目次に戻る->
■都市局
都市計画では、本来西宮市をどんなまちにするのかの明確なビジョンや民間事業者をも強力な指導するリーダーシップが求められる。ところが、市では震災後各種の規制を緩和し、大型マンションの開発を野放しにしてきたために、学校や保育所、高齢者施設などが不足し、市民生活に大きな不安を与えるほど人口が急増している。また阪急西宮北口南西部では、芸術文化ゾーンと銘打ちながら、およそ文化とは縁遠いパチンコ店出店や阪急電鉄(株)のマンション開発を追認するずさんなまちづくりとなった。
こうした事態に至った無計画さを十分反省し、文教住宅都市にふさわしい都市計画をおこなうこと。
大規模マンション等の開発について、2005年4月施行の「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」により、一定の開発抑制策をとるとしたものの、実効果はあがっていない。現在同要綱は教育環境保全(学校施設の不足)に着目したものであるが、良好な生活環境保全に配慮するなら、これ以上のマンションは必要ではない。開発を規制する条例をつくること。
新年度は用途地域等の指定を見直すこととなっている。たとえば商業地地域や、準工業地域で住宅が多くを占めるなど、土地利用の現況と用途地域とが大きくかけ離れた地区では、住環境を守る方向で見直すこと。また、文教住宅都市にふさわしいまちづくりを進めるために、建築物の容積、高さなどを規制すること。
阪急西宮スタジアム跡地については、阪急の巨大商業施設構想が発表されたものの、本格的な計画はまだ未公表である。西宮市内にこれ以上の大規模商業床は必要でないとする市民や議会の声を反映させるとともに、西宮市の中心地のまちづくりとして市は主体性をもってかかわり、県や事業者と十分協議し、情報を広く公開すること。また、利用計画が決まるまでの間、スポーツができる広場として、阪急の協力も得て市民に開放すること。
阪急西宮北口駅南地区土地区画整理事業のなかで頓挫していた阪急今津南線の高架化事業だが、第3次総合計画実施計画で2008年度までに着手するとしている。事業費も高架化で4億4000万円、関連の球場前線東伸等で16億4000万円をあげ、阪急電鉄とも協議を進めるなど、その具体化が進められている。
財政難をいい、高齢者や障害者の施策をきりすてる第3次「行革」を進めるなかで、他の踏み切りと比較してもこの踏み切りの高架化は必要性・緊急性に乏しく、阪急スタジアム跡地開発の便宜を図るものといわれても仕方がない。この取り組みは中止すること。
開発指導について
「開発事業等におけるまちづくりに関する条例」(以下開発条例という)の運用では、圧倒的な専門知識と経験を持つ事業者に対し、市民はあまりに非力であることから、住民協議に際して市は親身に援助し、市民の立場に立った指導に徹すること。
近隣住民協議が終了したとする、標識記載写真報告(いわゆる朱書き)は事業者側の一方的な申し出によるのではなく、住民の意見も聞き総合的に判断すること。
あっせんや調停の紛争調整にいたった例のなかには、協議中に合意に至ったものまでご破算にしてしまう事業者がいるが、これでは何のための協議・指導かが問われることになる。こうしたことのないよう指導すること。
開発条例では「開発区域に接する道路は6m(中心点より3m後退)に拡幅すること」と規定しているが、開発地に接続する道路で開発区域外の道路についてはまったく規制がなく、4m以上の道路であれば開発を認めている。これはまちづくりという観点からも矛盾している。その結果、工事用車両はもとより、消防車両(はしご車等)の通行も制限され、近隣住民に多大な被害がおよんでくる。地域外の道路についても最低6mを確保するよう行政指導を強めるとともに、それができない場合は開発を認めないこと。
地球温暖化対策の一環として、建物の屋上や壁面の緑化を推進すること。また、雨水の活用では、マンション敷地や戸建て住宅敷地内に雨水貯留槽設置を促進するよう指導すること。
過剰なマンション建設を規制し、良好な住環境を保全するためにも開発条例、同施行規則で次の諸点を改正すること。
10戸以上のマンションを建設(第1種中高層住居専用地域)する場合には、その敷地は1戸あたり50平米以上要すること。
建築基準法で容積率の対象外となっているマンションの居住室以外の廊下・階段室・駐車場などについても学校・事務所と同等の容積率内に収めるよう規定すること。
急傾斜地における地下マンションについては、緑地保全や地域環境保全のために、政令による条例化については、許可条件は第一地盤面までとすること。
一定規模以上の開発については、公園、教育施設などの公共施設整備のための土地や協力金の提供を求めること。
区画整理事業について
阪急西宮北口駅南地区土地区画整理事業
サティが撤退したが、芸文街区の一角であり跡地利用については、市としても整合性をもったものになるよう指導すること。
阪急西宮北口駅北東地区土地区画整理事業
仮換地指定に対する行政不服審査請求件数があと13件となっている。最後まで該当者の意見を聞き、円満解決をはかること。
移転補償、仮換地指定ともに97%まで進捗しており、あとは精算事務に入る。精算金の徴収については権利者の要望を取り入れて進めること。
JR西宮駅南再開発ビル(フレンテ)の管理会社・西宮都市管理株式会社に対し市は2000年度から毎年約11億円(00年11億5000万、05年10億8000万円)の貸付を行なっているが、ただちにとりやめること。管理会社の経営については当の企業が責任を持つのが当然であり、支援が必要であれば出資企業にも応分の負担を求めること。特に、管理会社所有の駐車場床を市がどんな名目を持ってしても購入しないこと。
西宮浜では大橋を渡らなければならないなど、特殊な地域環境がある。若い世代の入居者も多く既存の幼稚園、保育所はすでに満員、買い物施設など公共公益施設や商業施設が不足している。また、高齢者も多いまちとしてその実態に見合った施設を民間任せでなくまちづくりとして市が主体性を持って充実させること。
都市再生機構の西宮名塩ニュータウン開発では土地利用計画を変更し、小、中学校用地他を住宅用地に転換させるなど、将来の人口計画が大きく変更する要素もあり、取り返しのつかない事態が懸念される。これまでに斜行エレベーターの市への引継ぎや、住宅も建っていない場所に名塩北公園を設置し、その管理が今後市に移管するなど、無責任なまちづくりが目にあまるが、これ以上安易に市が財政負担を負うことのないようにすること。
生産緑地は、緑地の保全や災害時の避難場所等の役割を果たしている。都市部での生産緑地保全を営農家だけにまかせるのではなく、市としても都市政策の立場から、必要な手だてをとること。また、要望があれば追加指定をすること。
12、交通バリアフリー法に沿った駅改善については、阪急・阪神国道駅、阪神・甲子園駅、JR甲子園口駅が残されている。早急にエレベーター、エスカレーターを設置するよう引き続き電鉄会社に強く要求すること。
特にJR甲子園口駅は具体案がJRや県から示されている。早急に実現させるよう強く働きかけること。また、市の補助要綱では、エレベーター1基につき1億5000万円(市はこの6分の1)と上限を設定しているが、この上限額を撤廃しさまざまなケースに対応できるようにすること。
バス運行について以下のことを、関係会社に働きかけること。
阪急バス愛宕山路線の増便や仁川路線を新設すること。
北部地域のバス路線の新設、充実をはかること。
市民要望の強い南部地域から白水峡へのバス路線は、彼岸と盆に臨時運行されるようになった。さらに、定時運行を行なうこと。
北部と南部を結ぶ南北バスとコミュニティ (地域巡回)バスを求める声と運動が西宮でも大きく広がっている。市内の公共施設や病院などを巡回することによって、特に高齢者や子育て世代の日常生活の質が高まることが期待されている。
現在市では庁内検討委員会がもうけられ調査、検討が進められている。コミュニティバスは、いわゆる交通困難地域と要望の強い地域での実施について2005年度中に方向性を出すとしている。また、南北バスについては実現の可能性を検討し2008年度までの実施計画に盛り込むとしているが、新年度にはいづれも試行運行し、早期本格実施をめざすこと。
JR夙川駅新設により交通量の増大や騒音が懸念され、駐車・駐輪問題など周辺住民の不安の声が解消されていない。また、タクシーや乗用車の待合スペース等駅前広場の確保もなく事業が進められている。地域住民の意見をよく聞きJRにも応分の負担を求めて周辺環境対策を講じること。
住宅市街地総合整備事業の適用を受けて浜甲子園団地の建替え事業が行なわれ、先工区では2005年10月より入居が始まった。家賃が高くなり現居住者が戻れない事態も生まれており、安心して住み続けられるようさまざまな配慮を行うとともに、建替えによる余剰土地の活用については、景観や周辺環境に配慮するよう市としての指導を行うこと。
市営住宅について
市営住宅の管理については指定管理者制度を導入し、今後2年間は非公募とし現在の都市整備公社に指定予定としている。公営住宅法等によって市が直接管理することが望ましい業務、一体的におこなうことが効果的な業務(家賃・入居決定や家賃収納業務等)は、今回公社の業務から市の直接業務に移行する。公社が管理する業務は、市業務の補助と、清掃など再委託でおこなわれており、公社を介する必要性がない。よって、2年後の見直しにおいては、個人情報保護や福祉の観点から、市の直営管理とすること。
住宅応募者が年々増加してきており、2002年6月に策定した「西宮市営住宅ストック総合活用計画」では、市民の要望にこたえられない。計画を前倒しにし、長田町用地での早期建設や、木造住宅用途廃止後の建替等早期に具体化すること。また、武庫川団地など(都市再生機構の賃貸住宅)や民間住宅を借り上げて、市営住宅として市民に提供すること。
空き家募集を随時行ない、住宅困窮者の要望に応えること。その際以前行なっていた「落選回数の多い者の優先」を復活させること。また、特定目的(障害者、老人、母子家庭等)の募集戸数を増やすこと。
高齢者や障害者に使いやすい住宅となるよう、エレベーターがない住宅に早急に設置すること。その際、入居者全員の合意形成を待つのではなく、バリアフリーの観点から市の主体性を発揮して積極的に進めること。
改良住宅ではエレベーターの電気代、散水用の水道代などは公費負担となっている。他の住宅も同様の扱いとすること。
ふすま等の改修は、住宅によって改修期間の相違がある。期間の短いほうに早急に基準をそろえること。
災害公営住宅などに設置した駐車場が余っている。近隣地域からの利用要請など調査し、有効活用をはかること。
不正入居者、住宅明渡し義務者に該当する高額所得者については、市が主体性を持って期限を切って明け渡しを迫るなど断固とした態度で対処すること。公務員で該当する者については早期に退去させること。万一、市職員で該当者がいる場合は公表すること。
市営住宅、店舗、駐車場の使用料滞納対策については、所得状況などから生活保護等、他の制度につなげる努力を健康福祉局と連携して行なうとともに、収入申告をしておれば減免対象となり、支払える可能性のあるものも見受けられることから、市としても適正な指導を強化すること。また、徴収猶予の基準が生活困窮者の実態に合わない例も多い。基準を見直すこと。
特定優良賃貸住宅(西宮タイアップ住宅)は、空き家率が高くなり、公社の家賃負担が大幅に増えている。補助額を増額して家賃を引き下げ、家賃アップ率についても抑制し入居者の負担を軽減し、入居率を向上させること。また公社が家賃補填している空き家については市営住宅として借り上げ、有効活用をはかること。
新築住宅は増加しているものの、青年や高齢者をはじめとする低所得者層での住宅困窮者も増加の一途である。民間賃貸住宅家賃補助制度を創設し、支援すること。
都市局所管の住宅改造助成制度については、介護保険認定者を対象とした制度もあって非常にわかりにくい。バリアフリーのための住宅改造を行う市民が、よりわかりやすく利用しやすいように制度の改善を行うとともに、施工事業者の事務の簡素化も進めること。また県に対し制度を廃止しないよう求めること。
震災から10年になるが、住宅の耐震化が進んでいない。現在、耐震診断に補助制度はあるが、補強が必要なときに何の補助も無いことがその原因のひとつとなっている。個人住宅の耐震化を促進する意味から、市として「耐震推進住宅リフォーム制度」を創設し支援すること。
区分所有法に基づく分譲マンションが市内に多く建設されている。管理問題や、修繕の長期計画策定などの相談窓口を市として設け、居住者に対するサービスを行うこと。
目次に戻る->
<-前のページへ
次のページへ->
(c)日本共産党西宮市会議員団 2002-2006