中にニーズ調査を実施し、2005年には自治体として行動計画を策定することが決められている。少子化は子育て支援策の不足だけが原因ではなく、男女共の「働かされ方」や、経済的支援の不足などもあげられる。調査、計画策定にあたっては、原因の分析にたった、全庁的、総合的なとりくみとすること。
  16. 保育所について
    1. 2004年から2006年までの待機児童解消計画が示されているが、年度ごとに待機児童の状況を見極め、対策をとること。
    2. 保育料を引き下げるとともに、減免制度を拡充すること。
    3. 延長保育をすべての保育所でおこなうこと。
    4. 障害児保育もすべての保育所で実施すること。
    5. 病時・病後保育を実施すること。
    6. 産休あけ保育を公立保育所で実施すること。
    7. 施設の計画的な改修をおこなうこと。特に保育室へのエアコン設置を急ぐこと。
    8. 給食は業者委託はやめ、全食自園調理とすること。
    9. 定員の弾力化で給食数が増加し、またアレルギー除去食への対応などで給食調理員の過重負担がある。給食内容をいっそう充実させるため調理員の増員をはかること。
    10. 公立保育所の民営化は今後絶対におこなわないこと。
    11. 民間保育所の保育内容、保育士の労働条件などを市はよく掌握し、適切な指導をおこなうこと。
  17. 家庭保育所について
    1. 家庭保育所は、公立保育所でおこなっていない産休あけ保育を担い、市の保育行政のなかで重要な役割を果たしている。市は運営助成費や保育補助者助成費の年間通じての満額支給や、水光熱費の全額支給などをおこない、家庭保育所の運営改善に責任を果たすこと。
    2. 保育所待機児童解消のために、たけのこ家庭保育所など条件のある保育所で定員増をおこなうこと。
    3. 現在保護者負担になっている給食や延長保育に助成をおこなうこと。
    4. 公私立保育所に兄弟を預けている家庭にも第2子以降の減免制度を適用すること。
    5. 家庭保育所卒園児を希望の保育所に入所させること。
  18. 家庭保育所のいくつかが認可化、法人設立をめざし、運動に取り組んでいる。その果たしてきた役割に見合う市の支援が求められている。待機児童解消を急ぐとして、上大市、今津山中町で運営する募集法人に対しては、土地の無償提供や建設補助などの支援をおこなうとしているが、これら法人化をめざす家庭保育所にも同様の支援をおこなうこと。
  19. 学童保育(育成センター)について
    1. 不況が長引き、幾多の負担増を強いられている市民に対し、育成料の値上げはおこなわないこと。
    2. 春・夏・冬休みの開所時間は午前8時からとすること。
    3. 入所児童の増加が予想される夙川、広田、山口などについて定員増や施設増改築にとりくむこと。
    4. 障害児をもつ共働き家庭にとって、4年生から安心して預ける所がない問題は深刻である。4年生以上の障害児を育成センターで受け入れること。
    5. スロープや身障者用トイレなど施設のバリアフリー化を急ぐこと。
    6. 高学年学童を自主運営している父母団体に補助制度をつくること。
  20. 総合福祉センターは市の福祉活動において重要な役割を果たしているが、洋式トイレの不足など、施設設備の面では遅れが目立つ。利用者の声もきいて改善にとりくむこと。
  21. わかば園について
    1. 近年の障害児の増加で、わかば園では本来の肢体不自由児の療育だけでなく精神発達障害児の療育も引き受けている。現在医師1名の配置だが専門医を増員すること。
    2. 施設が老朽化し、大変手狭となっている。改築すること。
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