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予算要望
■2007年予算要望書
・はじめに ・震災対策 ・総合企画局 ・総務局
・消防局 ・水道局 ・市民局 ・教育委員会
・健康福祉局 ・環境局 ・中央病院 ・都市局
・土木局 ・議会    

はじめに

10月9日午前、北朝鮮は国際社会が協力してすすめる平和への努力をふみにじり、核実験を強行しました。日本共産党はこの暴挙にきびしく抗議するとともに、国際社会が一致団結して平和的・外交的に対応することを求める立場を明らかにしました。日本は唯一の被爆国として、全世界からの核廃絶を進めるイニシャチブをとるべきであり、この機に乗じて核武装論議など絶対許してはならないことです。平和非核宣言都市・西宮市としても、核廃絶の世論の先頭にたつことを求めます。
このほど小泉政治を継承するとして安倍自・公政権がスタートしました。小泉政治とは、靖国神社参拝を繰り返し、侵略戦争を正当化するとともに、アメリカ言いなり、大企業中心主義の政治を進め、外交でも内政でも日本の前途を真っ暗にした5年半でした。 
この結果、国民のあいだに社会的格差を広げ、弱者を切り捨てる政治が進められたのです。このような悪政を継承する安倍首相は、総裁選で憲法「改正」と教育基本法「改正」、さらには消費税率引き上げまで打ち出しており、小泉政治以上に危険な内閣といわなければなりません。
このような中、西宮市は「第3次行財政改善実施計画」で、国と同様に高齢者や障害者などを狙い撃ちにした悪政を強行しています。計画の根拠とした「財政問題」は、2008年度末で321億円の財源不足としていたものを、わが党が指摘していた毎年の決算剰余金を反映させる等で、財政不足額を約51億円に修正するなど、西宮市が作成した「財政収支試算表」の破綻が明確となりました。このことからも「第3次行財政改善実施計画」はただちに中止するとともに、市民福祉金など福祉や教育の施策を復活させ、地方自治体本来の役割である、市民福祉の増進に市政を転換させるべきです。
日本共産党市議団は、この間多くの団体や個人の方々と懇談をし、市政に対する要望をお聞きしてきました。それらを取りまとめ「2007年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書」を作成しました。ぜひとも新年度の西宮市予算編成にあたっては、市民の切実な声をくみ上げ、具体的に反映されるよう申し入れます。 

震災対策

  1. 被災者の生活保障について
    阪神・淡路大震災から11年。この間も地震や台風などの自然災害は後を絶たず、そのたびに甚大な被害がひろがっている。日本共産党は政府の責任で被災者の生活と住宅再建の補償をと幅広い住民とねばり強く運動を進めてきた。その結果、被災者生活再建支援法ができ、2004年3月の第159国会で改正された。その中身は現行の支援金に加え、住宅再建等に要する経費について最高200万円支援を行なう居住安定支援制度が創設され、支援金は300万円に引き上げられた。しかし、支給要件や対象などすべての被災者の生活再建の具体策が欠落しているし、補償額も実態に合わない。このことは一昨年の台風被害でも明らかになった。兵庫県ではこの不足部分を補う「居住安定支援制度補完事業」を創設したが、まだ給付金額が不十分である。このような点から被災者生活支援法の見直しが急務である。そこで、以下の項目について早急な見直しを、(1)から(4)については国に、(5)は県に要望すること。
    1. 居住安定支援制度は不十分であり、支給対象に建築費、補修費などを追加すること。
    2. 被災者生活再建支援法を阪神・淡路大震災の被災者にも支援措置を講じること。
    3. 生活再建支援の対象にもっぱらその業を生活の基盤としている中小の店舗や工場等の事業所も加えること。
    4. 被災者生活再建支援金は、当面の生活維持や住宅再建を含む生活基盤回復に最低限必要なものとして、1000万円を上限として支給できるようにすること。また、きびしい所得制限、年齢制限などを撤廃すること。
    5. 居住安定支援制度を補完するものとして兵庫県独自の事業があるが京都府等と比べても金額が少ないので、増額すること。
  2. 災害援護資金貸付金については、小額でも返済できるようになったが、この貸付は一定の所得以下の世帯に限っているという点から次の措置を引き続きとること。
    1. 借りた本人が破産したときは特例措置として相続人や保証人に返済を求めないこと。又、小額返済者について、無理な増額は求めないこと。
    2. 返済中の世帯が失業や疾病など所得が著しく減少した場合には実態を十分把握して柔軟に対応すること。
    3. 2006年1月に、災害弔慰金の支給等に関する法令施行令の一部改正が公布され、市から県・国への償還期限が5年間延長されたが、支払猶予や小額返済などですべての貸付金が市に返済されるものではない。この「未償還金」については国への償還の猶予を引き続き求めること。
  3. 中小企業向けの地震災害特別融資は据え置き期間、融資期間が再々延長されてきたが、震災10年ということで延長が打ち切られた。長引く不況で借り受け人の返済困難が続いている。実効ある対応策をとること。
  4. 災害復興住宅の家賃減免は5年間延長されたが、震災10年で打ち切られ一般減免に移行している。この中で特に高齢者を狙い撃ちにした税制改悪の影響で、家賃の引き上げの事例も出ているので、市独自の軽減策をとること。 

総合企画局

  1. 小泉「構造改革」の5年間で、格差と貧困が広がり、わが党議員団が実施した市民アンケートでも以前に比べて生活が悪くなったと答えた市民は71%にもなっている。 
     今こそ西宮市は、地域住民の福祉の増進をはかるという地方自治体本来の役割を発揮すべきである。
    しかし市は、高齢者、障害者、低所得者福祉を切り捨て、市民福祉金の廃止、幼稚園保育料の引き上げ、公民館使用料の減免廃止など、ひとことで言えば弱者切捨ての非情な「第3次西宮市行財政改善実施計画」を強行してきた。その根拠として当面2008年度までの収支試算をおこない「このままでは赤字再建団体に転落する」としていたが、現時点では目標値を上回る「行財効果」と「増税」で08年度の財源不足額は51億円にまで縮小している。
    また2004年度からは「行政を経営する」という「行政経営改革」に取り組んでいる。
    これは民間の手法=利潤、効率優先の考えで、行政に対する満足度も金次第というおよそ住民の福祉と暮らしを守るという地方自治体の本来の役割とまったく相反するやり方である。
    そもそも「財政難」の原因は震災復興を口実にして強引に進めた大型開発によって膨大な借金を抱えたことにある。西宮市はこのことから深い教訓を汲み取るべきである。その観点から以下のことを求める。
    1. 当局は「行政経営改革」によって「限られた経営資源の下でも、その効果的な配分により、市民満足度の高い行政サービスの提供」ができるとしている。
       しかし、その実態は非効率的なことや、「採算性」の合わないことはどんどん切り捨てるというもので、市役所を儲け本位の株式会社のようにするものである。福祉や暮らしを守るという地方自治体本来の役割を発揮するよう施政方針を転換すること。
    2. 今日の財政危機の真の原因が震災復興を口実にした大型開発にあることは明白であり、このことを真摯に反省し、西宮市自ら生み出した財政難を安易に市民に転嫁し、暮らし、福祉を直撃する「第3次西宮市行財政改善実施計画」は直ちに撤回すること。
    3. 「市場化テスト法」が成立したが、地方自治体が実施するかどうかは各自治体の判断である。当面対象とされている事務は戸籍謄本、納税証明書、住民票等の「交付の請求の受付及びその引渡し」となっており、いずれも住民が最も秘匿したいプライバシーにかかわるものであり、「市場化テスト」は導入しないこと。
    4. 市長の退職金は20パーセント削減されたが、市民感覚とはまだまだかけ離れている。廃止すること。
    5. 削減した市民の暮らし、福祉、教育の予算充実のため、今後予定している不要不急の大型公共事業は行なわないこと。
  2. 西宮市の推計人口は10月1日現在471,573人となっている。震災前より47,003人(11%)増となっている。これは第3次総合計画の人口予測をはるかに上回っている。
    市は「50万人程度までが本市人口規模のひとつの目安」としているが、人口増をただ単に町のにぎわいとして喜ぶわけにはいかない。人口増の原因はマンション建設の規制を緩和したことにあるのは明白である。その結果、学校の教室不足や公立幼稚園や保育所に入園・入所できない事態が起こり深刻な問題となっている。一方で幼稚園の廃園など年齢構成を含め人口密度にアンバランスが生じている。西宮市が文教住宅都市を掲げる以上このような不均衡や市民生活に支障を来たす事態をなくすため、各種施設などを早急に整備し、これ以上の人口増につながる施策をとらないこと。
  3. 第4次西宮市総合計画について
    1. 総合計画は、「長期的なまちづくりの基本方向と、事業、施策を総合的、計画的に示すもので、市政の指針となるものである。同時に、市民、事業者に長期的なまちづくりの目標を示し、望ましい方向へとその諸活動を導くものである。」として、基本構想、基本計画、実施計画によって構成される最も重要な計画である。新年度は第4次西宮市総合計画(2009〜2018年度)の策定に、本格的に着手することとなる。現計画である第3次総合計画(1999〜2008年度)は、人口予測をはじめ、財政計画でも、策定時から大きく狂いが生じ、実施計画を毎年ローリングするとしたが、破綻は明確となり、早期に見直しをしなければならなくなるなど、市民生活に悪影響を及ぼした。次期計画策定にあたっては、その教訓を明らかにするとともに、それを活かし、正確な計画を策定すること。
    2. 市素案策定にあたっては、市民の声をしっかり反映し、市民密着型のくらし、福祉、教育を優先すること。
    3. 審議会の設置にあたっては、公募による市民代表も入れること。
  4. 西宮市は、2008年4月中核市への移行をめざしている。全国の中核市の事例について、調査するとともに、市としてのメリット、デメリットも明らかにし、市民の意見をよく聞くこと。また、児童相談所が設置できるよう調査研究をすること
  5. 公の施設の一部が指定管理者制度に移行されたが、公募によるものと非公募によるもの、また非公募のなかでも後年に公募を検討するものがある。
    1. 真に住民サービスの向上、公的責任を果たすという観点から、現在直営のものは引き続き直営とすること。
    2. 福祉・教育施設や個人情報を多岐にわたって取り扱う施設については、直営に戻すこと。
    3. 外郭団体等が指定管理者となっているもので、後年公募にするものがあるが、安易に民間の経営理論を優先させるのではなく、公的性格を保持し、住民奉仕を旨とする点から非公募とすること。また、労働者の雇用条件は現行を切り下げないこと。
  6. 男女共同参画センター(ウェーブ)が男女共同参画社会の実現に向けての学習や交流の場となるよう次のことを実施すること。
    1. 男女共同参画とは男女の差別なくあらゆる面において男女が平等で、かつ男女の性差にとらわれず、真に男女平等の社会を実現しようというものであり憲法24条に基づくものである。ところが一部マスコミや政治勢力のなかに、このような男女共同参画を後退させるような動きがある。その背景には憲法を改悪する動きとあい呼応しているが、すべての公務員は憲法を尊重し擁護する義務があり、この立場にたって男女共同参画=ジェンダーフリー施策を進め、同時に啓蒙を強力にすすめること。
    2. 夜間・休日は外部委託の管理会社職員が対応しているために利用申し込みもできないなど、登録グループ等の活動に支障をきたしている。夜間・休日にも利用申し込みができるよう職員の勤務時間の変更も含めて具体化すること。
    3. 市民参画(登録グループ)で企画、運営している講座や講演会(いきいきフェスタ)の予算は1企画あたり2万円程度であまりにも少ない。各グループが十分な活動ができるよう予算を増額すること。また、自主性を尊重し、行政が不当な介入を行なわないこと。
    4. 登録グループ、団体が設置目的に沿って日常的に使用する場合、減免があるとはいえ原則有料となっている。使用料は原則無料とすること。
    5. DVや児童虐待、職場での差別、セクシャルハラスメントなど多種多様な女性の悩みに気軽に相談できるよう夜間にも面接、電話相談できるように職員配置を行なうこと。
  7. 西宮市の事務職員のなかで女性管理職係長以上の占める割合は2006年4月1日現在23.4%で2年前と比べて9.3ポイントも低下している。そのため男女の比率は3対1となっている。特に30代女性職員における管理職の割合は90%で、同様の男性管理職率26.9%に比べてその格差がますます広がっている。当局は「子育て中」をその理由にしているが、これこそ男女共同参画に反することである。このような庁内の実態を調査、研究して改善するよう積極的な役割を果たすこと。また、市内の事業所についても実態調査などして公表すること。
  8. 市民だれもが自由に文化を創造し享受できるよう、以下の施策に取り組むこと。
    1. 市として市内の芸術文化団体を育成、支援すること。
    2. 市民が低廉な料金で文化・芸術の鑑賞ができるよう助成制度をつくること。
    3. フレンテ西宮やプレラにしのみやは、ホールの使用料が高いうえに映画上映に際しては映写機等の使用料も高い。文教住宅都市であり、市民文化向上の観点からも市内の個人や団体が非営利で文化活動をするときは、減免できるようにすること。
  9. 第159国会で米軍の海外での戦争に自衛隊を参戦させ、自治体や民間企業、国民を動員する有事関連法が強行成立した。この法律は戦力不保持、交戦権放棄をうたった憲法9条に明らかに反するものである。平和非核都市宣言市として次のことを行なうこと。
    1. 政府に有事関連法の撤回を申し入れること。
    2. 「国民保護計画」の策定にあたっては、地方自治体として憲法を遵守する立場と平和非核都市宣言市の立場を堅持すること。
    3. 訓練等については市民に強制することがないよう、関係団体、市民に通知徹底すること。
  10. 平和行政の一環として市役所前の公園を平和公園と位置づけること。
  11. 平和資料館は面積が狭小で十分その機能が果たせていないので、移転も含めて拡張すること。またそれまでの間、日本の近現代史についての関心が大きく高まっている現状からも、展示については戦争に至った経過、日本の加害の事実や戦時下での市民の不自由な暮らしなどがわかるよう改善すること。
  12. 議員互助会への補助金支給は、市として主体性をもち、直ちに廃止すること。  

総務局

  1. 「骨太の方針2006」では「国と地方の役割分担の見直し」「国の関与・国庫補助負担金の廃止・縮小等を図る」として地方交付税削減を明らかにしている。これを受け総務省は、地方税率のフラット化等による増収分を見込み、2007年度の概算要求で地方交付税を前年度比2.5パーセント減の15兆5,101億円としている。
    このようななか、9月の臨時国会で新たに発足した安倍内閣は就任最初の会見で「構造改革を加速させ補強していきたい」と語ったように、弱肉強食で格差を未曾有に広げた小泉「構造改革」を強行に推進しようとしており、福祉や教育分野にねらいをさだめた国庫補助負担金の削減と、地方交付税の縮減が明らかとなっている。これらにより地方自治体の財源保障機能が破壊され、さらに、移譲する税源を消費税増税に求めようとするなど許されない。
    政府に対して、@税源移譲等による地方税財源の充実強化 A地方交付税の財源保障機能と財政調整機能の堅持、充実 B国民の基本的権利を保障しなければならない国の責任を後退させ、地方へ財源負担を転嫁する国庫補助負担金の廃止・縮減に反対の3点を強力に申し入れるとともに、全国市長会にも提言すること。
  2. 西宮市は、財政収支試算表を根拠として、ことあるごとに「財政危機」を強調して市民にがまんを強いている。ところがその財政収支試算は、収入を意図的に低く見積もり、支出は多く見積もるというものである。たとえば市税では試算より118億1,800万円の増額、反対に投資的経費は減少している。この結果、財源不足額では08年度末163億9,200万円(05年2月現在)としていたものが、70億5,500万円(06年2月現在)に大幅に減少。さらに毎年20億から30億円も発生する決算剰余金を試算表に反映させれば、2008年度末の財源不足額は解消され、黒字となることは必至である。
    このような状況から市長は9月議会の開会あいさつで、財政改善を認める発言をせざるを得なくなった。もはや、「赤字再建団体転落」という名目は実質根拠がないことがはっきりした。
    今後において財政危機を煽るための財政収支試算表はつくらないこと。
    また、いまだに「赤字再建団体へ転落する」という職員もおり、市職員には正確な財政状況を徹底すること。
  3. 小泉自・公内閣によって税制改悪が行なわれ、特に年金生活者は給付額が引き下げられる一方で老年者控除の廃止や年金課税強化などで、個人市県民税が数倍から十数倍に引き上げられた市民が続出している。さらに2007年度からはいわゆる地方税のフラット化が行なわれ、低所得者の市民税率が3パーセントから6パーセントに引き上げられる。そこで、以下のことに取り組むこと。
    1. 現在強行されている税制改悪の中止・見直しと、今後計画されている改悪についても凍結するよう、国に求めること。
    2. これ以上の消費税率引き上げについては、絶対行なわないよう、強く国に要請すること。
    3. 今回の税制改悪で急激な増税となった高齢者世帯に対して、市独自の市民税減免措置を創設すること。
    4. 税の軽減化として、障害者控除や寡婦控除などがあるが、申告漏れがないよう積極的に周知徹底すること。 
    5. 介護保険、福祉医療助成制度等個人市民税額を根拠とした料金制度や所得制限等があるが、地方税率の引き上げによって収入は変わらないのに料金が引き上げられたり、制度の適用が受けられなくなっている。このような矛盾を解決するため市独自の補助制度を創設すること。
  4. 1994年度から1999年度に借り入れた政府資金による既発債について、高利率地方債の借り換え(利下げ)および、地方債残高の償還期限の延長等、条件変更について可能となるよう法令の改正を国に要望すること。
  5. 随意契約については慣例的に行なわれているのも見受けられる。そのため契約価格が高止まりとなっている。地方自治法に基づき厳格に行なうこと。
  6. 市発注の公共事業は、市民生活の向上と地元中小零細企業の育成の観点からも生活密着型に切り替え、以下の施策にとりくむこと。
    1. 市発注の公共事業のうち、金額での発注率を中小企業むけに引き続き75%以上とすること。
    2. 工事の指名競争入札参加資格が経営事項審査結果通知書の総合評点にもとづいて行なわれるようになったが、特に中小企業については市内に本店を有する市内業者を優先すること。
    3. 公共工事、物品購入、委託等については、分離分割発注し、市内中小業者を優先すること。
    4. 特定業者との癒着につながりやすく、受注の独占化になりかねない一括単価契約はやめること。
    5. 工事の元請け業者が下請け業者をつかう場合には、「公共工事適正化法」及び付帯決議にもとづき、元請、下請けの契約書と支払い領収書の提出を引き続き元請けに求めること。
    6. 「公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保に関する意見書」を議会は採択したが、これにもとづき市として「公契約条例」を制定すること。
    7. 市発注の一定金額以下の工事等に、市の競争入札参加資格のない市内業者に直接発注する「小規模工事等契約希望者登録制度」がはじまった。制度の活用を広く庁内に徹底し、市全体として、中小業者の仕事づくりを進めること。また、金額については当面50万円までに引き上げること。
  7. 市からの工事、管理、委託などすべての受注業者に対して労働組合法など労働三法を契約書に明記し、遵守するよう周知徹底すること。
  8. 地価が上昇しているといわれているが、市民の暮らしは引き続き厳しい状況がある。固定資産税を引き下げること。
  9. 戸建住宅であれば、私道でも固定資産税減免の制度がある。一方分譲マンション内の同様の通路には適用がなく不公平な扱いとなっている。公道につながる敷地内通路を公衆用道路あつかいとし、免除対象とするなど課税の見直しを行なうこと。
  10. 都市計画税の税率を0.3%から0.2%に引き下げること。
  11. 悪質な大手企業の市税等の滞納については厳しく指導し、早急に回収すること。
  12. 土地開発公社がかかえている土地は2006年3月末時点で、約15万5,951平方メートル、取得金額は173億1,557万8,296円(うち、甲子園浜下水道用地117億7,900万円)となっている。
    1. 公社保有の処分困難な用地(上大市4丁目、高畑町等)については福祉施設など広く市民に役立つ施設の用地に活用するなど早急に結論を出すこと。
    2. 甲子園浜の下水処理場(甲子園浜浄化センター)の未利用地の第3次処理用地13haのうち高度処理場用地としては7.3haとなった。残る5.6haの土地利用については庁内の委員会だけで決めるのではなく、広く市民の声を聞き有効活用すること。
  13. 西宮市は第3次行財政改善実施計画によって2008年度までに250名の職員を削減するとしているが、消防職員は緩和された国基準以下であり、福祉・暮らしや教育などの市民サービスにも支障をきたしてはならない。職員は単純に減らせばよいという観点ではなく「全体の奉仕者」としてあくまで住民サービスを担うという観点から適正配置を行うこと。
  14. 職員人事について
    1. 職員の能力や指導力に応じた適材、適所で公平、公正に行なうこと。また、労働組合活動を理由とした昇進、配置などの差別は絶対行なわないこと。
    2. 西宮市の事務職員のなかで女性管理職(係長級以上)の占める割合は2006年4月1日現在23.4%で2年前と比べて9.3ポイントも低下している。そのため男女の比率は3対1となっている。特に30代女性職員における管理職の割合は9%で、同年代の男性管理職率26.9%に比べてその格差がますます広がっている。当局は「子育て中」をその理由にしているが、これこそ男女共同参画に反することである。このような庁内の実態を調査、研究して改善するよう積極的な役割を果たすこと。また、市内の事業所についても実態調査などして公表すること。
    3. 障害のある人の雇用を広げすすめること。特に視力障害者の採用についてはまったく積極性にかけている。コンピューター化が進んでいるなかで民間職場ではコールセンターで活躍している視覚障害者もいる。早急に職域の開発を行なうこと。
    4. すべての職員に研修の機会を均等に与えること。
    5. 2007年度には団塊の世代が定年退職するいわゆる「2007年問題」がある。なかでも管理職の相当数が退職することになるので、後進の人材育成などを今から進め、市民サービスに影響が出ないようにすること。
    6. 職員の在職死亡や長期にわたる病気休業が見受けられる。職場環境の点検を行なうとともに、人的配置や人事管理を適正に行なうこと。
  15. 嘱託調理員、嘱託介助員、嘱託看護士、老人ホーム嘱託職員、嘱託司書などの常勤的非常勤職員は、労働時間数に違いがあるだけで労務内容は正規職員となんら代わりがない。待遇は正規職員と均等にすること。 

消防局

  1. 消防力の整備指針が改定され、施設、人員にわたって大幅に緩和されたにもかかわらず、西宮市の消防力はどちらも下回っている。なかでも職員定数は576人に対して359人で62.3パーセントの充足率に過ぎない。人口、世帯数、住宅戸数増加に加え、甚大な自然災害も増加している。そこで以下の点に取り組むこと。
    1. 市民の安全を守るため、職員数を整備指針に近づけるよう増員をすすめること。
    2. 指針では、消防署所は12署所に対して66.7パーセントの8署所となっている。消防局が独自に設定している署所の設置基準から、鳴尾浜の一部、段上町6丁目の一部、田近野町、柏堂町の一部や鷲林寺は離れている。全市がカバーできるよう署所の増設について研究すること。
    3. 西宮の消防署4箇所に対して消防用自動車のはしご車は4台である。中高層の集合住宅、特別養護老人ホーム等の高齢者施設が建設されている、西宮浜を担当する西宮浜出張所には配置されていないので緊急時に不安がある。西宮浜に対してはしご車は西宮署と鳴尾署に配備されている車両で対応するとしているが、西宮浜出張所にも配置すること。
  2. 西宮市のドクターカー制度は全国に先駆けて行なわれた。救急救命はそれこそ1分1秒を争うため、今後とも協力病院を増やすとともに、救急救命士の増員などさらに制度の充実につとめること。
  3. 運動中だけでなく安静時にも突然死する原因の多くが心室細動(心臓のけいれん)といわれ、応急処置としてAED(自動体外式除細動器)の設置が普及しつつあるので、積極的に導入を広報し取り扱いの講習をさらに充実すること。 
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